ブリット=マリーの幸せなひとりだちのレビュー・感想・評価
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「幸せなひとりぼっち」の女性版、もしくは「輝ける人生」のスウェーデン版
同じスウェーデン映画の「幸せなひとりぼっち」に寄せた邦題だが、それもそのはず、2作とも同国の作家フレドリック・バックマンの小説が原作。非社交的なシニアが意図せず若い世代と関わるようになり、自らの生き方や幸せに改めて向き合う大筋も共通する。
他にも似た映画が、と思い出したのが英国発の「輝ける人生」。これも長年連れ添った夫の浮気を契機に高齢主婦が家を出て、人生をリスタートさせる話だった。ただしあちらはシニア同士の関係がメインだったが、本作はサッカー少年少女の指導や地元住民らとの関わりがある分、より多様な心の交流がある。
夫が妻を家政婦のように扱い、夫婦間にまともな会話すらない序盤の描写は、日本では昔ながらの残念な光景だが、ジェンダー意識も幸福度も高そうな北欧から出てきたのは意外。この手の映画が増えたのは、高齢化が進みシニアの自立が世界共通の課題になりつつあることの表れかもしれない。
イケイケ!
未来は現代以上にテクノロジーが発達するので、ずっと同じ人といるとか同じ地域に住むとかなくなると思いますね。家族も専業主婦も無くなる社会が来るのではないかと。
ブリット=マリーだって、家族も専業主婦も辞めてやっと生き生きしてきましたし、友人や知人の輪が広がると同時に世界が広がりました。もはや結婚制度は足枷しかないのかも。
ここ数年、本作の様な高齢女性の生き直し的な作品がとても多く公開されてきているので、結婚制度=幸せみたいな社会の意識が急速に変化してきているのだと思います。
面白かったです。
何となく鑑賞しましたが結構面白かったです。
忍耐と思い切りは必要だなと思いました。
あなたみたいな子どもがいればねぇ・・・
夫が大のサッカー好きだというだけで少年サッカーのコーチまで引き受けてしまったブリット=マリー。専業主婦歴40年で人との交流もあまりない彼女。田舎町特有の人懐っこさと、人生の再出発を決意したため、サッカーの勉強を始めることに・・・
彼女の姉が交通事故で亡くなったこともずっと影響を与えていたのだろう。姉と一緒にパリで住もうと約束していたのに、結局旅行なんて一度もしていない。掃除・洗濯が得意技なだけに、そこから徐々に子どもたちや町の人と交流を深めていく過程が面白い。
ヴェガや兄のサミ、そしてピザ屋兼何でも屋のおっさん、そして警官スヴェン。みんないい人たちばかりで、特に元コーチの目の悪いバンクが心を開いていくのも爽やかな感動を与えてくれます。案外やっていけるじゃん?
人生の再スタートは還暦過ぎても大丈夫。観客も高齢の女性ばかりだったけど、すごく静かでお行儀がいい。みんな没入しちゃったのかもしれません。今からでも間に合いますよ~♪てな感じで。
なかなか面白かった
旦那の浮気に腹を立てた奥様のお話。
こういう人が社会に出ることは、ずーっと一人で生きてきた女性が生きていくより、多分、大変よね。社会に出たことないから、非常識なこともやってたし。サッカー経験ないのに、コーチを引き受けるって、子供たちにも迷惑な話。
でも、憎めないというか、一生懸命な姿は、悪くなかったかな。盲目の監督の娘も協力してくれて、警官に好意を持たれ、旦那は反省して…。ちょいちょい笑わせてくれたし、なかなか、ほのぼのしてました。
一応、ハッピーエンドですが、個人的には、しっくり来ない。こんな歳で、再起を目指したのだから、旦那なんか捨ててしまえば良いのに…。
これまでではなく、これからの生き方
私事ですが。
朝目覚めた瞬間、今夜の夕食の献立
何にしよう…から始まる毎日。
勉強道具は忘れても、部活のカバンと
お弁当は決して忘れない、スポーツバカ笑
息子達と過ごした嵐の様な日々。
そんな子供達も何とか無事社会へ
飛び立ち、今の自分の立ち位置と
マリーさんと何となく重なる様で
楽しみにして観に行きました。
マリーさんが旦那さんに、作った食事を
美味しいなら美味しいと言ってという
シーンやラスト、脱いだ靴下をカゴに
入れてほしかっと話す所など、些細な事かも
しれないけれど、大切な事で。
