「【”皆が幸せになる方法があればいい・・” 大切な人を想い、家族のバランスを保とうと無理に自分の素直な気持ちを封印して生きる、心優しき若者達の切なくも美しい恋と成長物語。】」思い、思われ、ふり、ふられ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”皆が幸せになる方法があればいい・・” 大切な人を想い、家族のバランスを保とうと無理に自分の素直な気持ちを封印して生きる、心優しき若者達の切なくも美しい恋と成長物語。】
■今作の魅力
1.登場人物のキャラが明確で、演じられた若手俳優さんたちの姿の魅力な事。
取り分け、浜辺美波さんの、満面の笑顔から、一転して”目をスッと細めて”真顔になる数々のシーンの微妙な表情の変化(怒り、哀しみ・・)には凄みさえ感じた。
「センセイ君主」のコミカルな演技や、「君の膵臓をたべたい」の演技も印象的だが、今作も凄かった・・。
2.彼らの心の呟きをモノローグで流す手法。映像では笑顔でも、モノローグでは、真逆の思いが語られる・・。効果的であったと思う。
■印象的なシーン
1.理央(北村匠海)が、朱里(浜辺美波)に恋しながら、まさかの親同士の再婚で、自らの恋心を抑える数々のシーン。そして、朱里も理央を想いながら、気づかないふりをして無理に明るく振舞う姿。
だが、理央は想いを抑えられずに朱里の親友、由奈(福本莉子)の必死の告白を優しく断り、雨の降る中、朱里に口づけをするシーン。
ー近年の邦画の中でも、あの雨中のシーンは忘れ難い程に、美しいと思う。-
そして、そのシーンを”ある人”は見ていた・・。
2.理央と朱里の親(戸田菜穂)が再婚をレストランで告げるシーン。ニコニコ笑って、朱里は理央を迎えるが、机の上には割れたスマートフォンが置かれている・・。
ーこのシーンの前の、理央と朱里のそれぞれの行動が、実に切ない。
特に朱里が取った”みんなが幸せになる方法”には・・。-
3.和臣(赤楚衛二)が朱里への想いを”あるシーンを目撃したために”必死にこらえ、夏祭りでの朱里からの告白を断るシーン。
ー和臣君、良い男だなあ・・。親友、理央の事を考えての行動だろうが、中々出来る事ではない。それまでは、全力で朱里の事を想っていたものなあ。熱中症にかかった彼女を人目も憚らず、お姫様抱っこで医務室に運び、飲料を刺し出すシーン・・。(理央も飲料を持って廊下に佇んでいるし・・。君たち、どれだけ良いやつなのだ!。)
だからこそ、あの夏祭りのシーンが染みるのである。ー
4.朱里が、和臣から“振られた”際の、少し俯いてからの笑顔。
そして、学園祭に来た元カレから言われたキツイ一言。”お前って、一番大切な時を過ぎてから・・。自分が傷つかないようにしている空っぽな、人間なんだよ・・。”
呆然とした表情で座る朱里の姿。
5.由奈が”教科書を届けに来ました・・”と言いながら、部屋に籠る朱里を前を向き、大きな声で励ますシーン。”今度は私が朱里の安全基地だよ・・”
-それまで、内気で俯きがちだった由奈の姿が眩しいし、部屋の中で涙を流しながらその声を聴いた、朱里から由奈へのラインのシンプルな言葉も良い。-
6.朱里が、吹っ切れたように和臣への想いを前面に出していく数々のシーン。そして、和臣も朱里への想いを正直に口にするシーン。そして、父親に初めて勇気を出して、自分の夢を語る・・。
ー学園祭で和臣がニコニコ笑う朱里の写真を撮るシーンや、理央と由奈の写真も良い。-
<4人の高校生が、周囲との調和を大切にする優しさを持つが故に、お互いに擦れ違い、傷付き合いながらも、自分の気持ちを正直にそして素直に口に出す事の尊さを学び、夫々の想いを叶え、堂々と自分の夢を口にすることが出来るまでに成長していく姿を描き出した作品。
浜辺美波さんの女優としての凄さを再認識した作品でもある。>
■蛇足1
・子供を持つ者として、今まできちんと子供たちと向かい合って来た積りだが、果たして子供たちはどう思っていたのだろうかと、自己の子育てを顧みてしまった作品。
けれど、私は無断で、映画のDVDを捨てたりはしないぞ!
特に、「アバウト・タイム」や「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を捨てるとは・・。許しがたき所業である。
まさか「ボーン・アイデンティティ」のポスターまで捨てたのか?一切出てこない和臣の父。
■蛇足2
・とても見たかった作品だったのであるが、自意識過剰なため、女子高生に囲まれるのはなあ・・。と思い、そろそろ良いだろう・・とレイトショーにて鑑賞。・・だが、甘かった。多くのお若き&妙齢の方々のど真ん中で鑑賞・・。
けれども、鑑賞後、”素晴らしき作品の鑑賞に年齢、性別は関係なし!” と勝手に結論を出し、大満足で劇場を後にした。
NOBUさん、コメントへの返信を頂いていた事に今朝気付きました 💦 すみません。。
「抜かれるなら度肝がいいよね! by トニー」というお洒落なフレーズ、色々と知識不足なので知りませんでした ☺️
更にコミックを、ほぼ読んだ事がないという私です。。(小学生の頃、読んだ事が有る、程度の珍しい人種です。。)
ジブリ作品、Disney、新海誠さんの作品は人並み程度には観ていますが (^^)
コメントへの返信の返信有難うごさいます。浜辺美波さん、華奢な若いお嬢さんですが、肝が座っていて、これからのご活躍が楽しみな女優さんですよね。
10代の子達の初々しさは、可愛らしくていい 🌱 ですよね。
NOBUさん、おはようごさいます。
「不快」オーラではなく、「初々しい 🌱 」或いは「乙女 👧🏻 」オーラです ☺️
オーラ✨、好感度高い意味合いだと思っていました。
NOBUさんへ。
「ボーン・・」のポスターも多分捨てられてた思います。たしか本棚の横にあったような記憶が・・・定かではありません。
それにしてもDVD全部捨てる親・・・実は高校時代の友人がレコードを全部割って捨てられたと言ってたし、このくらいのことをする親はいると思います。
この作品を若者だけのものにしておくのはもったいないです。親の立場として、大人の目線でも、高校生の家族思いの決断はすごいと感じました。