「ギグ経済で人間生活の歪みがより酷くなってる」家族を想うとき ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
ギグ経済で人間生活の歪みがより酷くなってる
この映画で伝えたいことは、今の現在社会で、無視され置き去りにされがちな人々を『miss』(英題は Sorry We Missed You )してはいけないと言ってると思う。うまく言えないけど、この新しいギグ経済の仕組みの中で動いているが、社会の歪みのなかで、もがきながら懸命に生きている市民を見(miss)逃さず直視しろ ということだと思う。そして、人々がまず気づかなければ(意識化しなければ)、または無視してしまえば、社会は良い方に変わらないよと、言ってると想う。
現在、ギグ経済(Gig Economy)の時代で独立採算のフランチャイズの傘下に入ったが、働き手のリッキーは会社(PDF)
から保証されるものははっきり言ってなにもない。会社はリッキーの雇用で発生する人件費、福利厚生、人材育成にかかる時間やコストの削減。でも、リッキーの負担は一日休んだだけで発生する。
リッキーの家族は怠けていないし、必死に生きていても負債が増える。この映画を観て、ジェフ ベゾスのアマゾンとオーバーラップしたのは私だけだろうか。アマゾンがファランチャイズかどうか全く知らない。それに、アマゾンは一軒、一軒、認めのサインを貰わず、荷物を入り口に置いていく。トラッキングシステムがあるから、オンラインで買った人のスマホにいつ何時に荷物がつくかわかるらしい。個人的にアマゾンをボイコットしているので、システムはよく知らない。これを契機にアマゾンのドライバー募集を読んでみたが、詳細は連絡して聞くか面接したときでないとわからないようだ。他にも、タクシーのような働きをするウーバーがギグ経済の旗頭かもしれないが、一度も利用したことがない。
フリーランスの仕事もそうだ。私は個人的にフリーランスで、先生をしたことがある。先生が必要なときには声をかけてくるが、他は一切何も言ってこない。そして、声をかけられても、教えにいく場所は80k離れていたりして、ガソリン代も車に関すること事故は一切払ってくれないし、一件につき70%が私の収入になり、そこから州税、国税を払うし、必要な経費はすべて私持ちで、割りの合わない仕事だった。私は、他の仕事を持って収入があったから、フランチャイズの仕事を選り好みした。しかし、先生業でも定職がなかったら、リッキーのように、全てを犠牲にして稼がなければならない。果たして、近代社会の落とし子ギグ経済は弱いものの(所得が少なかったり、安定した仕事を持っていない)見方ではない。
映画ではフランチャイズといいながら、自分の車に娘を乗せたら、批判される。全てが雇用者の都合のいいようにできている。特に労働者階級のフランチャイズは自分や家族を犠牲にしても、生活していくため、働き続けなければならない。ここが問題なんだ。この映画の最後の恐ろしいシーンがこれを証明している。
コロナ感染のなかで、選択肢がなく感染しても収入がなければ家族を養えないから働きにいく人たちがいる。それに、落雷後の山火事で、空気資質が165もあって、危険だからなるべく中にいるようにと通達があっても、外で働かなければならない人たちがいる。不正なことだが、こういう人たちを犠牲にして、社会は成り立っている。
ケン ローチ監督とポール ラヴァティ脚本家、レベッカ オブライアン製作.
ポールは弁護士だし、ケンも多分弁護士になる勉強をした監督だと思う。この3人の社会の草の根運動の社会正義感にはあっぱれと声をかけたくなる。この宅配の現実ををこれだけリアルに追えるポールの洞察力や脚本力はすごいし、素人の俳優たちの(リッキーはちがう)演技もうまい。この演技から家族一人一人の優しさが伝わってくる。お互いに欠けていてもなにか助けあって、家族をうまく繋げていこうとしている。
{8/20/20}
ケンローチの映画はかなり観ているし、社会派の監督は大好きだ。でも、この映画は怖くて観ていられない。だから一時中断している。なぜかというと、家族の父親が日本流のアマゾンの配達員をフランチャイズで始めるから、車がいるので伴侶を犠牲にして、仕事を始める。これが、もう問題に思えるので怖くなった。その次に配達の会社で、荷物をスキャンする小型機械はとても高いもので、なくしたら自腹で弁償だと言われた。これがまた私に恐怖を与える。絶対にこういうものを壊したり、なくしたりする問題がおきる。交通渋滞で、配達先も見つかり難かったりして、なにか起きそう。恐怖感が襲ってきて、一時中断している。(8/14/20)