劇場公開日 2019年10月18日

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「大ヒット作直後の産みの苦しみから出た佳作」スペシャルアクターズ HALU6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大ヒット作直後の産みの苦しみから出た佳作

2019年10月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

10/19(土)の公開二日目の朝8時30分からの舞台挨拶付き上映の鑑賞に、京都から、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで朝早くからクルマに乗って出向いてきました。

率直な感想を申しますと、
私的には、本作においては、あの『カメラを止めるな!』ほどの大爆笑するほどの笑いのツボにハマる様な衝撃はなかったものの、そこそこ面白い映画でありましたし、また、今回の作品もコメディ路線の体裁を採ってはいるものの、実はその底辺にあるのは、浪花節的な人情噺ではないかと思うほどの感動的な演出が用意されており、思わず泣かされそうになってしまうほどでした。
そういう意味合いでは良作でしょうし佳作と呼べる作品でした。

思いの外、兄弟の絆や姉妹愛を描いた映画でもあり、脚本自体が、配役に根ざした上田慎一郎監督による全てアテ書きとは言え、特に、大野兄弟役を演じられた、男性に詰問されると緊張して気絶してしまうコミュニティ障碍を持つ売れない役者の卵である兄の大野和人役を演じられた、大澤数人さんの臆病なオロオロした演技が真に迫っていて素晴らしかったですし、弟役の大野宏樹役の河野宏紀さんの演技にしても二人共々、将来的に大成しそうなくらいに凄く上手くて良かったでした。

私個人的な、推しメンは、インチキ・カルト教団ムスビルの女性幹部・七海役の櫻井麻七さん。彼女も将来的に売れっ子になれそうな雰囲気を醸し出していましたね。

ネタバレ厳禁の案件なので、あまり詳しい内容は述べられませんが、現在、大ヒット中のDCコミックス映画『ジョーカー』でも主人公は、派遣業でピエロを演じながらコメディアンを目指しますが、精神疾患のために仕事が上手く行かずに貧乏暮らし。
この映画の主人公・大野和人(大澤数人さん)も同じ様な境遇ながらも、最後には多幸感溢れる演出が待っている点で、同じ心の病を持つ主人公の物語としては、あのアメコミ映画の『ジョーカー』とは対極をなす作品かも知れないですね。

私的な評価としましては、
途中までは、クスッとも笑える演出もなく特に面白さも感じられなかったのですが、欺し騙されのコンゲームものの映画だけに、あの『スティング』さながらの欺し合いの妙に感心しながら、最後には多幸感が溢れるような演出が用意されており、思わず泣かされそうになるほどでした。
ですので、あの『カメラを止めるな!』の様なほどの衝撃はなかったものの、浪花節的な人情味溢れる凄く感動的な映画でしたので、五つ星評価的には四つ星評価の★★★★の高評価も相応しい作品かと思いました次第です。

また、前作『カメラを止めるな!』の様なゾンビ映画などの血飛沫などに耐性のない人でも、今作品では、そのような過激な描写もないので、充分に楽しめる内容の映画になっている点も良かったと思いました。

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HALU