「友情か愛か」マティアス&マキシム gozoさんの映画レビュー(感想・評価)
友情か愛か
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冒頭は罰ゲームでキスをさせられただけの幼馴染の悪友2人。
しかし次第に彼らが置かれた格差を浮き彫りにしながら映画は進む。一流企業に勤め、婚約者もいるマティアスとバーテンで精神疾患を抱えた母を持つ母子家庭のマキシム。
視聴者の想いがマキシムへの同情に傾斜する一方で、真に彼と彼の未来を応援すべきマティアスの態度は冷たい。
ラストへ進むにつれ、友情を保てないほどの屈折した思いが彼の中で膨れ上がっていく。
グザヴィエ・ドランの映画は多くを語りません。しかし、窓・色・登場人物の名前・ライトの点滅など、感性豊かな演出で実に明快なメッセージを視聴者に伝え、説明的な解説を脚本から取り払い、リアリティを維持したままストーリーを展開しています。
ジョン・F・ドノヴァンの生と死は、そのリアリティの部分が欠けてしまったように感じていましたが、本作ではしっかりと復活していたようで安心しました。
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