「ぶちギレて、ブッ飛んで、楽しめる三池崇史ワールド全開の作品です♪」初恋 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
ぶちギレて、ブッ飛んで、楽しめる三池崇史ワールド全開の作品です♪
昭和の香りが漂う三池崇史監督の最新作でこれまた80年代の様な挑戦的でギラギラした感じの作品に牽かれて鑑賞しました。
で、感想はと言うと…良いッスね。
結構当たり。緩急硬軟。いや、緩急急硬硬硬軟ぐらいで極端に言うとハードバイオレンスドタバタコメディアクションでしょうか?w
でも、良いッス。好き♪
なんとなく森田芳光監督の「バカヤロー! 私、怒ってます」や石井隆監督の「GONIN」、タランティーノ監督の「キルビル」を思い出しました。
三池崇史監督と言うと、「DEAD OR ALIVE」や「クローズZERO」「殺し屋1」に代表される硬派な作品のイメージがありますが、「ヤッターマン」や「着信アリ」「テラフォーマーズ」「風に立つライオン」「逆転裁判」「忍たま乱太郎」と実に硬軟で幅が広い。
最近では怪作として話題になった「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」を監督されて、第一章だけで砕けてしまいましたがw、この作品の為の修行と言うか回り道なら、納得と言う感じw
5月に公開予定の「劇場版:ひみつ×戦士 ファントミラージュ! 」も監督をされてますが、幅が広いなぁとつくづく思いますし、懐が深い。深過ぎますわ。
そんな三池崇史監督の久々に硬派な作品はやっぱり昭和の80年代の匂いがたっぷり。
あの、東映の荒磯と波のオープニングがマッチしてもうたまらんw
窪田正孝さん演じるレオが周りの濃い~面々に些か喰われた感じがしますが、それがなんとなく爽やかな感じ。
でも、あの大伴に放つカウンターパンチがもう見事すぎて、ここから物語が始まるのはまさしくパンチが効いてますw
ヒロインでモニカ役の小西桜子さんは昭和のアイドルみたいな可愛さwでオッサン受けは良さそうで、この作品にハマってるんですよね。
この二人の雰囲気がタイトルの「初恋」を醸し出していますが、それにしても周りが濃い。濃すぎるw
もう濃すぎて、初恋のタイトルがコメディに見えます。
ドラマ「きのう何食べた?」で抜群のハマリ役を演じた内野聖陽さんがムショ帰りの権藤を演じてますが、それがカスむぐらい。
個人的に気にいったのは不良刑事の大伴、成り上がろうとするヤクザの加瀬。フラッシュバックの度に出てくる白パンツ姿のモニカの父親w。
酔っ払った看護師のみゆき。
それと最強ぶちギレのジュリでしょうw
大森南朋さん演じる不良刑事の大伴はヤクザ映画にありがちのキャラクターですが、それがツボ。
クライマックスの舞台となるユニディでの“ユニディはなんでも揃うなぁ”は笑いました♪
シャブを横流ししようとする、染谷将太さん演じる加瀬が野望目論むヤクザながら、絶妙な運の悪さで予定と外れた転がり具合が面白い♪
山中アラタさん演じる白いパンツの父親が怖い。
そりゃあ街中で白パンツの父親が全力で走ってきたら怖いでしょう。
本当のフラッシュバックがどうなのかは分かりませんが、様々なトラウマがそうさせるんでしょうね。
電車内でのフラッシュバックでレオがiPodで沖縄音楽をモニカに聴かせると父親も踊り出すのには笑いました。
でも、何故レオはiPodに沖縄音楽を入れてたんだろう?とちょっと疑問。
気絶した大伴を看病と言うか見守る酔っ払った看護師のみゆきも良い感じ。
これだけのリリーフですが、なんか好きですw
でも、この作品の肝でMVPはなんと言ってもベッキーさん演じるジュリでしょう。
もう、ぶちギレ具合が素敵♪ なかなかな不死身っぷりが最高。危機回避能力メチャ高め。喧嘩も強いのがたまらん。バールがまた似合うなぁw
バラエティーのイメージが強くて、明るいイメージがありますが、こんなぶちギレた役が出来るとはビックリ。
いろんな事を経験されて一皮も二皮も剥けた感じでしょうかw でも、これを機会に映画の方に軸を置かれて欲しいなぁ。
