Winnyのレビュー・感想・評価
全291件中、241~260件目を表示
熱い想いが
早すぎた素晴らしいシステム
今ではあたりまえのシステムなのですが、
余りにも早すぎたパソコン用システムだったので悪用、流用されてしまってこのような現象になってしまったため、有能プログラマーが巻き込まれてしまった事件。
彼の製作したプログラムの一部は現在も生き続けています。
映画のストーリーですが、Winnyを主軸として製作者、それにかかわった人の物語、
Winnyを使用した者が善にも悪にもなるという事を裁判、出来事で紡いでいき、その終焉までを描いていく。
プログラマーとその裁判に関わった弁護士、周りの人たちの物語を紡いだ話。
役者さんたちがかなりリアルに演じていらっしゃるので劇場で見ている時間を忘れてしまいます。
エンディング始まっても席をたたないように、ラストにリアルがまっています。
是非とも劇場にて鑑賞してください。
国家権力は怖いね
法治国家における「正義」とは何か
法治国家における有罪無罪の判定基準は、社会における一般的な善悪基準と重なることもあるだろうが、決してイコールではない。前者は、後者よりもはるかに厳密なものでなければならないが、何せ運用するのは人なので、いつでも悪しき運用がなされる可能性がある。拡大解釈で有罪にされるとき、法は法としての用をなさなくなる。
しかし、人は、雰囲気に流され、感情に支配されるので、厳密な法解釈と運用は至難の業。だから、そうした恣意的な解釈や運用(しかもその動機は、しばしば「悪」ではなく、むしろ「善」への指向)をどこまで抑止できるシステムになっているかが問われる。
金子勇さんが最終的に高裁と最高裁で無罪を勝ち取ったことは、日本の法制度が「最終的には」真っ当に機能したことの証左と言えるが、一審で有罪になってしまったことは日本の法制度の瑕疵を示している…ということを訴えた作品。
見る価値のある映画だし、作る価値のある映画だったと思う。主演の東出さんがまったくタイプが違うであろう金子さんを見事に演じていて、その演技力には脱帽。
天才の悲劇
この映画を見終わってまず頭によぎったのは、ノーベル賞の事だった。ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルは、wikiで調べると、「ノーベルにとってダイナマイトが戦争で使われることは想定内であり、むしろ破壊力の大きな兵器は戦争抑止力として働くと予想していたが、実際には高性能爆薬の普及により戦争の激化を招いたことで世間的には「死の商人」というイメージが広まっていた。これらのことからノーベルは死後の評価を気にするようになったという。」と、ノーベル賞が創設された経緯が書かれている。この映画の金子勇氏もまさしくそうだ。著作権侵害を幇助するつもりなど、さらさらなく、世の中に貢献するために開発したwinnyが、一部の人間たちによって、悪利用され、金子氏自身も、悪事の隠蔽工作のために抹殺されたであろう事が、映画の中では暗示される。普通のプログラマーが3年かかるプログラミングを短時間でやってのける彼は、天才に他ならない。しかし多くの天才がそうであったように、金と欲にまみれた俗物の餌食にあい、不幸に見舞われるのだ。彼の一番の不幸は、不当な逮捕と裁判により、5年以上の時間を奪われたことだ。映画を見ると分かるが、プログラミングこそが彼の自己表現であり、それを禁じられた年月は、凡人からしてみたら、人間の五感を奪われるのと同じであり、凡人が何十年もかけて開発する偉業を成し遂げる機会を奪ったことになる。まさしく天才の悲劇である。
無実を証明するために奔走する弁護士の前で、「これからの開発者のためになるなら、どうぞ僕を有罪にして下さい」と言い放ってしまう金子氏は、その純粋さ故に、いわゆる一般社会での生活に不自由を感じていたのではないか?
