「お兄さんのライター」鵞鳥湖の夜 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
お兄さんのライター
さらっと作品情報読んだだけで、観賞。
冒頭の雨の音がきれいでした。
話は作品情報にあるとおりで、大きな変化はなく、全国指名手配されたチョウ (主演のフー・ゴー)か妻子に30万元の報償金を受け取らせて、捕まるなり、死ぬ覚悟で鵞鳥湖畔の小さな駅に着く。そこで待っていたのは妻ではなく、短髪のほっそい女(アイアイ:グイ・ルンメイ)。女がタバコをバックから出して、「お兄さん、火貸してくれる」「あなた、チョウ・ザーノンでしょ」と。妻が来ないことに不信感を抱き、敵か味方かわからないチョウ。観ているこっちはもっとわからない。それが映画の後半になってもずっとわからないのよ。彼女をそこに遣らせたホア(渋川清彦に激似)も味方か敵か最後までわかんないし。捜索警官のボスが「帰れない二人」のリャオ・ハン。私服警官ばっかりで、ヤクザと区別つきにくい。奥さんのシュージュンは「軍中楽園」のレジーナ・ワン、清楚できれいだった💞 バイク泥棒のチンピラの奥さんには見えないし、5年も帰って来ない旦那にはとうに愛想尽きている。異常にサバサバしてて、濡れ場なんか期待できない。報償金もいらないっていう感じ。しゃべらないし、わからん。てんかん持ちで、薬が切れると痙攣し、泡吹くシーンはなかなかすごい演技でちょっと興奮(変態ですねw)。
バイク窃盗団にはボスというか、リーダーがいるが、子分たちには派閥があって、縄張りを巡って揉める。猫目と猫耳の双子のチンピラの派閥とチョウの派閥はリーダーのアホな提案で夜中のバイク窃盗運動会で決着を着けたらどうかと。両者は本気で夜中に走り回って競う。その最中、チョウは襲って来る相手と間違えて、警官に発砲して殺してしまい、全国指名手配となるわけだ。警官と同士討ちでチョウも左肩を負傷するが、獣医に弾を抜いてもらう。
アイアイは湖畔の売春婦だった。浴水孃といって、湖の中に浸かって駅弁スタイルでするらしい。ほんとかよ? 湖畔の遊園地?見世物小屋のなかの変なシーンが気持ち悪かった。チョウとアイアイは小型エンジンのついたボートで沖に出る。夜になり、回りは深い靄に包まれる。アイアイはお口でチョウをお味見。チョウ・ザーノンがイクとふなべりに乗り出し、結構な量のザー○ンを吐き出し、湖の水で口をすすぐ。中国の性描写の規制は厳しいみたいだが、かなり攻めているなと思われた。
チョウを捜索する警官たちはシュージュンの実弟のチョウの子分たちを射殺してしまう。訳がわからないが、その場面はお祭りや露店でダンスシーンもあるし、ジンギスカンもかかる。ホアも人の中に混じってステップを踏む。LEDライト付のスニーカーを履いてる警官たちも訳がわからん。
雑居アパートには簡易宿泊もあり、アイアイはチョウに先に宿にゆくように促すが、警察に追われ、ホアを殺した猫目、猫耳に襲われ、アイアイとはぐれてしまう。チョウはアイアイに警察に通報し、妻の代わりに報償金を受けとり、渡して欲しいと頼むが、なかなかタイミングがない。何しろ、GPSのついたスマホは捨てて逃亡しているのだ。アパートは銃撃戦の舞台になり、アイアイはひとりの警官に洗濯場の奥に追い詰められ、犯されるが、そこへチョウが現れ、警官を鉄のパイプかなにかで殴って逃げる。アイアイはホアから2万元の報酬で、チョウを警察に売ることを依頼されたらしい。それで、ホアはシュージュンとアイアイの行動を探偵のように尾行していたのか?アイアイがちゃんと妻のシュージュンに報償金を渡すように話をちゃんとしておきたいチョウは店に入る。アイアイは牛肉麺を注文し、二人は凄まじい勢いで麺をすすり、かきこむ。その後、アイアイが麺の代金を払うとほどなくして、警官が店に踏み込み、チョウは反撃するが、湖畔で射殺される。警官たちは自分たちの手柄の証拠となるようにチョウの死体を囲んで記念撮影するシーン。
最後は報道陣の前でアイアイに報償金が贈られるシーン。捜索警官のボス役のリャオ・ハンが警察署で30万元の現金を渡し、アイアイを自分の車で送る。車のなかでアイアイにタバコを勧めるリャオ・ハン。アイアイはチョウの持っていたライターで火を点ける。農業銀行で現金を口座に入れると降りたアイアイ。タバコを全部アイアイに吸われてしまったリャオ・ハンがタバコを買って、八百屋の店先で吸おうとすると、アイアイが銀行から出てくる。札の入った買い物バックを持っている。アイアイはリャオ・ハンを巻いたのだ。リャオ・ハンが着いてゆくと、竹の柄のワンピースを着たシュージュンが合流した。二人でバックをガッチリ抱えて歩いて行くのをじっとリャオ・ハンが見つめ、なにやら考えているようなシーンで、ぷっつり終わる。まだ、続きがありそうなノワール作品でした。しかし、女二人でガッチリ金を抱いて歩くシーンは、女って怖いのよ~と思うか、簡単にひったくられるご時世を表現しているのかはあなたの判断におまかせします。 わたしはリャオ・ハンが二人を襲って殺して、金を横取りするんじゃないかな~って思いました。
リャオ・ハンとレジーナ・ワンは助演なんだけど、なんか、美味しいとこ持っていった感があります。
フー・ゴーはイケメンでした。包帯の端を机の引き出しで固定して、自分で包帯を巻き直すシーンは男のわたしも惚れ惚れしました。
ミッドナイトスワン(草薙剛主演)を見た次の日に見たからなおさらだったかもしれません。
分かりにくいけど最後まで見れちゃう映画でした。話しは単純で、もうちょい泣ける要素が欲しかったです。
カールⅢ世さん、コメントありがとうございます!
わかりにくい映画だったため、このレビューがとても参考になりました。
ジンギスカンに合わせて光る靴で踊るってのも、いつの時代にさまよってるのかわかんなくなりました・・・w
やっぱり一番難しいのがチンピラと警官を区別することだったでしょうか・・・