劇場公開日 2019年12月13日

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「家族の真の幸せとは?」家族を想うとき しげぴいさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0家族の真の幸せとは?

2019年12月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

人を人とも思わない
このシステマティックな社会
負のスパイラルに飲み込まれ
もがいても悪くなるばかりの状況を
父は諦め家族は静かに怒る。

ラストシーンが頭にこびりつく。
従順という命がけの反抗にはらはら涙。
子供たちもこのスパイラルに
巻き込まれなければよいのだが。

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2019.12.22 新宿武蔵野館にて1回目
おいらにはパートナーがいる。
おいらとはまるで異なるアプローチで
幸せを語るところが鼻につくのだが
家族一人ひとりが想い描く
家族の幸せのかたちは違うのだと
この映画は諭してくれる。
自分の考える家族の幸福が
絶対ではないのだという揺らぎに
反省させられることしきり。

「自営」という自由で明るい陽射しを
かき曇らせるフランチャイズシステム
実は世のコンビニ店長の多くが
こんな苦労を背負わされてるのかと
想像を飛ばしたが実際は如何に。
娘と一緒に配達に廻るシーンが
際立った輝きをもって心に残るが
この輝きをも否定する社会の不寛容さに
腹立たしいやら嘆かわしいやら。

重い。悔しい。やるせない。
そんなやり場ない錘を胸に残す
強烈な一本だった。

しげぴい