ブリット=マリーの幸せなひとりだちのレビュー・感想・評価
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「幸せなひとりぼっち」の女性版、もしくは「輝ける人生」のスウェーデン版
同じスウェーデン映画の「幸せなひとりぼっち」に寄せた邦題だが、それもそのはず、2作とも同国の作家フレドリック・バックマンの小説が原作。非社交的なシニアが意図せず若い世代と関わるようになり、自らの生き方や幸せに改めて向き合う大筋も共通する。
他にも似た映画が、と思い出したのが英国発の「輝ける人生」。これも長年連れ添った夫の浮気を契機に高齢主婦が家を出て、人生をリスタートさせる話だった。ただしあちらはシニア同士の関係がメインだったが、本作はサッカー少年少女の指導や地元住民らとの関わりがある分、より多様な心の交流がある。
夫が妻を家政婦のように扱い、夫婦間にまともな会話すらない序盤の描写は、日本では昔ながらの残念な光景だが、ジェンダー意識も幸福度も高そうな北欧から出てきたのは意外。この手の映画が増えたのは、高齢化が進みシニアの自立が世界共通の課題になりつつあることの表れかもしれない。
あまりにご都合主義だが…
視点を変えたがんばれベアーズ?
重曹
ツボった!
いつもの「一言」に変えて、今日この映画関係者にお詫びします。
邦題を「幸せなひとりぼっち」と、勝手に思い込んでました。違う!。
マリーは、ひとりぼっちじゃなかった。
ツボったのは。マリーと自分にちょっと重なるところがあり。
「専業主婦」「何事も“ルーティーン“主義」「TODOリストを作る」「旅行はストレス」。
内向的って感じでしょうか。
夫の愛人発覚で家を出、ありついた仕事が「期限付きの、サッカーコーチ」。
弱小サッカーチームに、女子がいて。
「私の存在を示したいの、勝ち負けじゃなく」。
このサッカー女子も、マリーも、私も。
「自分の存在を証明する」=私は私って、しっかり認めてほしい。
ここがツボりましたねえ。
ありがとうと言って欲しくて、家事をやっているわけじゃないのよね。
大きな感動があるわけではなく、ちょっと淡々とはしているけど。
100分ほどのさっくりとした作品。
旧作レンタルぐらいでいいので、同世代女子。見てみて!。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「いつだって、新しい一歩は踏み出せる」
存在価値そして存在意義
イケイケ!
あなたみたいな子どもがいればねぇ・・・
夫が大のサッカー好きだというだけで少年サッカーのコーチまで引き受けてしまったブリット=マリー。専業主婦歴40年で人との交流もあまりない彼女。田舎町特有の人懐っこさと、人生の再出発を決意したため、サッカーの勉強を始めることに・・・
彼女の姉が交通事故で亡くなったこともずっと影響を与えていたのだろう。姉と一緒にパリで住もうと約束していたのに、結局旅行なんて一度もしていない。掃除・洗濯が得意技なだけに、そこから徐々に子どもたちや町の人と交流を深めていく過程が面白い。
ヴェガや兄のサミ、そしてピザ屋兼何でも屋のおっさん、そして警官スヴェン。みんないい人たちばかりで、特に元コーチの目の悪いバンクが心を開いていくのも爽やかな感動を与えてくれます。案外やっていけるじゃん?
人生の再スタートは還暦過ぎても大丈夫。観客も高齢の女性ばかりだったけど、すごく静かでお行儀がいい。みんな没入しちゃったのかもしれません。今からでも間に合いますよ~♪てな感じで。
なかなか面白かった
これまでではなく、これからの生き方
私事ですが。
朝目覚めた瞬間、今夜の夕食の献立
何にしよう…から始まる毎日。
勉強道具は忘れても、部活のカバンと
お弁当は決して忘れない、スポーツバカ笑
息子達と過ごした嵐の様な日々。
そんな子供達も何とか無事社会へ
飛び立ち、今の自分の立ち位置と
マリーさんと何となく重なる様で
楽しみにして観に行きました。
マリーさんが旦那さんに、作った食事を
美味しいなら美味しいと言ってという
シーンやラスト、脱いだ靴下をカゴに
入れてほしかっと話す所など、些細な事かも
しれないけれど、大切な事で。
そうそう!と心の中で共感の叫びをあげていました。
姉が死んで、その後マリーさんが
どれほど苦しんで、なぜ今のマリーに
なったかという、個人の思いは
きっと1番身近な夫も、誰も知る由もなく。
子供から見たらお母さん、
主人から見たら妻、姑さんから見たら嫁…
その前に1人の人間だし、女性なんだと
ふつふつとした思いを抱えていた頃の
自分とも重なってしまいました。
マリーさんの様にうまくはいかないかも
しれないけれど、これから第二の人生は
自分の思いを大切に過ごしてもバチは
あたらないかなと勇気をもらえました。
