「親の心子知らず…」家族を想うとき ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
親の心子知らず…
マイホーム購入のために、両親共に朝から晩まで働く。家族で顔を合わせる時間も少なくなり、多感な時期を過ごす長男が次々と問題を起こす。。日本でも運送業者の労働問題が起きており、ネット通販隆盛の時代において社会課題である。受け手が指定しておきながら不在にし、ドライバーが何度も届けなければならない。玄関前に置くことができるようにはなったが。時間に追われ、路上駐車や、運転自体の安全性も問われる。そもそも送料無料など、通販会社が店舗側に送料を負担するように求めるなど、送料自体の価値を安くし過ぎている。大手通販会社のみが利益を搾取しており、末端まで行き渡らない。妻の介護士の仕事も然り。サービスを受ける側も個人によって事情が当然異なり、画一化などできず、ここでもまた介護士の安い労働賃金の課題がある。もはや日本人のなり手も居なくなり、外国の更に安い労働者に頼らざらるを得なくなる。強い者が勝つと言うのは資本主義の常であるが、どうしてこの様な社会になってしまうのか、ケン・ローチ監督はこの社会構造の闇を痛烈に突いている気がする。しかし、こうして一生懸命働いているのに、子供は親の背中を見ないのだろうか。学校へも行かず、社会を批判したいのか、スプレーで落書きし、警察沙汰、おまけにそのスプレーを万引きまでする。批判する前にまずは社会の一員としてすることをしろ、義務を果たせと言いたくなる。一体何のために働いているのか。。親の躾けのせいなのか、、その一緒に過ごせる時間もないのか、、こうなる前にしなければならなかった、何ともやるせない。借金は膨らむ一方で、家族の静止を振り切ってまた働きに出るのは致し方ないが悲しい。