パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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韓国映画史上No.1のエンタメ作品にして問題作
ポン・ジュノとソン・ガンホのタッグは、モンスター映画あり刑事モノありアクションありと、多彩なジャンルの作品を世に送り出してきた。その中でも、個人的は最高傑作だと思う。
今までは韓国映画の笑いのツボというのがどうもつかめず、コメディ要素の強い作品を観てもおいてけぼりになることが多かった。ところがこの作品の笑わせ方はとても好きで、日本人にもわかりやすかった。中盤までは控えめのドタバタコメディ。
一方で終盤にかけては一気に韓国映画らしくなり、憂鬱さが頭をもたげる。急展開の後にハッピーエンドかバッドエンドかも定かでない結末まで駆け抜ける。そしてその中に、この作品の持つメッセージが出てくる。主人公たちが住んでいるのは、「半」地下なのだ。彼らは決して社会的底辺ではない。ネタバレせずにこのメッセージを伝えるのはきっと無理なんだと思う。難しい。
そしてミニョクがもっと絡んでくるのかと思ってたんだけど、彼は一体今何をしているのだろう。
さすがは話題作
ちょっとこの映画が面白いらしいと聞いて、あえて予習ゼロ、予告も見ずに行ってきた。
最初は韓国の社会問題を織り交ぜたコメディかなくらいにしか思ってなかったけれど、予想外の展開になってからは、もう驚きの連続で興奮しっぱなし。
色んな著名人から「すごいものを見た」などのコメントが寄せられていたけど、間違いない。
とっても面白かった。記憶が薄まった頃にまた見たい。
ジャージャーラーメン、食べたい!
全部乗せ
ネタバレ無しで語るとしても観てくれと言うしかない1本。
鑑賞前にどんな想像をしてたとしても、その10倍は驚愕し、楽しめる本作。
ヒューマン、サスペンス、ホラー、シリアス、コメディ、あらゆるジャンルを全部乗せの凄すぎる映画。
期待を裏切らない面白い作品。
第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞(韓国映画初)した作品という事で期待しながらの観賞。
「万引き家族」や「アス」のように、貧富の差(格差)と家族をテーマにした作品。
ただ、このパラサイトは皮肉、教訓、警告それだけでは終わらない、韓国だけじゃない、世界での奥深い何か問題があることを感じてしまう。今の自分の格の位置は、地上と半地下と地下で、どこなのか?幸せとは何か?を考えさせられる。
喜劇から悲喜劇に、そして恐怖にかわる展開が面白い。ポン・ジュノ監督の巧みな技有りで、最高傑作といえる。
ラストまでじっくり観賞するのがお勧め。
期待以上...!
TV番組で特集されていて、あらすじだけ聞いた上でいざ映画館へ。
2時間超だし途中で眠くならないといいなあくらいの気持ちで見始ましたが、
正直期待以上でした...!
登場人物の心情変化や映像以外での格差の表し方など素晴らしいです。伏線回収もしっかりされます。
クスッと会場全体がなるシーンもあるので2時間ずっと重いお話のイメージ持たれてるとしたら、もう少し軽い気持ちで見に行ける作品でした。
とにかくタイトルの"パラサイト"が、この作品を本当によく表しています。お互いがお互いに頼らないと生きていけない現代の流れを捉えた映画でした。
ドストエフスキーは嫉妬していると思う
いやー、とにかく凄いものを見てしまった。この映画の凄さを自分の言葉で説明できるのだろうか。
数日前に整骨院で治療を受けている時に、隣のベッドで整体師と患者さんがこの映画の感想を話し出すという最悪な環境に置かれてしまった。うつ伏せで治療を受けているため、なすがままネタバレを耳にしてしまった。
面白さも半減だろうなと思いながらも見始めたのだが、ネタバレしていようがしていまいが関係なかったね。例えば、ドストエフスキーの罪と罰のあらすじを聞いてから小説を読んでも受ける衝撃は、変わることはない。圧倒的な筆力で描かれる人間の性、登場人物が吐き出すセリフに懊悩する。
この映画パラサイトも同じで、人間の欲、ずるさ、哀れさ、滑稽さが見事に表現されていて、その後の展開を知っているにもかかわらず心をえぐり取られそうだった。格差社会の歪みを題材にしていながらも、押し付けがましいメッセージ性は全く感じない。また、あちこちに埋め込まれている寓話、メタファーも味付けに徹していて、本筋のストーリーの凄みに脳天を直撃されてしまった。
それだけでなく、映像美がいいよね、アングル、光の使い方、場面の切り替えの絶妙な感じ。音楽も場面場面ですごくマッチしていたし、効果音は心理描写をうまく補完していて、いやーな不安感が増幅されてしまった。
ちょっとだけ、芥川龍之介の蜘蛛の糸を思い出したが、寓話としては、蜘蛛の糸をはるかに超えてます。
これから、この映画のフォロワーが出てくるんだろうけど、この頂を超えることは出来ないんじゃないの。
点滅するセンサーライトと幽霊
私はめちゃめちゃ面白かったです!
