劇場公開日 2020年1月10日

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パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価

全980件中、281~300件目を表示

3.5敗北の喜劇

2020年6月28日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

興奮

 一昨年の「万引き家族」に続いて、カンヌでパルムドールを受賞したのがこの作品。詳述すればきりがないのだが大雑把に論じれば、二つの作品に共通するものは、経済的に発展していると思われている国の貧困家庭を描いていることと、もう一つはその貧困が生み出す悲劇を、喜劇で表現しているということだろう。
 こうした共通項を持つ作品が2回連続で最高賞を受賞したことは偶然ではあるまい。そして、どちらの作品も東アジアで加工製造業の輸出で経済発展を果たしてきた国で製作されたということも偶然ではない。経済がグローバル化と情報通信技術の発達により資本と技術の移動が容易くなった結果、20世紀に興隆した国の製造輸出産業はそのアドバンテージを失った。そのしわ寄せは当然のように、経済的に恵まれていない者たちへ向かう。
 この作品に登場する一家の生活の底辺ぶりを、その住居の構造が端的に示している。彼らの家のトイレはその家の中で一番高い場所にある。しばらくはその位置関係を不思議に思う程度だったが、大雨によって浸水した半地下の家の中で、トイレだけがそれを免れている光景ではっとさせられるのだ。
噴水のように下水が吹き上げる便器。蓋をして、その上に腰を降ろして煙草を吸う娘。これほど人生の敗北感に満ちたカットを久しぶりに観た。この直後に一家の貧困から抜け出すための最後の戦いが始まる。そして、このカットはそのあがきが悪あがきに過ぎないものになることを予感させるのだ。
 この観客の予感は、ラストの息子の父親への手紙の内容によって正しかったことが明かされるのだ。
 事件の結末が凄惨なものであるにもかかわらず喜劇である。豪邸に住む社長一家も、ステレオタイプ化された嫌味な金持ちでもなく、貧しい人々をことさらに見下しているわけでもない、どちらかと言えば優しい人々である。その社長一家にとってはこの顛末は悲劇以外のなにものでもない。しかし、観客にとって喜劇に見えてしまうのは、一家の大黒柱を失うことになる直接の原因が、「匂い」であることだろう。社長と夫人は、この一家の父親の仕事ぶりは評価していた。だが、その「匂い」だけは頂けなかった。
 この父親にとって、これが感情や理屈といった人間の諸問題ではなく、自分のことが生理的に受け入れられなかったのだという屈辱感を生み出すことになる。つまり、生物としての一番正直な部分で自分は拒否されたのだと。
 結局、他人が何に対して屈辱を感じているのかについて我々は鈍感なのだ。自分に対する恨み、腹立ちという感情の部分に無頓着なのである。自分の感情が非合理であることに自覚的なのに、人の感情を合理性でしか想像しない。人間というものは、怒れる者のその怒りの理由に対する想像力が本源的に欠如しているのではないだろうか。
 格差社会の何か問題なのか。格差があること自体が問題なのではない。(格差のない社会など存在しない。)一方が抱く憤りをもう一方が想像できないという断絶が、社会の存続を危うくしていることが問題なのである。そのことを示唆しているのが、ソン・ガンホに人を殺めさせたことではなかろうか。

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佐分 利信

3.5単純に好みではなかった

2020年6月27日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

興奮

映画としてのテンポの良さ、息を飲む展開、予想もつかない脚本どれもがアカデミー賞も納得の一級品であった。

ただ、ストーリーそのものが個人的な好みに合わなかった。
悪くない人達が不幸になるのは好きではない。

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tiso jack

5.0よく作り込まれている

2020年6月27日
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笑える

楽しい

知的

画面の中に金持ち側と貧乏人の境界線が必ずはいっている、金持ちたちは見上げるように、貧乏人たちは見下げるようなカメラワークなど芸が細かい。金持ちの邸宅は一段高いところにあり、半地下にはさらに下の階層の完全な地下で暮らす人々もいて、サスペンスコメディーでありながら格差社会にメスを入れる社会は作品に仕上がっている。登場人物も完全なる悪人でも善人でもなく、感情移入しやすい。楽しく見れるが社会についても考えさせられるよくできた作品だと思う。

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Yurika

3.0韓国映画は初めて

2020年6月27日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

前半はどこかバラエティ色が強かったが、後半は一変し、シリアス・サスペンスになる。
列記とした成人映画。
潜り込んだ彼はその後どうなり、息子と再会を果たせたのだろうか

