「由奈って良い子だなぁ〜」思い、思われ、ふり、ふられ 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
由奈って良い子だなぁ〜
好きだけど言えない。
すぐそばにいるのに。
一言「好き」というだけなのに。
「言葉にしちゃったら終わりなの」
咲坂伊緒さんの青春三部作である同名漫画が原作。
同じマンションに暮らす朱里、理央、由奈、和臣の4人の青春群像劇。
予告では恋愛メインに描かれていたけれど、高校生の悩み、将来への不安、親に振り回される様子や、夢と現実のギャップ。
最後はハッピーエンドでしたが、一筋縄ではいかない青春が描かれていてとても良かったです。
三木監督の撮る青春はリアルで本当に美しい。
全体的に雨が印象的で、音楽も雨が降っているような感じ、水の透明度も美しい。
理央が朱里にキスをするシーンでの、傘に当たる雨音で声が遮られるというのが良かったです。
内容もやることなすことベタだけど、しっかりと登場人物たちの気持ちが伝わってきました。
男でもキュンキュンできました。
原作読んだことないのでわかりませんが、キャスティングバッチリです。
中でも、福本莉子、赤楚衛ニが素晴らしい。
普通に浜辺美波と北村匠海がメインのように感じますが、この話は福本莉子の福本莉子による福本莉子のための映画。
水のように透明で純粋でこんなに可愛いのに、陰キャも陽キャも似合います。
声も可愛らしくて素敵でした。
映像研等々、ますます活躍が期待できる女優さんです。
もう大物俳優の貫禄さえ感じるキミスイペアにイケメンだけど全く違和感ない赤楚さん、母親役の戸田菜穂さんや、超脇役にも関わらず強い存在感があった野間口徹さんももちろん良かった。
全国ランキングは7位、僕が見た上映会も自分含めて3組のみでそのうち1組カップルは間違えて入ったらしい。
もっと観に行って欲しい。
女子高生がキュンキュンできるだけの映画ではない。
今年は青春映画が豊作です。
おじさんもおばさんも密かに気になっているそこの男子たちも、もっと青春映画を観るのだ!
主題歌「115万キロのフィルム」は何度も聴いたことのある曲だったので、いつもほどの感動は無かったけれど、しっかり物語に合っていた。
今のところ劇場髭男コンプリート。
どこまで行けるかな?
あとちょっとのところですれ違い、結ばれた時の湧き上がる感動は表しようがない。
これぞ令和のむずキュン。
少女マンガらしい展開も多いけど、どんな人でも共感できるところが必ずあると思います。