そうそう!と心の中で共感の叫びをあげていました。
姉が死んで、その後マリーさんが
どれほど苦しんで、なぜ今のマリーに
なったかという、個人の思いは
きっと1番身近な夫も、誰も知る由もなく。
子供から見たらお母さん、
主人から見たら妻、姑さんから見たら嫁…
その前に1人の人間だし、女性なんだと
ふつふつとした思いを抱えていた頃の
自分とも重なってしまいました。
マリーさんの様にうまくはいかないかも
しれないけれど、これから第二の人生は
自分の思いを大切に過ごしてもバチは
あたらないかなと勇気をもらえました。
やらずの後悔より、やってしまった後悔の方が
楽しい人生かなと。
自分もハッピーだと周りも自然にハッピーに
なる。それは決して身勝手わがままに
というわけではなく、おかげさまでという
感謝の気持ちを忘れずに、自分を大切に、
そして楽しみながら歩んで行きたいと
思わせてくれた作品でした。
ラストシーン、パリでの
清々しい表情のマリーさん。素敵でした👏
63歳、人生の証明
40年間、働く夫を支え続けてきた専業主婦のマリーが、夫の浮気が原因で出ていくことに…。
63歳、これと言った職歴なしのマリーがありつけたのは、閉鎖寸前のユースセンター。
そこの子供たちのサッカーチームのコーチを受け持つという無茶な展開に。
当然サッカーのできないマリーは子供たちになめられっぱなし。
しかし、生活面では持ち前の家事能力で子供たちをしっかり指導しようとするマリー。
そしてサッカーも健気に勉強。
厳しい環境ながら、優しい周りの人達にも助けられ、弱小チームの子供たちは大会出場を目指し、マリーは自分の夢をまた思い出し…。
コメディ色の強い作品なのかと勝手にイメージして行ったら、完全にハートフルドラマ。
40年間も繰り返した生活との決別。「これで良い」と言っていながら、やはり思うところがあったんでしょうね。
いきなり子供たちをまとめなきゃならないなんて凄い大変な話だし、それと向き合おうとする姿や、濃くて良キャラの周りの人達の優しさにほっこりした作品だった。
ちょっと起承転結のバランスが良くない(!?)という感じもありつつも、マリー自身や詩人警官、生意気ながらも熱い気持ちを持つ子供リーダーの口から出るセリフの数々…。
実は名言の宝庫な作品だった。
そして、関係ないけど子供たちのサッカーの試合のシーンを観て思い出したこと。
かなり昔の話だけど、巨人対ヤクルト戦で、9‐0で巨人がリードしていたのに、最終的に9‐10で逆転負け、という試合があったような…
試合は最後まで諦めてはいけませんね!
私はここにいる。私の望むことをする
認めてほしい。そう思っている。
尽くした夫に浮気されて、まっしぐらに出発つ疾走感。
そこで私はここにいたと署名する。そしてこれから私の望むことをする。
いろいろな経験で成り立つ大人
奇跡は起こらないし、誰もが納得する訳じゃないし、全部がハッピーではない。
偏屈そうに見える人も、胡散臭そうに見える人も、それぞれに何かしらがあってそう見える場合もある。
旦那が酷いとか、環境が酷いとか、だから公的機関は!とか。
そういうのは抜きにして、コミュニケーション取って相手を知るって大切。
まったり鑑賞できて良かったです。
そんなうまくいくかなー
ずっと家のことをやってきて家事は完璧!な主婦が夫の浮気発覚で
それまでとは違う世界に飛び立つ…という話ですが、見つけた仕事が
それまで興味のなかったサッカーのコーチ⁉︎
なのにいつの間にか子供たちに受け入れられ、
知る人もいない街に行ったわりにはいい人ばかりだったのか
これまたすんなり受け入れられ、いきなり好意を寄せてくれる男性まで現れ…。
(失礼ですが、60過ぎたこの主人公が女性としてそんなに魅力あるとも思えず?)
なんかいろいろ簡単に上手く行きすぎじゃない?というのが正直なところ。
違う世界に飛び込むのだからもっと苦労したり、それを克服するところとか
もっと掘り下げて欲しかったな…と。
でもそこでの生活が続くわけでもなさそうで、ここから先が本当のひとりだち
ってところでしょうか。
迎えに来たダンナの身勝手なセリフ「君がいないと家がメチャクチャだ」
(だから帰ってきてほしい⁉︎) には呆れた。
もしまだ夫への気持ちが残っていればここで「やっとわかった?」
と戻る可能性もあるのでしょうか…?
