劇場公開日 2020年2月28日

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「ここはフランスなのか?」レ・ミゼラブル HigeKoboさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ここはフランスなのか?

2020年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

行ったことは有る程度の外国。日本に居てるとき抱いてたイメージを現地で反芻するだけで、たいして詳しくはなってないのに知った気になってる自分が怖い。
この映画、これがフランス?、しかも名作の舞台になった地域なのかと思うとめまいがする。貧困/スラムの問題ではなく移民社会とフランス社会の衝突が生む混沌が”ああ無情”である。
俗世間を仕切る”市長”と呼ばれるアフリカ系ボス。ボスも口を出せないイスラム指導者イマーム。ロマ人の団体そして白人警察官。それぞれが必死に生きている。価値観の違う人たちがともに生きてゆく難しさを痛感させられる。
DETROIT並みに救いのない映画だがこれは現在進行中。後戻りして昔のフランスにもどることはないのが ”レ・ミゼラブル”ということか。
移民してきた監督だからこそ使えた題名。文化を守るより再構築。カンヌ映画祭の審査員にもなってるところを見るとフランスも変わりたいんだろう。

HigeKobo