「47氏が遺してくれたもの」Winny BTYさんの映画レビュー(感想・評価)
47氏が遺してくれたもの
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以前に壇弁護士の書かれた書籍を2度読んだ事もあるため、結末を知った上で観ましたが、良い意味で期待を裏切られました。
47氏(金子勇)が『Winny』を公開する所から始まり、京都地方裁判所より『罰金150万円』の有罪判決を受ける所までが描かれています。
インタビューでも書かれていましたが、まず小道具の再現度が素晴らしいですね。
メガネのフレームやカメラはご本人の遺品を使っているのだとか。
PCやマイコンも可能な限り当時のものをとオークション等を使って揃えられたそう。
次に演技の部分。特に東出昌大さんの演技に惹き込まれました。
喋り方や細かな動きに至るまで、記者会見や書籍で描かれる中で想像していた人物像そのもの。
調べてみましたが、役作りの為に18キロの増量や壇弁護士や遺族の方にも取材を行っていたそうで、当たり前だと言われるかもしれませんが、改めて役者さんは凄いなと関心しました。
最後に演出の部分。全体的にリアル志向で好感でした。
小道具にも共通する部分ですが、ところどころ出てくるプログラミングのシーンもありがちな安っぽいサイバー演出をしていない所が良いですね。
また、ラストシーンに本人映像を出す演出。これには思わず涙が溢れてしまいました。
志半ばで倒れた47氏が戦い続けて遺した『技術者の未来』
インターネット上での著作権という凡例が少なかった時代に『無罪』を勝ち取った功績は非常に大きいものだと思います。
劇中にも出てきましたが、「ナイフで人を殺めた時に裁かれるのは誰なのか」という部分。
綺麗事と言われるかもしれませんが、出る杭が打たれない社会になる事を願っています。
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