「長年の思いと重なる瞬間に涙があふれた」ブルーノート・レコード ジャズを超えて エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
長年の思いと重なる瞬間に涙があふれた
ブルーノートの80年の歴史を駆け足で俯瞰するドキュメンタリー。現在のブルーノート・オールスターズとウェイン・ショーター、ハービー・ハンコックのセッションをプラスし、DNAの継承をうたった。
まず生い立ちに感動する。1939年のニューヨーク、ナチスから逃れドイツから移住したアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフが立ち上げたのですね。そして史上最高のエンジニアのひとり、ルディ・ヴァン・ゲルダーと出会う奇跡!
いきなりピアノを弾くモンクの姿に落涙。モンクスタートとは不意をつかれた。バド・パウエルが後に続く。もう有り難過ぎます。25歳で逝った天才クリフォード・ブラウンの姿にまたもや落涙。動くブラウニーが拝めます。
特筆すべきは当時の事情を知る生き証人ルー・ドナルドソンのインタビュー。ホント楽しいし、めちゃためになった。
コルトレーン、マイルス、ジョー・ヘンダーソン、アート・プレイキー、リー・モーガン等を軽くさらって、ウェイン・ショーターの天才を語るくだりでまた落涙。やはり長年の思いと重なる瞬間は感動するし、自然に涙が出る。
70年代はドナルド・バードやボビー・ハンフリー等のヒット作のジャケ写のみ。80年代以降はヒップホップからノラ・ジョーンズまでを駆け足で。
ということで、しあわせな気分に浸れる必見作ではあるが、85分では尺が足りない。贅沢な不満とは思いつつ……。
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