「アレッドは何を信じたのか」その手に触れるまで はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
アレッドは何を信じたのか
ゲーム好きの13才の少年アレッドがイスラム指導者との出会いで過激な思想にのめり込んでいく物語。
やがて指導者の言葉に影響を受け、現代的な考えの女性教師イネスを殺害しようとする。
少年院に入っても決まった時間のお祈りを欠かすことはない。
母の訴えや担当教官の教え、農業研修所の娘で自分に好意を抱くルイーズとの出会いであっても、偏った思考を変えることはできない。
それどころか再びイネス先生を手にかけようと計画を企てている。
そもそもイスラム教は決まり事の多い宗教です。聞かれればまぁ仏教かな、という人が多い日本とは概念が全く違う。
でも何を信じても、何も信じていなくても正解はない。
多くの厳格なムスリムが自分達の宗教を誇りに思っているならそれが正しい。
本来信仰というのは清らかなもののはず。でも同時に根深い闇を含んでいることもある。人はそこから這い出すことができるのだろうか。
ラストシーン。
左手がその手に触れる瞬間でさえも右手に握られた狂気が目の前の人物の喉を突き刺すのではないか。
気が気でならなかった。
コメントする