「NPCの権利闘争」フリー・ガイ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
NPCの権利闘争
人工知能で思考する奴らが進化して、自我が芽生えてしまうという話は昔からの定番とも言うべき設定だ。2001年宇宙の旅だったり、ブレードランナーだったり、ターミネーターだったり、いずれも人工知能が発達した奴らが人類を攻撃しようとすることが多い。
本作に登場するガイはノンプレイヤーキャラクター(決まったセリフしか言わないモブキャラ)。ある女性と出会うことで自我が芽生え、NPCの役割を放棄し活動し始める。恋をしたり、他のNPCをけしかけたり、ゲームのプレイヤーに干渉したりする。
正直、序盤は展開が遅くて少し退屈してしまったが、中盤からどんどん面白くなっていった。社長が送り込んだ敵キャラデュードとの戦い(あの盾が出てくるシーンとか!)は笑ったし、テンションも上がるものだった。
ガイはNPC仲間に呼びかけ、ゲームの管理者に反抗して、ゲーム環境自体を変えようとする。なるほど、描かれているのはNPCの権利闘争なのか。従来のAIと違って、好戦的ではないんだな。ゲームのキャラクターだし、サーバーを止められたら終わってしまうことを考えると、肉体を持つAIとは求めるものが違うのも当たり前かもしれない。そもそもコメディテイストの話だし。
ゲーム好きだったらもっと楽しめたんだろうな。ちょっと悔しい。
コメントする