「血みどろのカオスの中で生まれた恋」初恋 ぐちたさんの映画レビュー(感想・評価)
血みどろのカオスの中で生まれた恋
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ヤクザと中国マフィアと悪徳刑事が暴れまわる歌舞伎町の夜。
裏通りの生臭さと血の臭いが漂ってきそうな画面の中で、ヤクザはキレて、中国マフィアは冷酷で、恋人を殺されたベッキーは凶悪な演技を見せる。
日本刀とナイフとピストルと、ショットガンとスタンガンが飛び交う。人の首も飛ぶ。血みどろのカオスである。
そんな夜に偶然出会った若い二人、レオとモニカ。
モニカは父親に虐待されていた。モニカの初恋の相手は、ろくでなしの父親を殴ってくれた竜司であるから、タイトルの「初恋」は不器用なレオにとっての初恋であろう。
戦い終わって朝が来て、逃げ切った二人はレオのアパートに消えていった。
映画の最後は、数えきれないほどのパトカーを引き連れて、ヤクザの権藤が運転する車が海の上の道路を突っ走る。突っ走る先に何があるのか、逃げ切ることが可能だとも思えないが、パトカーの群れを引き連れて走る光景はなぜか美しい。
カネと麻薬と売春の歌舞伎町、ホームセンターでのバトル、ラブストーリー。
いろんな要素が詰まった映画全体がカオスであり、そのカオスがしみじみ楽しい。
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