「ハードルを上げすぎたのかも。」フリー・ガイ 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
ハードルを上げすぎたのかも。
もしAIが自我を持ったら?
という、一見恐ろしい話に聞こえ、このテーマを「アイロボット」、「エクスマキナ」などでホラーテイストで見てきた人間としては、こんなに楽しく扱われているのが新鮮で、純粋に楽しかった。
「フリーシティ」と呼ばれる、最早どう見てもGTA(グランド・セフト・オート)のような、何でもありのオープンワールドゲームのモブキャラが主人公という斬新な発想の作品。
ゲーム好きは勿論、グラセフをやっていたプレイヤーならあるある!と共感するシーンも多く、楽しめると思う。
何度も言うように見てて楽しかったし、「ナイトミュージアム」の監督のショーンレビだけあって、わちゃわちゃ感や、サブキャラの憎めない感じのキャラクター作りが面白く、どの世代が見ても平均的に楽しめると思う。
ただ、やはり平均的なだけあって、そこまで心が揺さぶられるようなものではなく、あっけらかんとしていて、そんなに熱くなるようなドキドキや感動も特になかったので、微妙な気持ちで終わってしまった感覚。
相次ぐTwitterでの高評価を事前に目にしてしまっていたので、かなりハードルを上げた状態で見てしまったせいのような気もするが、「アメコミ好きは必見!!!」って言われてみて、いざ見てみれば、勿論キャップの盾、クリス・エヴァンス、ジェダイのライトセーバーにはめちゃくちゃ興奮したが、「え、これだけ?」感が。
さらにクリス・エヴァンスのシーンが既に彼のInstagramで見てしまっていたせいで、出る事がわかっていたので少し残念だったかな。
モブキャラに恋をするプレイヤーというのも面白かったが、結局それはもう一人の開発者の仕組んだプログラムだったというオチにも少しガッカリ。
AIが自我を持ち、プレイヤーに恋をするというような斬新なシナリオだったのに、結局プログラム通りに動いたキャラで、女性はそのアルゴリズムに則ってNPCに恋をしたという、特に感動しない展開に持っていってしまったのは、勿体なかったような。
ただ、NPC全員がプログラム通りにしか動けなかったり、色々な海外の実況者が出てきてガイと触れ合ったり、自分の好きなタイカワイティティが今回の敵として登場し、彼のユニークな感じが如何にも「悪社長」って感じで面白かったな。
ゲーム好きは特に、でも誰でも楽しめると思うので、是非!