「本当のフリー・シティを目指して」フリー・ガイ 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
本当のフリー・シティを目指して
フリー・シティというゲーム上の架空の街で、銀行員モブとして生活しているその名もガイ。
彼らモブキャラたちはその事実を知らず、毎日同じことの繰り返しというこの世界を暮らしていた。
そんなある日ガイは1人のプレイヤーのモロトフに惚れてしまう。
そこから巻き起こる現実世界と仮想空間の次元を超えた恋愛(?)バトル(?)映画。
もう設定が好き。
この設定を聞いた時から観てみたいと思っていて、コロナ禍により延期した時は少し諦めかけたが、やはり観れてよかった。
周りではドンパチやってるのに颯爽と歩くガイのシュールさで冒頭から掴まれる。
朝起きて、金魚に挨拶して、服を選んで、コーヒー買って、バディと一緒になって、銀行に出勤して、強盗に入られて…
日々変わらない日常。
我々から見たら変に感じるが、彼らにとってはそれが常識だから不思議にも感じない。
ある意味、戦時中の国民への洗脳のようにも見える。
閉塞感ある日常を抜け出そうとする主人公像は、同じく閉塞感のある現代社会の人々の心情とも重なる。
現実では上手くいかない上の人間への反抗を、ゲームのニューヒーローを通して叶えるという理想と希望。
「変わろうと思えば誰だって変われるんだ」と直接的にも間接的にも訴えかけてくるところに、勇気と元気をもらった。
ありがとう、ガイ!おめでとう、ガイ!
終始笑顔になれる。みんなこれ観て元気出そうぜ!
ヒーロー映画なのか?恋愛映画なのか?
ノージャンルなのになんだか泣けてくるのも良い。
特に後半のガイが街のモブキャラたちを集めるところあたりからテンポも良くなり、なんとも言えない至福の時間が始まる。
今年ベストなキスシーン、パロディの応酬、クスッと笑える小ネタ、バディとの友情…
現実でアントワンが暴走してる間に怒涛の展開を見せるガイたち一向。
何度かウルっときてしまった。
ハンサムな割にちょっぴりダサくて超絶優しいガイ兄貴のキャラクターも完璧。
自分自身もいつも酷い扱いをしてきたモブキャラに謝らなくては笑
あんないい奴らだとは思わなくて…
久しぶりにゲームやってみようかな。
今頃ゲームのモブキャラたち大喜びでしょう。
武士、AKIRA、東京メトロ、抹茶など日本多めだったのも嬉しい限り。
続編、リメイクいかがですか?