「【イデオロギーの壁を乗越え、レッツ・ダンス! 朝鮮戦争の愚かさを米軍の振る舞いも含めて強烈に描いた作品でもある。】」スウィング・キッズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【イデオロギーの壁を乗越え、レッツ・ダンス! 朝鮮戦争の愚かさを米軍の振る舞いも含めて強烈に描いた作品でもある。】
1951年、朝鮮戦争時、韓国巨済にあった米軍の捕虜収容所が舞台。
収容所には、北朝鮮の捕虜(ロ・ギス達。但し、捕虜になった理由は微妙に違うし、そこが後半効いてくる。)
収容所のイメージアップを図る、ロバーツ所長の指示の下、
1.ブロードウエイの素晴らしさを語る、元タップダンサーの米黒人下士官 ジャクソンをリーダーとして、
2.ロ・ギス(D・O) 北朝鮮の捕虜。行方不明の兄と共に英雄視されているが浮かない顔。北朝鮮のイデオロギーに共感出来ていない。天性のダンスの力量を持つ。
ーあの、高速コサックダンスはCGですか?、自分で頑張ったんですか?-
3.両親を失い、家族を養うため語学力を武器に、通訳兼ダンサーとして活躍する気丈な女性ヤン・パンネ。ロ・ギスより少しだけ年上。
-健気で、芯が強く、可愛い。-
4.戦争の最中、妻と生き別れになってしまい、有名になって妻と再会するチャンスを得るためにチームに参加したカン・ビョンサム。
-泣き虫だけれど、良い。-
5.太っているが、栄養失調という訳の分からない設定のシャオパン。中国人。ダンスの切れは凄いが少ししか続かない・・。
-この人、絶妙にダンスが面白い。-
彼らが、収容所のクリスマスパーティーでのメイン舞台を務めるために、即席ダンスチームを結成し、純粋にダンスをする楽しさに目覚めていく姿を、
彼ら以外の人物の”様々な思惑を絡ませながら”描き出していく。
彼ら5人が国籍、思想の違いを、ダンスをする楽しさの中で”一瞬だけでも”忘れ、ひたすらに踊る姿が神々しい程に美しい・・。
<タップ・ダンスの美しさを随所で見ることが出来、大満足。デヴィッド・ボウイの”モダン・ラブ”が大音量で流れたシーンでは大興奮。
けれど、ラストはとても切なくて・・。
朝鮮半島の現在の状況を鑑みても、切なさは募るばかりである・・。>
パンネの話す英語が全然分からない事なかったですか?彼女の日本語も聞いてみたかった。
ジャクソンが収容所を去る場面。シートから突き出したタップシューズが、ジョジョラビットのヨハンセンの赤い靴みたいで。胸が苦しくなる映画でしたね。