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なごやのHOBA(ほば)

4.0初めての感情

2020年6月25日
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鑑賞方法:映画館

貧しいのに悲壮感がない。
悪いことをしているのに罪悪感を覚えさせない。

金持ちにも嫌みがなく、貧富の差を描いているのにお互いの格差に違和感がない。

自分自身の中で初めて覚える感情だった。

コミカルなのにクスリともしなかったし、スリリングなのにハラハラしなかった。

かと言って淡々と観ていたわけではない。
この先どうなるんだろう、と物語に引き込まれていった。

最後のパーティーのシーンは、そんな自分の期待を裏切らなかった。

凄惨なシーンにも関わらず、どこか淡々と進んでいるようにも見えるが、各々の感情や表情が見事に描かれていて、それぞれの立場を雄弁に物語っている。

徹底的に貧富の差を描いているはずなのに、どちらかに感情移入することもなく、かと言って理解できないわけではない。

時折見せる富裕層のこれ見よがしの態度や貧困層のやるせなさにも共感できる。

自分は映画評論家でもないしプロレビューワーでもない。映画マニアでもなければ通でもない。ただの映画好きの一般人なのだが、観賞後、感想を紡ぐのにこんなに苦労したのは初めてだ。

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Ichi

1.0ハラハラドキドキ!?

2020年6月23日
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鑑賞方法:映画館

この映画でハラハラドキドキするなんて、視点がおかしいと思う。
似たような映画「万引き家族」では感動したと言うのと同じ。

両内容共に貧困がベースになっており、犯罪も絡んでいるのだ。

この映画に関して言うならば、早く発覚してしまえと思う事が人の常、世の常な筈。
それを見つからないかどうかハラハラドキドキしながら観るなんて、どうかしてる。
そんな人達で世の中溢れたら、日本も末でしょ...。

これがリアルな生活を描いているのか否かは知るところには無いが、最低だと思う。
ここ最近貧富の格差を描く映画が多いが、全くプロレタリア的な美を感じない。

富裕層には絶対勝てないが前提で、せこい犯罪やら、犯罪まがいを繰り返し、社会の底辺から絶対に抜け出そうとも足掻こうともしないスタイル。
プライド持ったホームレスを描いた方がよっぽど美しく描けると思う。

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ウィリー

4.5痛烈

2020年6月21日
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なんか胸に刺さりまくる
こんなの日本は作れないと素直に感じた
お手上げ

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飲兵衛

2.0なんじゃこりゃ

2020年6月21日
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くだらねー、これで名誉ある賞もらったのか。なんだこりゃ、単なるコメディじゃないか。貧乏人が詐欺を働いていて、バレそうになるから、正体を隠すために奔走するストーリー。幼稚くさいわ。なんの見識も得られなかった。話題性だけあって実態は伴わない見る価値のない作品。

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お前の頭はただの飾りか

4.0格差社会の闇をみた感じ

2020年6月20日
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初の韓国映画でした。
韓国の行方不明者の数は多いと聞くが、その原因の一つかとも感じる作品でした。

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shoko

1.0クソつまらない。

2020年6月14日
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評判がよかったから期待してみたけど、本当につまらない作品。人の狂気を描くなら徹底的にやるか、バラエティならもっとコミカルにして欲しかった。どっちつかずの駄作。
途中で退室すればよかった。時間の無駄。
アカデミー賞も大したことない。

色々な感性があると思うがこれを面白いと評価する人が信じられない。

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映画太郎

5.0半地下はカビのニオイ

2020年6月14日
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海外の映画を見る楽しみは、その国の暮らし方や生活習慣、家族のあり方などを見られることである。

 へー、韓国って、こんな半地下の家に住むのかとびっくり。対北朝鮮対策で防空壕として作られた物が、住宅不足により住宅として使用される様になったらしい。

 日本で、住宅に半地下があると言えばちょっとオシャレな感じだが、全くの半地下に住むのは、居心地が悪そうだ。第一風が抜けて行かないし、何より、常に澱んだ空気が充満していそうだし、カビ臭そう。てな訳で、キーワードは、臭いである。

「良い」と言う形容詞の無い、ニオイがすると言われると、侮蔑的な意味合いになってしまう。それほど、そのヒトが醸し出すニオイには、色々な情報が含まれているからかもしれない。
自分では気がつかないが、それぞれの家庭には、それぞれのにおいがある。
そんなニオイを持つ家族は、父に対する敬愛の情、家族の結束の強さ、仲の良さが、満載で、同じモノを突っついて食事する様は、微笑ましい。