この主人公はそうはならなそうでしたが。
粗があると思うのに感情移入するのはなんでだ
40年つくしてきた旦那が浮気してて離婚を決意し、仕事を探したら超田舎の村で子供のサッカーのコーチすることになって、サッカーなんて知らないのに!って話だから、だいたい筋は予想がつくのね。それでだいたい予想通りなの。
ブリット=マリーのキャラ起てがすごいんだよね。何事もキチンとしてて、そりゃ旦那さんもちょっと息苦しかったのかなと思ったり。
サッカー知らないから、子供とは対立するよね、でもどこかで解りあうんでしょって思ってると、なんか大した理由なく解りあうんだよ。「ん?」っていう。それで醒めた目で見てた村の人も協力的になって、これまた「なんで?」と思うの。
前の監督の娘さんも、最初は気を許してくれないんだけど、最後は協力してくれんのね。ここ理由は全くないの。
ブリット=マリーが一生懸命やってるから、それでみんな協力する気になったのかなって気はするんだけど、ちょっと都合いいんだよね。それでも観て「良かったね」と思うのは、主演女優の演技力かなって気はすんのね。「このおばさんが一生懸命やってたら応援しちゃう」って。
ラストの「どっちを選ぶんだろう」と思わせておいて……ってのは良かった。
ラーションだからサッカーなのか。
でも観てるのはプレミアですか。
一生懸命に何かに打ち込む姿は素敵です。都合よく上手く行きすぎないところもいいです。
グイグイくる警官も美男美女というわけではないですが、普通っぽくてラブシーンが中々です。全然いけます。
そして、ラストのひねり方好きです。
軽い気持ちで観るといいです
きちんと家事をこなしてきた妻が、夫の不倫を知って家出して、片田舎のユースクラブ(学童保育みたいなものかな)の管理人に就職し、やったこともないのに、少年たちのサッカーコーチになるという話。
本作のよい点は、イヤミがないこと。ほんとに素直に観られる。ただ、肝心な部分はけっこうあっさりしていて、「あ、その程度で、課題は一件落着しちゃうのね」というご都合主義的な部分も見受けられる。それでも、スポーツ映画好きの自分には、「最後に試合があればオッケー」なのだ。さらに観終わった感じがよいのは、子供たちがとにかく素直だから、というのもあるかな。(比較するモノじゃないけど、同じ仏映画の「レ・ミゼラブル(2020)」の子供たちとは大違いだ。(笑))
オープニングからの「きちんと家事をこなしている妻」の描写が、テキパキと、テキパキしすぎてカクカクした感じに描けていて、導入がうまいなあという感じ。
この「きちんと家事をこなす」の背景は、10歳の時に事故で姉が亡くなり、すっかりふさぎ込んでしまった母に、自分の存在をなんとか見つけてもらおうと、一所懸命に家事をしてきたこと。この「ねえ、気付いてよ、お母さん」という思いが、ユースクラブの少年たちの「私たちは、ずっと1点もとれていない。でも私たちにはサッカーしかない。1点とって、私たちがサッカーをしていることを証明したいんだ」という思いと、徐々にいつのまにかシンクロしていく。その流れが心地よい。
軽い気持ちで観るのがよい、小品だと思います。
おまけ:家事に、重曹は万能ってことを覚えとこっと。
彼女の人生はまだこれから
基本的に、ラストを除いて予想を裏切ることは起こらない。
だがそれが良い。
それでもだんだんと表情が柔らかくなり、笑顔になってくるブリット=マリーを観ていると、彼女が囚われていた抑圧や思い込みは正しいものではないのだなと、よく分かる。
子役やらも含め、ボリの人達が素晴らしい。
そしてなんといってもラストが良い。彼女も良い表情をしている。彼女の人生はまだこれからなんだ。
まあ結末は見えていたけど、それでもおばさんの自立を見たかった。
夫の浮気、マイペースで自分の城を築き上げた専業主婦、子供時代のトラウマ、そして新しい環境での自立の試み。
結果は予想通りだったが、やっぱり女の自立と夫が捨てられるところを見てみたかった。
新しい環境はいい人ばかり。でもそれは主人公が貧しい地域にも移民の子供たちにも偏見なく頑張ったから。回りが良くしてくれて、暖かい人関係が広がり、彼女も表情豊かになって新たな一歩を踏み出せてよかった。
夫が迎えに来て「君がいなければ家の中がめちゃくちゃだ」としか言わないところが、やっぱり家政婦でしかなかった男の身勝手さを表していた。
でも夫の浮気に気付いていながら何も言わなかった主人公もな~。過去のトラウマで夢を持たないようになり、現実から目を背け続けたのはわかるけど。
まあ、ありていのあるあるドラマだったけど、楽しめた。
子供たちのサッカーチームも1点入れて大喜びするところがほほえましかった。
厳密にいうと、独り立ちはこのあとだ。
堅実に生きてきてそれを良しと信じていたブリットマリー。だが、それはあっさり崩れ去る。やけくそのように知らない土地に職を見つけて家出をするブリットマリー。本音をぶつけてくる子供たちと土地の人たちになじむうち、自分が自分の人生を生きてこなかったことにやっと気づく。
こんな人は少なくないはず。
きっかけがなければ、薄々気づいていても心にふたをして生き続ける。悪くはないけど、どこかむなしい。
とはいえ、映画は押し殺した人生そのものも有意義だったことを示し、讃える。
どんな人でもどんな人生でもいいことはあるんだよな。
中年以降の人に見てほしい映画。
笑顔がやっぱり大事
いやー、よくもこんなに無表情でいれるなー。
何に不満なの?マリー。
旦那の浮気に気づいていたから?
