劇場公開日 2019年10月25日

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「【クローン人間というありきたりなテーマをアン・リー監督の手腕がリアリティ感と怖さを感じる作品に仕上げている】」ジェミニマン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【クローン人間というありきたりなテーマをアン・リー監督の手腕がリアリティ感と怖さを感じる作品に仕上げている】

2019年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 アン・リー監督の近作と言えば、「ライフ・オブ・パイ」。
アカデミー視覚効果賞を含めて4部門で受賞したのは記憶に新しい。
特に印象的だったのは、最新デジタル技術を駆使した、パイと同じ船に乗るベンガルドラ”リチャード・パーカー”の姿や漂流する彼らの上を飛び越えるトビウオの群や巨大鯨の飛翔する姿、海面下で光るクラゲの群であった。

 今作では、その技術は自然界でなく、クローン人間を含めて臨場感溢れる、様々なアクションシーンで効果を上げている。

 更に言えば、クローン人間も主人公を単に複製したモノではなく、主人公を30歳程若くした姿で登場する。
 そして後半、更に一捻り加えられた人物が登場する所で、現代科学が今後悪い方向に向かってしまった場合の怖さすら感じさせられる。

 物語の面白さはある程度予想通りであるし、そこに物足りなさを感じるかもしれないが、総合的に観れば様々な事も考えされられる良質なエンターテインメント作品である。

NOBU