期待以上でした!
異常に高低差のある階段が韓国社会の貧富の差を見事に表しています。
貧しい家族が住む半地下と裕福な家族が住む高台の豪邸。
そしてまさかの地下!
そうくるかー!え?え?ってなりました(笑)
豪邸では大雨すら美しい。下界のことなど知るよしもなく。
汚水が吹き上げるトイレに座って煙草をふかす半地下の娘がなんだか綺麗。
そして点滅するセンサーライトと幽霊がお見事!
あと富豪の息子が怖すぎる(笑)
誰も救われない。そして裁かれない。
役者さんも素晴らしかったです。
韓国の闇と狂気
韓国に行く予定があったので、その前に見ようと思ってましたが、見に行けず、、残念と思ったら、飛行機の機内で見られました。ナイスJAL。
行きの飛行機では見終わらず、帰りに持ち越し。
眠気と小さな画面、途中で入るアナウンスに邪魔されながらでしたが面白かった。
前半は予想の範囲。韓国社会の貧富の差が描かれています。
後半は狂気。一気に「どうなるの?」という展開に。終わり方もいい。
人の心の状態が上手く描かれていて、人間の恐ろしさみたいなものを感じます。
ある意味、真のホラーと言えます。
絶対観たほうが良い作品
いつか行こうと思っていて、やっと観に行けた。
結論から言うとすごく面白かった。また観にいきたいと思える作品。
考えさせられるし、色々な視点を持って観ていくと繋がる部分があった。
スリルも満点で、この先どうなっていくのか続きが気になっていった。
ひょんなことから始まって、展開が凄まじかった。
一度では見つけられない部分も絶対あるので、二度見ることをオススメしたい。
物凄くエンタメ、なのに生々しく重く感情を揺さぶる
最後の最後まで予測不可能、予想を裏切られまくり。ギリギリですり抜けていくハラハラドキドキが楽しくて、テンポも良いし各自キャラが立ってるのですぐに物語に入り込めました。
格差社会、持たざる者の実状、更なる喪失が、異なる立場の登場人物の目線で描かれていくので、観賞後は何とも言えない感情に…。
悪人らしい悪人はいなかったし、悪気があっての行動もなかったと思います。でも結局は、こうなってしまうのか、と。もどかしく、苦しい。これを見てどう感じるか、ちゃんと自分の感情を咀嚼したいと思える作品です。
テーマは非常に重く生々しいのに、笑えてエンタメに仕上がっているのが素晴らしい。受賞も納得!
なんちゅう映画を作るんだ!ポン・ジュノと言う人は!
沢山の映画賞を受賞して注目度が上がり、
中にはヘイトっぽいレビューを書いてる人もいるので
レビューを書いている人の名前をクリックして
映画鑑賞履歴や好みの傾向を確認してから
レビューを読まれた方が良いかもしれないです。
老婆心ながら注意を追記しておきますね〜
ポン・ジュノ監督の名前はよく知っていたけど、
韓国映画の容赦の無いバイオレンス描写が苦手なので
ポン・ジュノ作品をちゃんと観たのは今回が初です。
下町の更に建物の半地下に住む貧しい家族が
丘の上のお金持ちの生活に寄生して
ちょっとマシな暮らしを手に入れる話、
と書いてしまえばドッて事ない話に思えるけど
中身はとてつもない社会風刺がブチ込まれてる。
そんな社会風刺の詰まった話を
取っ付きはコメディーとして笑わせて、
途中からは一種サスペンスとして観る者を惹きつけ
やがては本質に迫るある感覚からの大団円!
これはもう、黙って観とけ!!
しか言葉が無いわ!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
半地下の最低家賃の家にしか住めない貧しい家族だけど
決して無能で怠惰な一家では無い事がミソ!
