「幾重にも重ねられた物語の多重構造に唸らされる」スウィング・キッズ mayuoct14さんの映画レビュー(感想・評価)
幾重にも重ねられた物語の多重構造に唸らされる
毎年、年始に仲間うちに公表している「マイベスト映画」の2020年版にこの作品を選びました。
封切りから時間が経過していますが、あらためてレビューします。
『スウィング・キッズ』は、宣伝のビジュアルに完全に騙された「スゴい」作品でした。
タップダンスも大好きで、予告編で紹介された劇中曲(sing! sing! sing!やデビッド・ボウイのmodern love)に魅かれ、ワクワクしながら途中まで観ていました。
舞台は朝鮮戦争下の捕虜収容所。タップダンスを通じてアメリカ軍と韓国の捕虜が敵味方を越える話…さぞ、音楽やダンスが架け橋になるいい話なのかと思いきや、そこからのすごい展開が待っています。
何度も「えっ」と思わされ、いい意味で裏切られます。最後には作り手からの強烈な反戦メッセージが込められています。
この、幾重にも重ねられた物語の多重構造に本当に唸らされ、圧倒的なストーリーテリングの巧さを感じました。
さすが、『サニー』を監督したカン・ヒョンチョル。次回の作品も楽しみです。
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