「中国発おバカSF大作!(←ほめ言葉)」流転の地球 よんしんさんの映画レビュー(感想・評価)
中国発おバカSF大作!(←ほめ言葉)
中国発のおバカSF大作です。
VFXはハリウッド委託でなく、中国のMOREVFXというところが制作したそうです。
映像としては、本物と見分けがつかないようなリアル路線ではなく、パシフィックリムのようなビジュアル重視のCGで、ゲームの映像のようでかっこいいです。
ビジュアルデザイン、メカデザイン共にとにかくかっこいいです。
この映像が中国謹製ということに驚きました。
中国映画なんて数本しか見たことありませんが、はずれの少ないネトフリ映画なので、全くつまらないことはないだろうと思って見始めました。
ところが中盤までは、映像の良さとは裏腹に、ストーリー展開がどうも前世紀のSFライクでつまらなく、イライラしてきます。
ストーリー上の目的を明確に提示してくれるので、今何をしているのか?がはっきりわかるのですが、逆に主人公の中二病さが目立って観ているこちらが萎えてしまいます。
あと、変なところでコメディ要素を入れて来たり、死ぬ人がひとり語りのメッセージを語ったりするのは中国映画のお約束なんでしょうか?
面白くない…、眠い…、もうやめたい…、でも最後どうなるかは知りたい…、という葛藤を乗り越えて物語の一つの山場を終えたあたりから、それまでの怒涛のトンデモ展開に慣れてきたこちらの、おそらく観る者誰もが考え付く一番のトンデモ展開にストーリーが向かっていきます。
あ、この映画これを本気でやるんだ!?と吹っ切れたあたりから面白く?なっていきます。
まあ、ほぼ思った通りの展開を全力でやってくれるので、興奮とかの面白さでなく、どこまで本気でこのおバカ具合を見せてくれるかニヤニヤしながら観るという面白さです。
そうなると突然のコメディ要素やひとり語り要素までこの映画のお約束として逆に面白く見えてくるから不思議です。
そして最後のナレーションで、それなりにちゃんとSF考証されていたんだなと知ります。(あのナレーション、最初に持ってきたらよかったのに…。)
これは、マジメに最新の科学的考証をしたといいながら実はトンデモおバカSFだった「インターステラー」とは逆パターンですねぇw
日本人としては、ここまでの映像の大作を中国が作ったことに嫉妬のような気持ちもなくはありません。
日本最高?のVFX集団の○組さんじゃ、このレベルの映像作るのにもう少しかかりそうだな~、というのが本音です。
と、さすがネトフリ映画、がんばって最後まで観てよかったな~と思える良作でした。