「すべてのGTAオンラインプレイヤーに捧ぐ。」フリー・ガイ 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)
すべてのGTAオンラインプレイヤーに捧ぐ。
映画としてのクオリティは圧倒的。
『ナイトミュージアム』同様、ショーン・レヴィ監督のバランス感覚の良さと、ライアン・レイノルズの寄れば寄るほど面白い顔。無理・無駄のない脚本も本当に素晴らしい。ゲームの世界をサブカル/B級的な視点で切るのではなく、正攻法のお伽噺に仕立てたファンタジーとしての感覚にも感嘆。希望をテーマとした、あらゆる世代に勧められるマスターピース。
と、まぁ映画としては全方位で非の打ち所がないので、ゲーム的な視点から語るならば、すべてのGTA5プレイヤー必見!ということ。
多少のアレンジや他ゲームの要素はあるものの、映画の舞台は8割方GTA5のオンラインと言ってしまっていい。
強盗ミッションをから始まり、軽薄なカラーリングのスポーツカー、街中を飛び回る迷惑な戦闘機、車を踏み潰す戦車、海辺の高級ペントハウス、スーパーカーと装甲車が並ぶピカピカのガレージ……。既視感。既視感しかない。
意味なくNPCを殴ったり、パトカーにロケランを打ち込んだ経験は、GTA5プレイヤーなら誰しもがあるはず。「最近のオンラインは治安が悪いから行きたくないんだよね」という穏健派なら、きっとNPC達の溜息に深く共感できるだろう。昔のオンラインはもっと穏やかで、いまとは違う楽しさがありました……。
奇しくもGTA5も発売から7年経ち、フィナーレを飾るだろう原点回帰大型アップデートの最中。この映画を観た後は、ロスサントスの景色も少し違って見えるはず。歩道のNPCを意味なく車で跳ね飛ばすなんて、もうできません。
最後は『SIMS』になりましたとさ。めでたしめでたし。
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