「ひねくれてるのにしっかり「いい話」」フリー・ガイ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
ひねくれてるのにしっかり「いい話」
過去、ゲームを主題にした映画はいくつもあるが、どちらかと言うと「懐古」や「あるある」に寄った、言い方は悪いが「媚びた」作品が多く思い浮かんでしまう。
正直、この映画の前半辺りまで「やっぱりそのテの作品か」と感じていた。
しかし、話が進むと実はそうでもない。
子供向けの単なるアクションコメディでもなく、内容はしっかり大人に向けて人生を提示してくるクセに、ふざけた要素が山盛り。
それでいて結構ひねくれた構成を、ラストはきっちりまとめた上に想像以上のハッピーエンドがやってくる。
なかなかのクセ者映画だった。
この変な作品を、善良に見せたのはやはりライアン・レイノルズの貢献度が大きい。
ジョディ・カマーの可愛さも際立ってた。
あとはやっぱり音楽よね。
銃撃シーンのポップミュージックとかはもう定番になりつつあるし、エンディングが私にとっては一番彼女が輝いていた頃のマライア・キャリーってのもグッと来た。
あと、映画そのものの感想とは別に、もう世の中は「GTA」やら「APEX」やら「FORTNITE」といったゲームの要素が観客の『常識』として成立する様になってしまっていることに驚かされた。
近くに座っていたご婦人は、赤い「救急ボックス」の登場で手を叩いて喜んでおられたし。
個人的にはこういった「人殺し」や「暴力」をモチーフにしたゲームは苦手で、一歩間違えるとまるで置いていかれる可能性もあったので、改めてカルチャーとの付き合い方も考えさせられた。
さらに余談。
今回、とあるイオンシネマで観たのだが、本編のスタートが、告知された上映開始時刻から20分後というのはさすがにヒドい。
劇場がCM収入でやりくりしているのはファンとしては痛いほど分かるが、我々の時間もタダではないので。
40