「若い四人がしっかりと主役」思い、思われ、ふり、ふられ やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
若い四人がしっかりと主役
四人それぞれがしっかりと主役、とても魅力的なんです。
なので、誰が誰を好きになっても納得できる状態。
ドキドキハラハラしながら恋の成り行きを鑑賞していました。
結果、私は一番良いと思う形に収まってくれました。
何故良いと思ったのか。
それは、この形の方がそれぞれがより成長出来たと思えるから。
まずは、由奈。この映画で一番分かり易く成長を見せました。
引っ込み思案な由奈が理央を好きになった事で、思いを言葉に出来る子になった。
山本家へ乗り込み朱里への思いの丈ををぶつける由奈の姿、感動させられちゃいました。
対する理央の方は、由奈から周りの人の気持ちを考える事を学びます。
この二人の場合は、お互いの良い所を吸収し成長する事が出来ましたね。
さて、朱里と和臣の方はどうでしょう。
周りの為に自分を押し殺し居場所を確保してきた、似た境遇の二人。
二人はそれぞれ自分を少し変える事で、新たな一歩を踏み出せました。
さて、人は自分を変えようとする場合に、変わる前の自分を否定しがちじゃないですか。
ただ、そういった場合でも変わる前の自分の苦しみまで、否定しなくてもいいと思うんですよ。
だってその苦しみは、頑張っていた自分の副産物だと思うから。
朱里と和臣の場合、相手のここの部分をしっかり理解できると思うんですね。
だからこそ、踏み出せた一歩の大きな意味も理解し合えるじゃないかと。
この二人、相手を自分の鏡として成長出来る様な気がするんです。
こうやって考えていくと、収まるべき所にちゃんと収まったと思えませんか?
この作品、素敵な青春恋愛映画だと思います。
欲を言えば、和臣が屋上で撮った朱里の写真が、見たこと無いくらいに美しい浜辺さんだったら最高だったかな。