劇場公開日 2019年12月13日

  • 予告編を見る

「現実を描き切る」家族を想うとき Scottさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0現実を描き切る

2019年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

息子は流石に甘えすぎなんだよね。気持ちは解るけど、両親だって、超シンドイ状況で頑張ってんだから、困らせんなよ。

そら親父、殴るよね。母親が「子供に手を上げないで!」って過去のトラウマから言うんだけど、それで甘やかして事態を悪化させてるところあると思うよ。

でもこの家族、コミュニケーションを止めないんだよね。息子もしれっと親父の近くに居て、口論続けたり。そこが、崩壊しないギリギリのポイントだと思ったね。

親父の会社の仕組みはおかしいの。雇用する側に圧倒的優位な条件で契約結ばれてるから。それでも、親父は、その仕事をやるしかない。

じゃあ、この家族はどうすればいいのさ。社会を変えればいいの? というと、そう簡単な話でもない。

創る側がテーマを叫べばなんとかなるという社会状況でもなく、現実を細部まで描き切って、観客にぶつけるしかないだろうな。そんな映画だよ。

ほぼすべての映像が、横からの光で、表情に陰影がついてきれいだよ。

Scott