「子ども向けの六法全書などを、成人になる前に一読した方が身のためだと思った。」Winny のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
子ども向けの六法全書などを、成人になる前に一読した方が身のためだと思った。
この事件のことは、うっすらと記憶に残っている。
最初から大変興味深く、物語に入っていくことができた。
壇弁護士の、ナイフで人を刺した時、刺した人は逮捕されるが、ナイフを作った人
が罰されることはないというたとえ話は、Winny事件の核心を表現している。
道具は、あくまでも無機質で、それを悪用する人が罰されるべきなのだ。
小難しい法律も、こうして話してもらえると分かりやすい。
弁護士と検察、裁判官は、いずれも法律の専門家。
けれど、立場が違えば、人が違えば、行動は変わり、正義も変わる。
もし、この裁判が裁判員制度で私が裁判員なら、金子氏の陳述を聴いて無罪に一票を投じるだろう。
金子氏は、プログラミングが大好きな技術者で、社会テロなんて考えてもいないと感じるからだ。
けれど、裁判官は感覚や感情では動かない、動けない。
金子氏たちが無罪を勝ち取るためには、彼らの正義に訴えかけなければいけないのだ、難しいな。
権力側の政府、警察、検察、メディアが、一個人を社会的に抹殺することは簡単である。
学校もそうだけど、個人の自由意志より組織の論理を優先するようになると、ゆがんだ方向に行く。
一度転がしだすと、止めることは難しくなるので、だからこそ、厳重に組織自身が、そのあり方を厳しく律しなければならないと改めて感じた。
金子勇氏のご冥福を心からお祈り申し上げます。
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