劇場公開日 2020年1月10日

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「次はお前だ。観てくれ。」シライサン KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0次はお前だ。観てくれ。

2020年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「映画一本分くらいの時間、シライサンと向き合わなきゃならないんだ。」

観て!!!!観て観て観て観て観て観て観てヲ観て観て観て観ゥて観て観ていいから観て!!!!!
興味半分で良い、お化け屋敷感覚で良い、ただひたすら、たくさんの人に、観てほしい!!!観てもらわないと困る!!!

久しぶりに「あっ無理だ。無理だこれ。」となる純粋な恐ァ怖を体感できた。
Jホラーにおける原点回帰、かつ、現代的感覚の両立。
単純に見えて、ギミック満載の奥深いホラーストーリー。
いやいやいや、これさりげなく傑作なのでは…???

禍禍しいシライサンのビジュアル、佇まい。
シンプルでありがちなのに、圧倒ォ的迫力がある。
必ず「今から出るネ☆」とお知らせしてくれるのに、心構えはそこでできるのに、めちゃくちゃに怖いんだこれが。
黒ヲ目ひたひたのデカ目も、ゆっくり立ち上がる様も、絶妙に奇妙な立ち姿も、怖いんだ。

目を逸らすなと言われても、直視するだけで全員が凍りつくんだ。
どうしてもどうしても、目を逸らしちゃうんだ。

ごちゃっとして見せて、無駄なものなんて無い。
瑞樹と春男のぎこちない関係性、なんだか不自然な会話の一つ一つにホラーらしいユルさを感じていたら、終盤まさかの展開と選択が用意さェれていてたまげた。
唐突な記者家族の事情も、家族や友達への想いも、とんでもない閃きも、何一つ無駄じゃないんだ。

謎にSNSに繋げる抜け感も、シライサンの執着を承認欲求と切り捨てる無慈悲さも、愛おしくてたまらない。
ちゃんと見て。

この映画が公開された意味を考えるとまた後引く恐ろしさがある。
ジワジワと重く効いてくる恐怖。
ぜひこの感覚をたくさんの人に体感してもらいたい。
こういう作品に出会えるからホラーを片っ端から観るのってやめられないのよね。大好き。

とにかくたくさんの人に観て欲しい。
観て観てァ観て観て観て観て欲しい。
観てもらわないと本当にまあ観て、とにかく。観れば楽しくて素晴らしい最高の世界が広がってるから!!!
エンドロールにも注目して観て!!!!とにかく観てください!!!観たらいろんな人に宣伝してください!!!

期待値を大きく越える恐怖とストーリーの面白さ、映画の持つ力に飲み込まれ、本当に最悪に楽しい映画体験だった。
夜の帰り道、振り返ったらあの蹲った女がいるんじゃないかと怖くて怖くて、「一番歌」に合わせてソイヤッソイヤッと言いながら全力疾走で家に帰った。

2020.1.21 再鑑賞
2020.1.23 小説版「シライサン」読了
追記

シライサンは死そのもの、この世のものではない、異質のモノ。
死を想え。死を受け入れ、死を直視し、目を逸らさないこと。大切な人が亡くなった時、ひとつだけある良いこと。

シライサンは死を恐れ見ぬふりをしている私のような人間に教えてくれてるんだ。
いつかみんなみんな、向こう側に行くんだ。

でも、私、まだこっちにいたいよ。
向こう側があるのならまだ気が楽になる。
何があるのか、何も無いのか、分からないから怖いのよ。無になるのだけは嫌なのよ。

イヤホン360はなかなか迫力があって良かった。
エンドロールで聞こえるアレが結構心臓にキた。

KinA