「《ルール》雁字搦め、これでいいのか。最愛の家族のために働いてる筈が...」家族を想うとき とーりさんの映画レビュー(感想・評価)
《ルール》雁字搦め、これでいいのか。最愛の家族のために働いてる筈が...
《ルール》雁字搦め、これでいいのか。最愛の家族のために働いてる筈が、家族に会えないなんて、家族のための時間も取れないなんて本末転倒。こんな救い無く忙しない世の中に誰がしたんだ。英国発社会派監督ケン・ローチ作品は救いない程追い込んだ上でやたらめったらエモーショナルにしたがる傾向がある気がしていたけど、本作のそれは個人的に鼻につく(←本作鑑賞が遅くなった一因)ことなく素直に刺さった。流石は一度は表明した監督引退を延ばしてまで本作を作ったという本気・熱量が感じられる。不在連絡票を意味する原題が最高すぎるのに加えてリッキー、アビー、セブそしてライザ・ジェーン、この家族が本当に愛おしく想え、応援したくなる --- 「昔の家族」。愛ゆえのもどかしさ歯がゆさたるや。鑑賞中は本当に憤りすぎて映画であることも忘れて握り拳を頑として作るところだった。これもまたある意味で『万引き家族』とも共鳴するし、恐ろしいほど地に足着いている。一歩間違えれば明日は我が身だし、こんなの間違っている。マロニーが体現する正論だけでは片付けられない。今の時代を生きる人々が広く見るべき"いい"映画だった。
DON'T BE ANGRY ☻
今年映画館9本目
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