「相変わらず美しい作品」ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形 さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5相変わらず美しい作品

2019年9月12日
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京都アニメーションが手掛けたTVアニメの外伝です。
外伝とは言っても、実質劇場版と言うくらいに濃密な作品でした!

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは本当に大好きなアニメです。
タイトルは主人公の女の子の名前をそのままとっています。
戦争の兵士として育てられ、心を持たない存在だったヴァイオレットが「代筆屋」という職業を通じて心を成長と共に「愛」を知る物語で、素晴らしいアニメが多かった去年の作品の中でもトップクラスにのぼるくらい大好きな作品です。

その続編にあたる内容なので楽しみでしたが、それを裏切らない素晴らしいものになっていました!

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まず本作はヴァイオレットが関わることになる2人の少女の物語で前半と後半に分かれていますが、前半と後半でつながってる内容です。

前半は、とある経緯で貴族の娘イザベラを訪れたヴァイオレットと3カ月間の交流を描いた物語になります。

正直最初は少し退屈に感じたものの、イザベラとヴァイオレットの交流は興味深く、後にヴァイオレットに話すことになる妹のエピソードは本当に感動します。
貧しい生活に苦しむ中でも妹に対して健気に愛情を注ぐ姿に涙が出ました。
「さよならの朝に約束の花をかざろう」でエリアルに愛情を注ぐマキアを思い浮かべました。

ただ、前半に関しては首をかしげる所がありました。
ヴァイオレットがイザベラを訪れる経緯です。
もともと手紙の代筆屋なので、TVアニメでは手紙を書く依頼を受けて出張していたのですが、本作では何故かイザベラに生活の作法を教えるために訪れます。
民間の代筆屋に頼む依頼では全く無いし何故そんな依頼をヴァイオレットにしたのかが全然理解出来ないので、そこで結構気持ちが離れました。
ヴァイオレットの交流や妹とのエピソードがラストを含めて素晴らしかっただけに勿体無く思います。

後半では、身寄りの無い小さい女の子のテイラーがとある経緯でヴァイオレットの勤める郵便社を訪れます。
テイラーが「郵便の配達屋になりたい」と頼みこみ、ヴァイオレットやベネディクトと一緒に行動する物語です。

まず、テイラーの声優を務めた悠木碧の演技は度肝を抜かれるほど素晴らしかったです!
完全に今作のMVPですね!
物語やキャラクターの良いところを彼女の演技でさらに素晴らしいものになっていました。

そんなテイラーが郵便社達との交流を通じて成長する姿に心を打たれました。

後半の欠点としては、孤児院にいたテイラーがどうやって孤児院を抜け出して郵便社に来たのかが解らなかったくらいですかね。

あと作画は全体的に綺麗でした!
TVアニメでもクオリティが高かったのですが、今作はより進化していて、水や光、街の背景を美しく彩られています。
特にキャラクターの目に涙を浮かべるシーンはこちらももらい泣きしそうなくらい良かったです。

一応外伝という形ですが、劇場版とも言っても良いくらいクオリティの高いものに仕上がっていました!
来年の1月に公開予定だった劇場版は延期になりましたが、もちろん完成するまで待ちます!

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今作のスタッフクレジットは、今作に関わった全てのスタッフが名前を刻まれています。
その中には事件で亡くなった方もいます。
中には知っている名前もお見掛けしたので胸がしめつけられる思いでしたが、素晴らしかった本作を作ったスタッフにとりあえずお礼を言いたいです。

今作も、そして今までも、素敵な作品をありがとうございました。
改めて、亡くなった京都アニメーションのスタッフのご冥福をお祈りします。

さうすぽー。
ちょこらむさんのコメント
2019年9月14日

はじめまして
熱意のあるコメントに胸がいっぱいになりました。ありがとうございます。

レビューの中にある映画前半のヴァイオレットがイザベラに礼儀作法指導の任務にあたる経緯というかきっかけについて、原作の文庫版の外伝にて語られています
。読むとまた映画が観たくなると思うのでとてもオススメです。

外伝以外にも上巻、下巻も素敵です。もしよろしかったらどうぞお読みください。

ちょこらむ