こちらまで眉間にしわが刻み込まれる前に
抜け出してくれて良かった!
笑顔って、やっぱり大切ですね。
子どもから学ぶ大人ってところが良いな。
わたし自身も年の功ばかり主張しないで、
若い人とたくさん接して学ばなきゃ!
心の声
浮気され、新しい道を選ぶ。
展開がどんどん展開していく。
淡い恋とかも、いやいやって感じでスタートするし。
子供達の心の開き方とかも。
でも、伝えたいこととかは一応伝わってる気がする。
感情移入することはないし、
感動とかも正直思った以上に少ない
主人公の声がずっと聞こえてるが、
そこに常にヒントがある感じ。
悪くもないが、感動もしない。
なんとも言い難い感じでした
人生にもハッパが必要!。
フットボール好きなら、より深く、この作品を理解が出来ると思う。
役者達の輝きは素晴らしいし、セリフもロマンティックだし、イブラと敵対するグアルディオラ監督のそっくりさんもいるし、それなのに、リヴァプール推しだし…もう、何もかもが愛くるしい世界だった!!。
おばさま向けの【童話】か【お伽噺】
スウェーデン映画なので、いろいろ考えさせられるところがあり、見ごたえがありました。
表層的事項のみで鑑賞すると、「偶然うまくいった」「なりゆきのままで、ご都合主義な」「平板でありがちな」つまらない話に見えなくもないです。
サッカーのくだりは、私も「素人にはいくらなんでも無理じゃないの?」というツッコミをしたくもなりました。
しかし、スウェーデンって専業主婦率2%で、基本的にほとんどの女性が結婚後も仕事をしている国なんですよね。
1960年代から政府が積極的に女性の就労を促し、福祉を担う保育所や介護施設などを整備し、無料(ないしは少額で)で利用できるようサービスの拡充に多くの予算が配分され、法律や制度も仕事と家庭を両立しやすいように変えてきた国。
そこで主人公のおばさま・ブリット=マリーが専業主婦をやってるということは、(子供もおらず、介護する親もおらず、旦那は相当稼いでいるってことはありつつも、それ以上に)「働かない理由」があるということかと。
そう思いながら観ていると、彼女がなにがしかの「心の傷」を抱えて、「主婦業」になにがしのこだわりがあり、「変わらない日常」を欲していることが見えてくる。
この主人公は63歳だが、10歳前後で心を閉ざし、成長をやめてしまった人ではないのか? それが、今の10歳前後の子供たちと触れ合うことで、再び時計の針を進めることを決意するという物語なのではないか、と途中で気付きました。
歳をとっていても、いくつになっても、諦めさえしなければ変わることはできるし、どんなことでも挑戦できる。
挑戦を忘れないその心の持ちようが、真の意味でのひとりだちではないかと、本作は提起していたように思いました。
それが、本作中で語られる、「UEFAチャンピオンズリーグ 2004-05 決勝」のエピソードに絡んで、説得力を増していました。
ところどころ都合よく進んでしまうのも「体は老人、心は少女の人」向けの【童話】や【お伽噺】だと思えば納得。
そんな視点だと、すがすがしく楽しめる作品に仕上がっていたと思えます。
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