今巷では盛んに多様性云々と言われているが、表面的な言葉だけでなく、この世の中にはおそらく非凡な才能を持ってはいるが、一般社会に適応しにくい人たちがいるのではないか?そういう人たちを早く見つけ出し、この世の中の悪感情や災難から守ってあげる、この映画の弁護士のような人間が本当に必要なんだなとつくづく思った。
事件を知るきっかけとして
実はこの事件、全く知らなかったため興味深く鑑賞しました。
確かにナイフや包丁を作る職人や工場、会社が「使い方を間違えれば危ないものだから作るな」となっては必要な道具まで無くなるわけだし。
この主人公の実在の方が無罪のあとどうなったかまでは知らなかったので、最後に当時のニュース映像、インタビュー映像も流してもらえて良かったです。
東出さんの演技は、御本人映像があったのでなかなかよく似せていて、コンフィデンスマンのような軽妙な感じも少しありつつ、開発以外の世情には疎い主人公をうまく表現していたと思います。
分かりやすく映画にしてもらったので、こういう事件があったと知ることが出来て良かったです。
別事件と思えた警察内部の捜査費ねつ造事件とのリンクもあり、内部告発をどうすればいいのか、とかも考えさせられる内容でした。
タイトルなし(ネタバレ)
Winnyよりも京都府警の汚職方が気になってしまった笑
金子勇が著作権侵害幇助の罪で捕まり一旦有罪となるが、最終的に逆転無罪となった。彼が捕まらなかったら、、みたいな話があるが結局どうかは誰にもわからない。
開発者の意図とは異なり、Winnyは悪用される。使ったことが無いから分からないけど、違法アップロードされた動画などを鑑賞可能なのだと思う。便利な一方でウィルス感染してしまうと個人情報や機密情報が流出し拡散する。度々問題になっている。
東出昌大が金子勇というか、エンジニア特有のキモさを演じていた。彼は役者なんだなと改めて感心した。弁護士が誰だか分からなくて無名俳優が抜擢されたのかと思っていたら三浦貴大だった。
金子は逮捕されると、2ちゃんで支援者が沢山現れて金子勇に支援金が集まる。しかし裁判では負けてしまった。誓約書など警察や検察が用意した書類にサインしてしまう金子も悪いのだが。
金子はWinnyの発想の原点にFreenetというソフトウェアを上げた。Freenetがどういったものかよく分からなかったが、世の中のニュースには情報提供者がいて、誰かがその人を知っている。Freenetならば完全に匿名化出来るようだ。
映画の中では京都府警の汚職の話が並行して進む。一人のベテランが汚職を告発する。彼は告発したことで危険にさらされることになってしまった。匿名であれば、早期に汚職も防げていたであろうか?
二本立てで見たかった
古く浅い。
Fly Away
10日公開は個人的に魅力的な作品が少ない週…。消去法で今作を選びましたが、これがまぁ傑作でした。マジで舐めててすいませんでしたとしか言いようがないです。
パソコンで立ち上げたサイトが悪用されて、そのサイトを作った開発者が不当逮捕されてしまい、その開発者の無罪を証明するために戦う弁護士と開発者との物語になっています。
日本の警察描写は基本的に間抜けなことが多いんですが、今作はとにかく悪どい奴らが多いので、腑抜けに感じるシーンはあまりありませんでした。とにかく権力で抑えつようとする感じ、裏工作を仕掛けて事を収めようとする感じ、年代は違えど悪い警察はとことん悪い、それを体現するメリハリの付け方はとても良かったと思います。
役者陣の入り込みも素晴らしく、東出くんのひょうきんさとダークさが絡み合った濃厚な演技、三浦さんの真摯に事件と向き合う弁護士の鏡の様な生き様の演技、渡辺いっけいさんと吹越満さんの裁判シーンでのバチバチの演技、吉岡さんの警察の裏を暴露する強い姿勢を見せる演技、邦画の中でもトップクラスの演技合戦が観れて最高でした。最初から最後まで隙のないものになっており、エンドロール後に流れるこの作品のモデルにもなった金子勇さんの映像を見ると、東出くんが完全に重なっており、憑依力がエグいと思いました。
リアルな裁判シーンでこんなにもカッコいいと思えたのは初めてで、僅かな隙を見つけてボロを出させて、一気に証拠をたたみかけるという頭脳戦で圧倒する面白さを邦画で体験できたことがとても嬉しかったです。これからの邦画の裁判シーンはこの作品と比較されていく気がします。
淡々と進むドラマに緊張感が直走り、その中で解決へのピースが埋まっていく瞬間、最高に気持ちいいです。ぜひ劇場へ。
鑑賞日 3/10
鑑賞時間 12:10〜14:30
座席 F-14
正義ってなんだ?
