「触れる、感じる、そして共振すること」見えない目撃者 h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
触れる、感じる、そして共振すること
いかに日々の私たちが視覚からの情報に依存しているか。視覚情報に依存するあまり、鈍くなる視覚以外からの認知能力。
主人公のなつめは交通事故で実弟と自らの視覚を失い絶望の底に引きずり込まれていたが、犯罪との偶然の出会いが元警察官の矜持を再び呼び起こすことになっていく。
目が見えないなかで鋭くなる感覚のシンクロが彼女の感覚のなかで「視覚化」されていく。
「絶対に、取り戻す」のメッセージは、拉致された少女の命とともに、なつめ自身のプライドと使命。
吉岡里帆の鬼気迫る演技が作品全体の大きな核になっている。
サスペンス作品としても一級の作品。
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