「[未見者連絡報告票]この作品は、内容が大変重いですので、覚悟して真剣に拝見して下さい。」家族を想うとき 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
[未見者連絡報告票]この作品は、内容が大変重いですので、覚悟して真剣に拝見して下さい。
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ケン・ローチ監督作品に巡り合ったのは、2度目である。最初は、「私は、ダニエル・ブレイク」でした。労働者である男が、外壁に大きく自分の名前をスプレーで描いた場面が、強烈に覚えている。自分は、一人の労働者である前に一人の人間である。という印象を私の胸に焼き付きついたのを覚えている。あれから、3年後の現在、久しぶりに「家族を想うとき」に巡り合った。この作品は、家族を守るために働くが、なぜか悪循環を繰り返す
観終わってからも「どこで、ボタンを掛け違えてしまったのか。」その主人公の悲惨な末路の原点をしばらく考えてしまう。鑑賞後、主人公の生き方をしばらく考えてしまう作品も
此処最近、非常に珍しい。個人的にこの作品に出逢ったことは、稀な幸運を掴んだと思った。最初は、フランチャイズの宅配ドライバーになるために訓練訓練の毎日であるが、家族のことを想いながらも、家族のそれぞれの事情により足をとられることになる。家族のために仕事をすればするほど、家族の中に溝が出来始める。一番手を焼く時期でもある思春期の息子にかなり手を焼かれる。作品の要所々々においては、日本の現状と交わる内容が具に描かれていて、他の先進国においても、日々の暮らしの中で似たような問題を抱えているのだろうかと思ってしまうほど、重なってしまう問題が見受けられた。リッキーが、怪我を負い、病院で順番待ちをしている所は、「ある、ある」と、同情してしまった。この作品のラストは、う~ん、観る人に想像させる域。ケン・ローチ監督には、此処の家族が抱える問題を扱った、虚飾のない作品を届けてもらいたい。
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