Youtubeが普及する前に一人の天才プログラマーが開発した「Winny」の事件を映画化したノンフィクションリーガル作品。弁護士・壇さんと無邪気な天才プログラマー金子さんが「著作権侵害」をめぐる裁判を繰り広げる傍ら、愛媛県警の巡査部長・仙波さんが県警内で裏金作りが行われているのを告発する。「著作権侵害」と「裏金作り」一見関係なさそうに見えるが「Winny」をきっかけに国家の闇を暴く、という濃ゆい内容で脳みそが満腹になりました。
一言でいえば暴露映画だと認識しました。警察・検察・裁判所の面子を潰す場面が多く、「公権力の信憑性」を今一度見直す良い映画でした。
また、この映画を今の10代に観てほしい気持ちになりました。プログラマーの苦悩や弁護士の仕事がこの映画で細かく描かれているので、プログラマーや弁護士の仕事に興味ある人は必見だと感じました。
おふざけ一切ないですが、無駄な場面がなく充実した時間でした。
20年前も今も日本の組織は何も変わっていない
《2ちゃんねる》や《Winny》が何かを知らなくても、社会人であれば何となく自分との共通項を見出せる作品。
かく言う自分も、Winnyのことはほとんど知りません。
ただ、上司からの指示が社会通念上あり得ないものだったり、実際にことが起きた時に指示役の上司が責任を取らなかったという経験。社長クラスでない限りは、ほぼ全ての社会人なら(公的機関に勤めている人も含め)何かしら経験していると思います。
自分も覚えがあります。
20年前の事件を扱っている作品ですが、日本の組織の仕組みとしては、今も昔も何も変わっていないんじゃないかと思いました。
これは別に警察組織という場に限らず、一般企業にも当てはまりますが。
映画自体の出来は素晴らしかったですが、社会人的には観終わった後、すこぶる嫌な気分になりました。
まあ、でも何にしろアレですね。
自分と共通言語で話せる仲間の存在(今作では壇弁護士)は、精神的にも社会的にも大きな存在なんだなと。
もっと広い視野で描いてほしかった
かつて話題となったソフト「Winny」を題材としているところに興味をひかれて鑑賞してきました。他にも、作中にソフト「Napster」や雑誌「ネットランナー」等が登場していて懐かしかったです。思えば、この頃から情報漏洩や著作権といったものが、自分にとって身近になってきたように感じます。
ストーリーは、ファイル共有ソフト「Winny」による著作権侵害が社会問題となる中、開発者である金子勇を著作権法違反幇助の罪に問おうとする警察と、無罪を主張する弁護士・壇俊光たちとの裁判での攻防を描くというもの。実話をもとにしているため、ドラマチックな見せ場はないですが、当時の記憶がある方には興味深く鑑賞できるのではないかと思います。
Winny開発者の刑事責任の有無を問うという単純なストーリーですが、Winnyの使用経験のない方には少々イメージしにくいかもしれません。とはいえ、その仕組みや違法性について単純化して噛み砕いて描いているので、ネットワークの基礎知識がなくても内容は理解できると思います。また、裁判での争点や駆け引きもなかなかおもしろかったです。
これと同時進行で愛媛県警内部の裏金問題が、メインストーリーとは絡まないながらも、間接的にWinnyの援護射撃をするかのような形で描かれます。全編通して、警察の悪意ある捜査、隠蔽体質、組織の腐敗などを糾弾するスタンスを感じます。開発者の金子勇氏が優れた技術者であり、彼に犯罪目的は微塵もなかった、そんな彼の名誉を守るために、本作は作られたのではないかと思います。もちろんこれはこれでおもしろいのですが、著作権保護の立場からWinnyの存在を苦々しく思っていた人には、作為的な描き方と受け取られるかもしれません。