やらずの後悔より、やってしまった後悔の方が
楽しい人生かなと。
自分もハッピーだと周りも自然にハッピーに
なる。それは決して身勝手わがままに
というわけではなく、おかげさまでという
感謝の気持ちを忘れずに、自分を大切に、
そして楽しみながら歩んで行きたいと
思わせてくれた作品でした。
ラストシーン、パリでの
清々しい表情のマリーさん。素敵でした👏
63歳、人生の証明
40年間、働く夫を支え続けてきた専業主婦のマリーが、夫の浮気が原因で出ていくことに…。
63歳、これと言った職歴なしのマリーがありつけたのは、閉鎖寸前のユースセンター。
そこの子供たちのサッカーチームのコーチを受け持つという無茶な展開に。
当然サッカーのできないマリーは子供たちになめられっぱなし。
しかし、生活面では持ち前の家事能力で子供たちをしっかり指導しようとするマリー。
そしてサッカーも健気に勉強。
厳しい環境ながら、優しい周りの人達にも助けられ、弱小チームの子供たちは大会出場を目指し、マリーは自分の夢をまた思い出し…。
コメディ色の強い作品なのかと勝手にイメージして行ったら、完全にハートフルドラマ。
40年間も繰り返した生活との決別。「これで良い」と言っていながら、やはり思うところがあったんでしょうね。
いきなり子供たちをまとめなきゃならないなんて凄い大変な話だし、それと向き合おうとする姿や、濃くて良キャラの周りの人達の優しさにほっこりした作品だった。
ちょっと起承転結のバランスが良くない(!?)という感じもありつつも、マリー自身や詩人警官、生意気ながらも熱い気持ちを持つ子供リーダーの口から出るセリフの数々…。
実は名言の宝庫な作品だった。
そして、関係ないけど子供たちのサッカーの試合のシーンを観て思い出したこと。
かなり昔の話だけど、巨人対ヤクルト戦で、9‐0で巨人がリードしていたのに、最終的に9‐10で逆転負け、という試合があったような…
試合は最後まで諦めてはいけませんね!
いろいろな経験で成り立つ大人
軽い気持ちで観るといいです
きちんと家事をこなしてきた妻が、夫の不倫を知って家出して、片田舎のユースクラブ(学童保育みたいなものかな)の管理人に就職し、やったこともないのに、少年たちのサッカーコーチになるという話。
本作のよい点は、イヤミがないこと。ほんとに素直に観られる。ただ、肝心な部分はけっこうあっさりしていて、「あ、その程度で、課題は一件落着しちゃうのね」というご都合主義的な部分も見受けられる。それでも、スポーツ映画好きの自分には、「最後に試合があればオッケー」なのだ。さらに観終わった感じがよいのは、子供たちがとにかく素直だから、というのもあるかな。(比較するモノじゃないけど、同じ仏映画の「レ・ミゼラブル(2020)」の子供たちとは大違いだ。(笑))
オープニングからの「きちんと家事をこなしている妻」の描写が、テキパキと、テキパキしすぎてカクカクした感じに描けていて、導入がうまいなあという感じ。
この「きちんと家事をこなす」の背景は、10歳の時に事故で姉が亡くなり、すっかりふさぎ込んでしまった母に、自分の存在をなんとか見つけてもらおうと、一所懸命に家事をしてきたこと。この「ねえ、気付いてよ、お母さん」という思いが、ユースクラブの少年たちの「私たちは、ずっと1点もとれていない。でも私たちにはサッカーしかない。1点とって、私たちがサッカーをしていることを証明したいんだ」という思いと、徐々にいつのまにかシンクロしていく。その流れが心地よい。
軽い気持ちで観るのがよい、小品だと思います。
おまけ:家事に、重曹は万能ってことを覚えとこっと。
彼女の人生はまだこれから
まあ結末は見えていたけど、それでもおばさんの自立を見たかった。
夫の浮気、マイペースで自分の城を築き上げた専業主婦、子供時代のトラウマ、そして新しい環境での自立の試み。
結果は予想通りだったが、やっぱり女の自立と夫が捨てられるところを見てみたかった。
新しい環境はいい人ばかり。でもそれは主人公が貧しい地域にも移民の子供たちにも偏見なく頑張ったから。回りが良くしてくれて、暖かい人関係が広がり、彼女も表情豊かになって新たな一歩を踏み出せてよかった。
夫が迎えに来て「君がいなければ家の中がめちゃくちゃだ」としか言わないところが、やっぱり家政婦でしかなかった男の身勝手さを表していた。
でも夫の浮気に気付いていながら何も言わなかった主人公もな~。過去のトラウマで夢を持たないようになり、現実から目を背け続けたのはわかるけど。
まあ、ありていのあるあるドラマだったけど、楽しめた。
子供たちのサッカーチームも1点入れて大喜びするところがほほえましかった。
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