隣の影のレビュー・感想・評価
全25件中、21~25件目を表示
人のもつ性質が、最悪の状態に至るパターン
人間の持つ
三毒=貪欲、怒り、妄想。
とは、よく言ったものです。
この作品では、ほとんど三毒が
フルに絡み合い、
みな、不幸になる。
登場人物は限られています。
しかし、このシンプルな状況で
ここまで状況は悪化しうる。
人の心も、道具も、使い方次第。
これを反面教師に、笑
豊かな人間関係を築いて、
良き人生をおくりたいものですね。
壊れた心が最悪の事態を招く悲劇の傑作
初のアイスランド映画。最後まで観るか迷ったが、これは何というクオリティー。観始めてすぐ秀逸な映像と音使いに襟を正した。
隣人トラブルを描いたブラックコメディかと思いきや、重い悲劇があった。甘さなど微塵もない。
とにかく母親が怖かった。「長男の失踪」に対する罪の意識から疑心暗鬼になったのか、悪いことがあるとすべて隣人のせいにする。可愛がっていた「猫の失踪」により、夫や次男を巻き込み暴走した。
こんなに集中して観れたのは久しぶり。壊れてしまった人間の狂気を緊張して観続けた。そして最悪の事態と言っていいラスト。
まったく救いのない悲劇の傑作だ。
猫がいないのよ。
事件は、集合住宅という小さなコミュニティで起きた。駆り立てるような効果音がなくても、美しい旋律でさえも不穏な空気を醸す効果は抜群だ。影は、木陰のことだけでなく、長男の自殺や夫婦の不和や不妊治療などのストレスからくる心理的な影。落ち着こうとする理性は誰もが持ち合わせている。他人にはささいな問題が、当人にとっては我慢できない問題であることの不条理。例えば、庭の木が諍いの発端となった両家の家の立地が、左右逆だったら、この騒動は起きなかっただろう。
これは身近な話だが。
ある中学生が生活指導の一環で髪形を注意された。注意した先生の髪形ソフトモヒカンで、あれも校則で違反だと憤慨する中学生。それを聞いた父親は「説得力ないよな」と同調し、母親は「いいじゃない、先生は大人なんだから」と反論していた。家族でさえこの意見の相違。他人である隣人であれば、意見が異なるのは当然なのだ。まずそこから納得しておかなければ衝突は避けられないだろうなあ。
結局、そこまでいくか??の展開に発展し、一番最後のショットでスクリーンに映し出されたものを見せられた時、背筋がぞっとした。
スッキリしない
実生活でもありそうなご近所トラブルの映画だなあと思って見てはいたんだけど、たぶん一番のかなめは、大きい木がある家の長男の失踪(自殺?)なんだと思う。
それがあったから母親もちょっとおかしくなっちゃったんだろうし。でもその失踪の原因が最後まで提示されない。
母親が関係してるのかな?とも思うけど。
あと、最後の方に怒濤の展開が待っているけど、ちょっとやりすぎ感が。
既に民事じゃありません
若い家族は自業自得なところがあるバカな旦那とヒステリックな嫁のトラブルで、音のせいというよりも…。
隣人トラブルの話はどこかで観たことのあるコントの様な展開。
一応二つの話に絡みはあって、結構シリアスに見せているけど、ところどころでニヤリとさせられる。
中盤辺りで最後はこれだろ!?とベタなネタが頭を過ぎり、正にその通りの「ですよね~w」で締めてくれる親切さ。
面白かったけど、まあこんなものじゃないですか。
全25件中、21~25件目を表示