エンドロールで、金子氏が「誰かのせいにすればいいというわけではない」とコメントしたVTRが流れるのですが、まさにそのとおりだと感じました。とかくこの国は何かが起こると誰かに責任を押し付けて叩いて、ことを収めようとしているように感じます。しかし、警察が全て悪いと言わんばかりの本作も同じではないでしょうか。なぜ警察が開発者の責任にあそこまでこだわり、あのような捜査や尋問をしたのか、その真意はどこにあったのか、軽い気持ちでWinnyを悪用した人間がどれほど多く、著作権者にどれほどの被害や迷惑があったのか、コンテンツクリエーターたちはどう感じていたのか等、愛媛県警の件よりこっちをもっと広く描いてほしかったです。そして、それぞれの立場や思いを感じ取らせ、観客が自身の行動を振り返るような描き方にしてもよかったのではないかと思いました。警察VS弁護団という小さな構図にしてしまうのは、ちょっともったいなく感じました。
キャストは、金子役に東出昌大さん、壇役に三浦貴大さんで、どちらも上手くハマっていました。脇を固めるのは、皆川猿時さん,吹越満さん、吉岡秀隆さん、渡辺いっけいさんらで、ベテランらしい安定の演技で作品を支えます。
良かったです。
20年立ちました
この映画の述べたいであろう「真の趣旨」は別のところにあるのでは?
今年77本目(合計729本目/今月(2023年3月度)12本目)。
1時間差でみた今週の本命作であろう本映画です。
WinnyはIT技術者であればもちろん、当時は社会をにぎわした事件であるので、知っている方も多いのではないか、と思います。
「表向き」はタイトルがそもそもWinnyですし、Winnyを扱っている部分もありますが、個人的には「第二、第三の論点が見え隠れしているが、(大人の事情で)表向きに出せなかった」のではないか、換言すれば、「この映画の主義主張は他のところにあるのではないか」と思えます。
採点としては特に差し引く要素までは見当たりません。
多くの方が書かれている通り、第一審(地方裁判所)しか描かれていないのも、下記に述べる「この映画の真の論点」に焦点をあてたという解釈をすれば至極当然の話であるからです。
なお、以下は、行政書士合格者レベルでの理解と採点、ほか補足説明や私見によるものです(反対意見ほか大歓迎です)。
(減点なし/参考/「ほう助」について法律事務所で聞いているシーン)
・ 日本には「刑法」という法律があり、学説をとく本では「刑法総論」と「刑法各論」の2部構成(あるいは2冊)になっていることが多いです。前者は「どのようなときに罰せられるのか、罰するべきものは何か、あるいは「ほう助」とは何か「共犯」とは何か」といった総論的なもの、後者は「個々の刑罰(例えば、殺人罪や傷害罪ほか)について各種の展開をしていく」という構成になっているのが日本の伝統です(ただ、本格的にこれを学習するのは、司法試験(予備・本試験)以外ありません)。
しかし、「ほう助とは何か」は映画内でも示されている通り、学説上の対立が非常に激しく、また判例も一貫していない部分があります(具体的な事件ごとにコロコロ変わっている)。この「ほう助」については学説の対立があり、「理解の難しいところ」であるのは確かです。
(減点なし/参考/「判例を調べる」の部分)
・ 日本の裁判制度では「判例」といった場合、最高裁判例を指すのが普通です(これに対し、高等裁判所以下のそれを「裁判例」といって使い分けるのが普通です)。
-----------------------------
▼ この映画が真に伝えたかったことは何なのか
もちろん私は映画監督ではないので、一人の資格持ち、あるいは一人の鑑賞者としての意見になります。
本映画でWinnyが題材にはなっていますが、Winny「それ自体」の技術的な論点ほかはほとんど映画内では前提になっていません。むしろ、「特定の警察組織」に関することばかりが多く取り上げられています(ネタバレ回避でぼかしています)。
翻って日本を見ると、現在においても、「法の解釈を誤った間違った逮捕・拘留」といったものはある程度見られます。それは人がやることなので「ある程度は」仕方がないところです(だからといって、警察官が怠けてよいという理由にもならない)。
