「現実を描き切る」家族を想うとき Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
現実を描き切る
息子は流石に甘えすぎなんだよね。気持ちは解るけど、両親だって、超シンドイ状況で頑張ってんだから、困らせんなよ。
そら親父、殴るよね。母親が「子供に手を上げないで!」って過去のトラウマから言うんだけど、それで甘やかして事態を悪化させてるところあると思うよ。
でもこの家族、コミュニケーションを止めないんだよね。息子もしれっと親父の近くに居て、口論続けたり。そこが、崩壊しないギリギリのポイントだと思ったね。
親父の会社の仕組みはおかしいの。雇用する側に圧倒的優位な条件で契約結ばれてるから。それでも、親父は、その仕事をやるしかない。
じゃあ、この家族はどうすればいいのさ。社会を変えればいいの? というと、そう簡単な話でもない。
創る側がテーマを叫べばなんとかなるという社会状況でもなく、現実を細部まで描き切って、観客にぶつけるしかないだろうな。そんな映画だよ。
ほぼすべての映像が、横からの光で、表情に陰影がついてきれいだよ。
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