大伴と加瀬のコント的なついてなさ加減のがこの作品の硬軟の軟で、ジュリのぶちギレ具合が硬。
そして、レオとモニカがタイトルを表す初々しさ。
…まぁモニカは売春をさせられて、クスリに漬かってる時点であんまり初々しくはないんですがw
それでもよくまとまってると思います。
伏線も上手く回収していて、話を余計に膨らませ過ぎないのも良い。
ラストの屋上駐車場からの車のダイブで使用されたアニメ演出はもろ「キルビル」を思い出しましたが、嫌いではない。ただ、レオが車のダイブをする際の頭からアドレナリン全開のアニメ描写はやり過ぎかなとw 「麻雀放浪記2020」のポスターを思い出しました。
あと、個人的にはボクシングの撮影現場はこだわって、聖地「後楽園ホール」で撮影して欲しかったかな。撮影の現場になったのは多分「新宿FACE」かと思いますが、新宿FACEはボクシングのイメージが薄いので、レオが孤高の天才ボクサーとしてのイメージが薄くなって、インディー系のボクサーに感じてしまうんですよね。
予算の関係で後楽園ホールは難しいかと思いますが、ちょっとこだわってしまいましたw
いろんな作品のテイストが盛り込まれていて、ベースは80年代風のハードバイオレンス。そこに三池崇史監督の様々な遊び心が盛り込まれていて、役者が楽しんでいる感じ。
よく練られていて、楽しめる要素が沢山。細かい台詞回しも楽しい。
昨今の邦画では少ない過激描写も良い。エンターテイメントでブッ飛んでいる。
ラストの権藤が運転し、後ろから大量のパトカーが群れをなして、追いかける朝焼けを見ると“大都会か?”とツッコんでしまうw
要するに、30代以上なら楽しめる要素が満載♪
久々に三池崇史監督の本領発揮と遊び心を楽しめました。
初恋らしさは薄いですがw、個人的にもかなりツボでハマる作品です。
かなりお薦めです♪
bmbqwqさん
コメントありがとうございます。
新宿FACEでしたね~♪
新宿FACEは使い勝手が良いのか、いろんなイベントや撮影でも使われているみたいですね。
小西桜子さん、聖子ちゃんカット似合いそうですね~♪
可愛い感じの方で、劇場で流れる「新所沢レッツシネパーク」のCMにも出られてました♪
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
talismanさん
コメントありがとうございます。
全国でもリングが設置もしくは常備している会場は都内の新宿FACEと新木場1stRINGしか無いと思いますし、リングって別途で借りるとめちゃくちゃ高いんですよねw
後楽園ホールは満員でキャパが1,500人なのでエキストラの料金だけでもかなり掛かりそうですw
以上マニアックな考察でしたw
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
マツマルさん、
確かに広さとか客席の奥行きで、数回しか行ってませんが、後楽園ホールにはない侘しさを感じました。他にもリングあるんですね!ありがとうございます😊
talismanさん
コメントありがとうございます。
はい、見た限りではそんなに広くなかったのと、壁が黒で全体的に暗かった事。
キャパで考えたら、後楽園ホールでは無いので、最初は新木場1stRINGかとも思いましたが、リングが常時設置されている事や新宿が舞台と考えると新宿FACEかと思われます。
以上、マニアックな考察でしたw
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
地蔵菩薩さん
コメントありがとうございます。
また、お褒め頂きまして光栄です。
山中アラタさんはいろんな作品に出られてますが、今作でもなかなかな怪演ぶりで目立ってましたw
ちょっと癖になる作品ですよね♪
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
マツマルさん🙇「映画秘宝」なみの読んで痛快なレビューありがとうございます🙏
鑑賞後、あの白ブリーフ誰かわからなかったのが、本レビューで山中アラタさんってわかりました。ありがとうございました🙇