レ・ミゼラブルのレビュー・感想・評価
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フランスの闇をリアルに描いた作品。
試写会に行ってきました。
「レ・ミゼラブル」と言えば有名なあの作品を思い出す方が多いと思いますが、それとは違うとても衝撃的な作品。
パリからわずか15kmしか離れていないモンフェルメイユは移民や低所得者が多く住み、大人から子供まで危険な犯罪地域となっている。
窃盗にドラッグ。
それを取り締まる警察と市民と政治家とギャングの対立。
日々、一触即発の街の今を映し出している。
監督の出身地であり、現在もそこで生活しているからこそのリアル。
「ちゃんと向き合って話し合えば解決できるのでは…」なんて甘い考えは通用しない程、根は深く複雑で一条の光も感じられない。
決してテレビや雑誌で観る事はないフランスの闇を観た。
タイトルなし
ユゴーの「レ・ミゼラブル」で知られている
フランス パリの郊外 モンフェルメイユ
犯罪多発地区 ここが舞台
この映画はフィクションですが
この地で生まれ育った監督
自身の体験を基に社会が抱えている闇
人々の怒りが
ここに描かれています
.
別のエンディングがあったと伺いました
でもそれこそが現実だそうです
モンフェルメイユ ポスケ団地
2005年の暴動もこの辺りで始まったそう
.
フランスは中央集権・官僚国家・警察国家
超格差社会といわれている現実がここに
衝撃的な作品でした
フランスの現実を知る
ラジ・リ監督のレミゼラブル を試写会で鑑賞。
第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞受賞作品。
犯罪多発地区とされるパリ郊外のモンフェルメイユが舞台。モンフェルメイユはヴィクトル・ユゴーのレミゼラブルで、ジャンバルジャンとコゼットが初めて出会う、テナルディエの安宿があった場所。
高級ブランドをはじめとしたパリに対する私達の華やかなイメージが覆される内容。移民、人種、宗教、格差…何十年も解決されないフランスの現実がそこにあった。日本人には理解も想像もし難い社会なだけに見る価値があるかと。
エンディングのユゴーの言葉は重みがある。
人は環境によって、いかようにも育ってしまう。また、一方で生まれた場所だけで差別されることもあり。
パラサイト半地下の家族 とパルムドールを競ったとのことで、世界的に格差社会を取り上げる作品が多いな。
ライオンを盗んだだけなのに…。
「環境が人を育てる」
この言葉が事実だとしたら、フランスの郊外で生まれた市民の運命は悲惨すぎる…。
生まれた時から、貧困や差別に苦しめられ、大人の暴力や誹謗躊躇をその身に刻みながら生きる過酷さ。
こんな環境で育ったら、誰だって荒んだ性格になるよなぁと考えさせられました。
『レミゼラブル』というタイトルがまさに滑稽。
あの有名な小説の舞台となった街で繰り広げられる、警察と少年の諍いの数々。
まさに、「無情」という言葉が溜息のように溢れ出てしまっても致し方ない、厳しい現実が突きつけられる。
フランスの暴動というのは、こんなにも過激で、こんなにも無意味なのか…。
物語の始まりは、警察3人組と1人の少年を巻き込んだ、ライオン連れ去り事件。
少年の些細な悪戯で終わることができた、簡単な出来事だったはずだったのに…。
どこで歯車が狂ったのか、気がついたら警察グループを巻き込み、少年の仲間を巻き込んだ大きな事件になってしまいます。
しかも、少年たちの暴動に対して、警察官が少年にゴム弾を放つという考えられない珍事も発生してしまうのですから…。
このままでは、フランス全土を巻き込む社会問題になりかねない…!
そこで、大人はこの事件を無かったことにしようとするのですが、警察の薄汚い考えに、必死に抵抗する少年たちがとても強い!
薄汚い考えばかりの警察に守られる社会の治安はなんでちっぽけなんでしょう。
これじゃあ、誰だって警察を信用したくもないし、この街の安全を守ろうとする素敵な大人になれるわけがない。
何百年、何十年という時代の流れの中で、唯一変わらなかったものが、環境なのだとしたら、それこそ「ああ、無情」というもの。
無情な社会に取り残された、モンフェルメイユの市民たちの生き様がリアルに焼き付けられた映画でした。
ドキュメンタリーかと思うほどの拍車のかかったラストに、最後の最後までハラハラドキドキ。
ラストに秘められたメッセージは色々と考えさせられてしまいました。
この結末のその後は…⁈
いろんな方の意見が聞きたくなる衝撃の結末でした。
なかなか深みのある映画をありがとうございました(^^)
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