劇場公開日 2019年9月6日

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「たゆたっていた頃」左様なら 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5たゆたっていた頃

2019年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

東京の下町に住み、小中高と学生時代を過ごした私は、この作品の主人公たちのように近くに海があった訳でも、長閑な風景が広がっていた訳でもないが、ヒロイン同様に何か息苦しさや虚無感を覚えながら過ごしていた。
この作品ではスクールカーストがモチーフとして取り上げられているが、私がいたクラスにも力関係やグルーピングは勿論あった。
この作品の場合、ヒロインの親友の突然死を切っ掛けにそれが露わになるのだが、ただ本作の場合、それが全てではないと思う。
映画を観ていると、そういったことに対しヒロインは超然としているように見える。
コミック、特に青春ラブコメの実写映画化作品のように、熱い友情あり、波瀾万丈な恋愛ありのドラマではなく、子供でもなく、大人でもなく、死をイメージするには余りにも若い、何者でもない存在、そういった宙ぶらりん、人生をたゆたっている頃を繊細に詩情豊かに描いているような気がする。

玉川上水の亀