「つらい、辛い、ツライ」家族を想うとき なおさんの映画レビュー(感想・評価)
つらい、辛い、ツライ
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前作『わたしは、ダニエル・ブレイク』でひどい目(あまりのいたたまれなさに悶絶)にあったケン・ローチの新作ということで、期待と覚悟を持って観たわけだが…。
ちょっとずつ無理して、ちょっとずつすれ違って、ちょっとずつ間違えて、ちょっとずつ余裕がなくなって、ちょっとずつ悪い方へ進んでいく。のほほんとしていられたのもサッカーのくだりあたりまで。ジワジワ真綿で首を絞められるように…って表現はこういう時に使うんだねえ。
父ちゃん…気が短いが悪い人じゃないのは分かるが、余裕がなくなってからはいけない。ラストはいいとも悪いとも言えないが、それが彼の答えなのか。
母ちゃん…これまでこのおっとり母ちゃんの絶妙な舵取りがあってやってこれた家族なんだなというのがよくわかる。でもでもそれだって限度がある。感情労働つらい。
息子…不安定な時期なのはわかるけど…お前さあ、今それどころじゃないって自分でもわかってるだろうに。母ちゃんを泣かすなボケ! ただ終盤の成長は一つの希望でもある。
娘…もちろん悪気はないのはわかるが、考えが足りなかった。よかれと思ってしたことが悪い結果になることもあるって覚えたね。こうやっていっぱい間違えて大人になっていくんだよ。
と各人見てみたがそりゃあ聖人君子ではないが、生活や人生を破壊されなければならない人たちでは絶対にない。
最後の父ちゃんの選択だが、これ持ち堪えられるのだろうか。仮に父ちゃんが持ち堪えられても家族は持ち堪えられるのだろうか。
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