私たちは、画面を見ていて、ニオイを嗅ぐ事は出来ないが、観ている限りのカメラワークが唸らせる。

階段を上がる、下がるの対比。ローアングルで、屏風の様に見せるパク家の庭園の緑。
雨のシーンの中のセックスシーンは、万引家族のシーンを思い出す。
 ニオイの情報と同じ様に、色々な事がてんこ盛りの映画で、時間を飽きさせなかった。

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はなも

2.5見たけど

2020年6月11日
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目で見るだけの映画
何も入ってこなかった!
共感する事もなく
感情移入する事もなく
考えさせられる事もない
逆にビックリした。

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明日行く!

3.5面白いが、深さ・鋭さには欠ける

2020年6月10日
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格差社会をバックにはしているが、話がぶっ飛んでいるので社会派ではない。社会問題を取り上げている作品としてみたら、突っ込みどころは満載。エンタメとしてみたら、笑える場面も多いしスピード感もあってかなりいい。ただストーリー展開の半分は意外だが、半分は予想通りで、それほど怖くもない。人間の描写もそんなに深くはない。オスカーはもらっておかしくないレベルの作品だが、パルムドール向きとは思えないのだが。

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Peace

4.0Kシネマの

2020年6月9日
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ジェットコースタームービー!
予想だにしないラストの展開が素晴らしい!
ただ見終わった後の喪失感がいたたまれない。

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マチャアキ

4.0永久保存版🙆‍♂️

2020年6月7日
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グロテスクさは控え目だが、韓国独特のじめっとした陰湿な感じは満載だった。ストーリー展開も素晴らしい。

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@Jankichi@

5.0最高の映画

2020年6月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

予想外の展開!ハラハラドキドキした!

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Blue Tomato

4.5引きずった…

2020年6月6日
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作品自体はすごく面白くよくできてました。
内容は韓国の光と影なんですかねぇ?
見た目だけを整えても、身体から発するあのすえた臭い。あのくだりあたりが心理的に揺さぶられました。

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chiakky

3.0坂でも穴でもなく階段

2020年6月4日
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鑑賞方法:映画館

愛を持った冷たさで紡がれる作品。お見事でした。後は個人的な趣向って事で。
暫くは映画的な画面でもないなぁ、なんて思っていたのですが、途中でそんな事も気にならなくなる位に、するするぐいっ!と引っ張られる感じでしたね。色んなパーツが後半に掛けてピタッと嵌まっていくのも良い具合でした。
なにより、妹ちゃんの便座喫煙が素敵で…。離煙してから暫く経ち、実生活では特に気にならなくなりましたが、たまに映画でこういったシーンに出会うと「う…うまそぅ…」と思ってしまいます(苦笑)。
付け加えるならば、韓国ものとして「バーニング」も合わせてどうぞ。といった所でしょうか。

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lynx09b

4.0パクソダム可愛かった

2020年5月30日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

出てくる女性(母方以外)の二人がめちゃくちゃ可愛かった。

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ZERO2

4.5「アカデミー賞」を取る本当の意味がわかった

2020年5月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

アジア映画初のアカデミー賞4部門受賞して世界的に注目を集めていたので観ておいた方がいいかなと思い軽い気持ちで鑑賞。でも、この映画を観るにはなかなかの覚悟が必要に感じた。
まず、韓国の貧困家族と金持ちの裕福の家族の差がリアルに浮き上がっている。日本の映画ではできないようなタッチで描いていた。
そして、何より怖いのは家の地下に見知らぬ人が住んでいるということ。こんな設定の映画はポン・ジュノだから作ることができたという印象。
物語の展開が凄まじく、面白味とともに恐怖感や緊迫感までがスクリーンから飛び出してくる感じだった。貧困家族が金持ちの家に住み着くという、この映画を観た人にしたわからない面白さと怖さがあると思う。

たくさんの有名人の方もこの映画に関するコメントをしており、ここまで話題になっている映画は一度観るべき。ただ、この映画にはドキドキするような緊迫した描写が多く、中には気に入ってリピーターになる人もいるだろうけど観たことを後悔する人もいるかも、と鑑賞終了後に思った。
自分が思うには、こういう映画がアカデミー賞を取れることを強く実感できて気に入る部分もあったがどこかやりすぎのところもあるような気がした。それでもこれは伝説に残る映画かもしれないと思う。息をついたり寝たりできるような映画ではなく、たくさんハラハラするのでぜひ観て欲しいですね。

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