劇中にもそこのところは
いくつかのエピソードを上げて伝えてくれている。
ちゃんと普通に仕事が出来る人達が
過剰過ぎる競争社会の弊害や
世界的な経済危機の煽りで仕事を失った事が伝わって来る。
能力や意欲があっても不運が重なってしまったら
観客の私たちも彼らの様な半地下生活者になってしまう。
そんな不条理な現実と
貧しい人々から搾取することで豊かな生活を営んでいながら、
心の底では貧しい人々を軽蔑している
一握りの金持ち達への怒りがもう怒涛の様に溢れている。
今作のキーになるある感覚は正直、私も感じた事がある。
その感覚って誤魔化せないんだよね〜〜
だからこそ、ポン・ジュノ監督、お見事!
@お勧めの鑑賞方法は?
とにかく黙って映画館へ行っとけ!!
なんとかタダで観られないかな〜とか、
そんなさもしい事を思ってるから
私ら貧乏人は富裕層から虫けら扱いされるんだよ!!
出すべきものにはちゃんとお金出そうよ!!
「格差」は世界共通のテーマになった。
一時期、社会的テーマを取り上げた映画は、人種や民族、性的な差別を題材にしたものが多かったが、ここ数年は完全に「格差」を描いた作品が目立つ様になった。
それもかなり重い内容であるのに、世界中でどの作品も客が入っているというからその深刻さはより身近なものになっていると言えるんだろう。
この作品も(私が思いつくだけでも)「ジョーカー」「天気の子」「万引き家族」「アス」などとオーバーラップする箇所が多い。
階段や坂の上り下りで格差を視覚的に表現していることはご覧になった方は皆感じられたことと思う。
そして「水」。
そもそもは皆に等しく空から降ってくる雨が、高い階層においてはボトル入りの飲料水や優雅なバスタブなど「富」の象徴であるのに対し、それが下層へ流れていく中で淀み、ついにはその生活をも奪っていく。
避難所でケビンは「僕が責任をとります。」
そう言って誕生パーティーでの凶行に向かう。
家族がこんなに辛い思いをしなくてはならないのは、学歴社会で負けてしまった自分のせいだと責めていたのかも知れない。
描かれているとおり、決して彼ら兄妹は無学な訳ではない。むしろ優秀な若者だし、学校に行けないのは経済的理由による所が大きいのは明らかなのに。
パーティーではゲストを招いて華やかなひと時が繰り広げられる中、自宅は水に沈んでしまった主人公たち兄妹が、ここではおしゃれをし、父にいたってはインディアンのかぶり物を着けている。
現実でありながら、まるでジョーク。
凄惨な殺し合いが幕を開けるが、そのどれもが夢の中の様でもある。
物語の要素すべてがすんなり飲み込めるかいうとそういう訳でも無いものの、流れは非常にわかり易く興味深くそのメッセージは十分過ぎるほどに伝わってくる。
そして出演者全員のキャラクターがひとりひとり立っていて素晴らしい。
現在あまりにも上映館が少ないが、今回のアカデミー賞ノミネートでもう少し多くの人たちの眼に触れることになることを期待したい。
ソウル大学に書類偽造科があったら、首席だ!
