「ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」にも登場するパリ郊外のモン...」レ・ミゼラブル ワイルドとみまるさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」にも登場するパリ郊外のモン...
ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」にも登場するパリ郊外のモンフェルメイユが舞台。監督はそのモンフェルメイユ出身で現在もそこに暮らしているラジ・リ監督。
作品はミュージカルでは無く、少し重めの内容だとは感じていたけれど、上映時間104分があっという間。
けれど想像以上に考えさせられるテーマで余韻が強く140分位の作品を観たような感覚。
観る前は、タイトルややこしいんちゃう?なんて思っておりましたがタイトルの意味がはっきりとわかる瞬間( ゚д゚)ハッ!
下手な副題が無くて良かったです😌
フランスは移民社会であるという点からするとストーリーは解りやすいし、登場人物の関係性も比較的理解しやすい。
とはいえ、終盤の展開は驚きましたしスクリーンから全く目が離せませんでした。
冒頭のあの歓喜と一体感は何処にいってしまったのか。いや、一体感というか連帯感は残っていたんですよね。この連帯感、そうさせてしまったのは彼らであり土壌は違えど僕にも通ずるところがあるのかもしれません。
登場人物たちの言い分も多少は理解できることもありました。彼、彼らなりの正義もあったんでしょう(あの警官とあの団長は論外だけど)でもつもり積もった土壌は簡単には崩せないし、余裕が無いと自分本位になる。結局あの人も本人に委ねちゃいましたもんね。そんな人々を見ていたらそうなりますわな。
悲しいのはそれを打破する術が見出だせないことかもしれない。。
これがどうなるのかは観た側に委ねられますけど、僕は……イッサがアフリカに帰郷したときの話しを思い出したので苦しいし何も生まれないけれど、そういう事なんだと理解しました。
映画としては冒頭と終盤、とくにラストの対比が印象的で辛いけれども観てよかったと思える作品でした。