「コミュニストはタップダンスの夢を見るか」スウィング・キッズ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
コミュニストはタップダンスの夢を見るか
クリックして本文を読む
朝鮮戦争中の捕虜収容所でタップダンスの公演を命令された黒人下士官。捕虜となっている朝鮮人からメンバーを募りダンスを教えていくという話。
序盤は、勝利への脱出や大脱走みたいな収容所映画に似た雰囲気を感じるが、そこはダンス映画。ウェストサイドストーリーのようなダンスバトルがあって、(ミュージカルが苦手な自分は)やや白けてしまった。
ところが逆にこのシーンがあったことで非現実な世界へと入らせてくれた。ダンスのときにかかる曲がThe Isley BrothersのShoutとかDavid BowieのModern Loveなんだもの。時代めちゃくちゃだなと思いつつ、それらのダンスシーンがメチャメチャかっこいいことに驚く。疾走感があって、躍動感があって、踊りたいという衝動に突き動かされていることが伝わってきた。
そして5人で踊るダンス公演のシーン。次に待ち受けていることがわかるだけに切ない。でも素晴らしい踊りと演出。ワクワクしながら悲しい涙が流れるなんて珍しい体験だった。一人で残って踊るギスは、これが最後だとわかるからこそまだ踊っていたい、そんな気持ちが見えてさらに切なくなった。
あー、でもなんでだよ!全員殺す必要あった?そんな展開もあるかもしれないけど、いつの間にか感情移入していた身としては複雑な気持ちになった。
そしてThe beatlesのFree As A Birdかよ。卑怯だな、おい。いい映画じゃねーか!
コメントする