「危なかしく、不安で、愛おしい」その手に触れるまで Toshiさんの映画レビュー(感想・評価)
危なかしく、不安で、愛おしい
真っ白で、何にでも染まれる少年期、ある過激な思想に感化され、それが正しいと疑わず、正義だと信じて、親近者を殺そうとする。
周りの大人が、その過激な思想をほどこうとするけれど、どこまでも純粋で真面目な少年の心はかたく。出会った同年代の女の子が、彼の心を揺さぶるきっかけをつくる。
とても危なかしく、不安にさせられて、でも愛おしい。
自身も、宗教ではないけれど、絶対的なもの、信じて疑わないものがあった10代を思い出しました。
ベルギーが舞台で、テロが発生する背景にいる個人は、最初からテロリストなわけではなく、むしろ純粋で真面目に生きる”人”なんだと、その悲しい複雑性を分かりやすく示してくれます。
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