予想もつかない展開。
コメディーとしてもサスペンスとしても見応えがあった。
半地下の自宅から外を見るのは、横に細長い窓越しだ。
セレブ宅のリビングから庭を見る、あるいは邸宅の外からリビングを窺うのも、リビング一面のガラスの壁越しだ。
この両方とも、スクリーンの中に二重のフレームを形成している。
我々観客が主人公一家を見つめるその先で、彼らはスクリーンのような窓枠越しに外界あるいは異なる世界を見つめている。
主人公一家にとって、セレブの生活はもちろん、自宅の目の前ですら別の世界、リアリティーとは一線を画す世界なのだろうか。
この演出の極め付きは、立ち小便をする酔っぱらいを兄と父親が追い払いに出ていったとき、半地下の家の中で妹がその様子をスマートフォンのスローモーションアプリで見て笑う場面だ。
そこに展開されるのは自分達の生活圏で起きている紛れもない実際の出来事なのだが、窓越し、さらにはスマホ越しで、コントを見るかのように楽しむのが彼らの生き抜く方法だったのかもしれない。
韓国は日本以上に狭い国土に住宅が密集していて、貧しい者たちのすぐ近くに富裕層の豪邸がある。
アメリカ映画だとこれらは完全に別の区域に存在していて、お互い遠くからやっと眺められるような距離感がある。
日本でさえ、「天国と地獄」の貧しい誘拐犯が高台の金持ちの豪邸を見上げて生活していたように、一定の距離感はある。
本作で具体的に主人公家族の家とセレブ家族の家の位置関係は示されていないが、狭い坂道の途中に豪邸がある韓国独特の風景が、貧富の差はあっても生活圏は然程離れていない印象を与える。
だから、セレブ一家の生活に入り込んで 平然と振る舞える主人公一家にある程度の納得感はある。
彼らの悪巧みはトントン拍子に進む。
そのまま幸せに時が経つのでは物語にならず、当然に危機が訪れる。
前半のコミカルな展開も独創的で面白いが、やがて訪れる危機が凄まじい。
そして大事件へと雪崩れ込むところは容赦がない。
日本人ではなかなかこの発想には行き着かないだろう。
生活臭とでもいうのか、匂いをキーアイテムにしているところも容赦ないと感じる。
石鹸を変えても消せない、宿命のようにつきまとう匂い。
だんだんとスクリーン越しに匂いが伝わってきそうなソン・ガンホの演技。
自分達が貧しいのは金持ちのせいではない。
金持ちの優雅な暮しは、彼らが勝ち得たもの。資本主義の原理。
だが、割りきれない。
貧しい生活は心をも貧しくし、被害妄想を増殖させる。
主人公の行動は、まぁまぁヒドイ。
仕事をまわしてくれた友人を平然と裏切っている。
運転手や家政婦はセレブではないはずで、その彼らを陥れる。
この主人公一家こそ、自己中心的でまっとうな努力をしない怠け者たちだ。
なんの罪もない被害者はセレブ一家なのだ。
貧富の差を背景に、貧しい側を主人公にしてこんな描きかたをした映画がかつてあっただろうか。
しかし、主人公の最後の決意こそが、反骨精神で成り上がるためのエネルギーかもしれない。
こんなヒドイ主人公に、頑張って豪邸を買い取れるようになって欲しいという思いを抱かせる不思議さも、この映画にはある。
すごいものを見た
韓国について無知すぎて、こんなに貧困の差がある国だなんて初めて知った。
物語のスピードが凄い。ある家族の、ひと時であり、一生分の現実を見てしまった感じ…。演者たちの台詞、表情、全てが心にずしっとのしかかった。
生きることは計画通りに行かない。
家族全員失業の一家が富裕層家庭に忍び込み、乗っ取りを企てようとする物語。
今の世の中、決して裕福に暮らしている人ばかりではない。
その日暮らしの為に必死に生きる人びともいる。
生きることとは、人間の真のしあわせとは、
そして、間違った方向に行くと、どんな結果になるのか、
考えさせられる内容でした。
格差社会を生み出したのは人間なのだ。
少し前に「国家が破産するとき」を観た。
その影響もあるのだろう。この映画を見ることにした。
しかし、見事だ。
映画としてのエンタメ性はグンを抜き、ハラドキの連続。安心ばかりを売り物にする何処かの国の映画監督はこの映画を観て何を語るのだろう。
結末にコレを持ってくるのか…。韓国ならではの表現だ。だって、自殺率26.6%。世界で第3位の社会なのだ。そしてこの社会を作ることに躍起になった奴が存在したのだ。
半地下家族全員が優れた能力を持つ人間で、仕事に対して当然の報酬を得る。金持の家庭に寄生した訳ではない。採用されるタメの工夫に嘘が酷かった。しかし
仕事の評価は高い。そしてヒエラルキーを象徴するアルものに設定されているところがこの監督の凄さだろう。
見事と言うしかない。
社会的状況は日本が遥かに悪いと言うのに、万引き家族ぐらいの映画しか作られていない。
思いやりが足りないのだろう。
見事な悲喜劇 その日暮らしの貧困の家族が、裕福な家族に寄生する様が...
見事な悲喜劇
その日暮らしの貧困の家族が、裕福な家族に寄生する様が、良く描かれている
半地下も、豪邸もセットを組んだとは、なんと思い切った事監督が頭の中で思い描く、貧の世界と富の世界が、半地下と豪邸という格差に写し出されている
また、ドキドキハラハラの気持ちを盛り上げる音楽も素晴らしい
大雨の翌日の庶民と金持ちの過ごし方の対比、計画、無計画の話、監督の意図する世の中の風刺が、スクリーンを通して伝わってきた
パルムドール賞受賞も納得
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