しかしこの映画の「とある警察組織」のように、「そもそも根底論から無茶苦茶な警察組織」ではまともな裁判は展開できません。この映画は固有名詞が出るように、その大筋において史実と同じです(正直、国民目線からすればあきれるレベルでしかない)。「単なる誤認や勘違い」と「警察の支離滅裂な公権力の行使」は分けて考える必要があります。この映画はもっぱら後者を問題視したもので、ほか、リアル日本で「多くの人がこれは変だろう」と思えたであろう「無茶苦茶な事件」としては、「鹿児島県警の「踏み字」事件」などがあげられます(詳しくはネット参照。あまりにも無茶苦茶すぎて地裁で警察内部が裁判官から論破されて地裁で確定している)。
この映画は、そのような「あまりにも支離滅裂、やる気もなければ不正行為もモラルのかけらもないやる気ゼロ」の警察組織に対するメッセージではなかろうか、というのが個人的な意見です。
そしてそのような批判は、「常識的な範囲であり誹謗中傷等にあたらない限りにおいて」は日本では言論の自由で保障されますし、映画での上映においても同じです。また、映画内で出る「プログラム作成を通した自己表現の自由」や「報復を恐れる意味での匿名性を維持したソフトの開発」も、結局は「言論の自由」に帰着されます(「匿名性の確保」をどう考えるかは難しいですが、匿名性を盾にとって誹謗中傷を繰り返す類型と、匿名性を担保したうえで内部告発等を行う類型は、明確に区別する必要があります。今でも報復を恐れて内部告発ができないケースはあるからです。そして後者には「ある程度の妥当性」が認められるべきものです)。
要は、この映画はタイトルこそ「Winny」であるものの、結局のところ「あまりにも支離滅裂がおかしい警察組織へのメッセージ」、あるいは、「表現・言論の自由は「基本的人権の王様」と呼ばれるように最大限尊重されるべき」という立場で作られたものなのだろう、というところです(もしこれが気に入らないなら、その映画内で参照されている「特定の都道府県の県警」が抗議などしていると思うので)。
-----------------------------
長くなりましたが、この映画の「真のテーマ」はこのように別のところにあり、Winnyというタイトルは「ひとつの出来事のひとつにすぎないのではないか」というのが個人的な見方です。このように解すれば、「ストーリーが妙なところで終わってしまう」等も理解ができるので、個人的にはこの立場です。
司法が潰した画期的な新技術
東出クン、開眼したんじゃないの。プログラミングのこととなると無邪気で話が止まらなくなる。刑事や検事の強面に臆してしまう。そんな金子さんの人となりがスクリーンを通して伝わってくる。
東出クンを応援する気はさらさらないが、彼が出演する作品は見たくなるね。
当時、金子さんの逮捕に驚いた。いくら悪用されているソフトの開発者とはいえ、無理筋にも程がある。
京都府警の警察官がWinnyに生息するウイルスに引っかかって、捜査資料もろともPCの中身を晒された。京都府警のメンツは丸潰れで、著作権保護を大義名分にして金子さんを潰そうとしたのは間違いない。
さらにもっと問題なのは、司法が機能しなかったことだ。作品中でも描かれているが、ソフトウェアが何たるかを理解できない裁判官が事件を担当している。京都地方裁判所の、いや日本の司法の無知蒙昧を全世界に知らしめてしまった。これは、恥ずかしい。
愛媛県警の裏金問題をwinny事件に絡めて差し込んだのは、余計だった。金子さんは反権力を志向していなかったし、本人が語っているように「そこに山があるから登った」でしかないと思う。ちょっと焦点がぼやけたかも。
全体から見ると、ちょっとしたマイナスでしかなく、それを上回る法廷シーンの面白さがある。弁護側が、京都府警の刑事の嘘を引っ剥がし、矛盾を突かれて歯軋りする刑事の顔には、胸がスッとしますよ。
ビットコインの創始者のサトシ・ナカモトが金子勇氏であるとの都市伝説がある。拘置所でブロックチェーンのアイデアが浮かび、それを実現して換金せずにこの世を去ったとしたら。
革命を起こして世を去ったと信じたい。
全291件中、241~260件目を表示