パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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いつの間にか心に暗く染み渡っている、気がする
題材としては漫画なんかで見たことのある設定だったりしたから、そこまですごく良い映画、とは鑑賞後思わなかった。
でも、何ヶ月経ってもシーンが色濃く蘇るのはやはりそれだけ印象深い作品だったんだなあと思う。
半地下物件の哀愁は知らなかったので、そういう韓国ならでは、の家族環境が入ってるのは面白い。
途中、油断しすぎでしょ、とは思うけど、
最後、決して実現することのない夢で終わるのが切ない。
父生きてんのかな。。
創造性とは
「創造性とは楽しんでいる知性のことだ」
どの本で読んだんだっけ?アインシュタインが言ったのではない、まではおぼえているのだけれど。
「私が若い頃、英語を勉強していたころ…"最も個人的なことが最もクリエイティブなことだ。"という言葉を大切にしていました。本で読んだんです。これは……(あそこにいる)マーティン・スコセッシの言葉です」ポン・ジュノ監督の、アカデミー監督賞受賞のコメントだそうだ。
「パラサイト」を観ながら思った。「『レザボアドッグス』を観たときの印象と似ている」。タランティーノだ。作風が似ているわけではない。娯楽性を備えつつ、古くて何か新しい感じがする。シンプルに、しかし''ヤング"ではなくおもしろい。
映画の文法について学んだことはないけれども、比較言語学的な違いは感じ取れる。外国語を聞いて「これは印欧系だな」「これはシナチベット系だろう」というような。もっとも、世界の言語系統は実際の運用では多種多様に根深く混ざり合っている。映画も同じだ。さまざまな映像表現系統の影響を受けて混ざり合っている。
「パラサイト」もそうだ。正しい文法はおさえつつ、運用は「通じればいい」。あえて文法は破っても、伝わること、印象づけることが本質だ、というような。言語を使って伝えるのだけれども、伝えるのは個人なんだ。
「あーこの展開ならこうなるな」という脚本的な予想は裏切らないのだけれど「お、このシーンでこの映像表現を使う?」という新鮮さ。これがトゥーマッチになるとキューブリックやオリバー・ストーン、デ・パルマになってしまう。押さえるべきところで抑制を効かせてやり過ぎない。北野武もそこがうまかった。
それにしてもアカデミー賞の影響力は大きくて、今朝祝日に当番で出勤するとき、映画館に多くのお客様がいそいそと入っていかれました。日本でも大ヒットを願っております。
#パラサイト
ポン・ジュノと同じ時代に生まれた喜びを噛み締めたい
ポン・ジュノは紛れもない天才だ。少なくとも彼と同世代の監督で、新作を発表する度に、世界の映画祭をざわつかせ、高い評価を得ている監督はどれだけいるだろうか。
アジア映画として初のアカデミー賞作品賞を受賞したという歴史的快挙を成し遂げた後で本作をレビューすることは後出しジャンケンのようで少し気が引けるが、持てる者と持たざる者が分断されてしまった社会を、娯楽性と社会性、そして芸術性を併せ持った作品に仕上げるその手腕には、脱帽せざるを得ない。
私は本作を試写会で見たのだが、序盤、ゲラゲラと笑っていた人々が、中盤の“あの”瞬間をきっかけに始まる衝撃の展開に、凍りついたかのように無言になり、固唾を呑んでいるのが伝わってきた。もちろん私もその一人だった。ジュノ監督の掌で踊らされた、心地よい132分だった。
デビュー作の「ほえる犬は噛まない」から、「殺人の追憶」、「グエムル 漢江の怪物」「母なる証明」と、作品のスタイルを変えつつ、いずれも超一級品の作品を撮り続けてきたポン・ジュノと同じ時代に生まれ、リアルタイムで彼の新作を観られる喜びを噛み締めたい。
胸糞悪い映画
連れられて観に行ったので何にも知らないで鑑賞しました。
そもそも韓国の映画ってことすら知りませんでした。
パラサイトと聞いて真っ先に思い出すのはパラサイトイブくらいなのさものでしたので尚更でした。
序盤はなかなか悪くない展開で進んでいき比較的面白いと言えるものでした。
実は地下に更に〜なんて展開も面白かった。
しかし、不必要なまでの残虐シーンなど見せられてはちょっと引いてしまいました。別に殺さずともっと落とし方あったろうに。。。そうなってくると映画とはあまり関係のない生活様式とかの方もやはり気になってしまい、貧困でも倹しい生活を送り身綺麗にしているわけでもなくトンデモすぎると思いました。
貧しさは単に貧困から来るわけではないなと考えたり別の視点でばかり視聴するに至りました。
でもやっぱり劇場を出てからも胸糞悪い感覚が残りました。
迂闊だった
アカデミー賞で4部門受賞と知って、これは観なければ!と思ってその日のうちに友人を誘い、二人で観に行った。あらすじも何も知らずに観たため、衝撃が大きかった。ショックだった。知ってたら観なかったかもしれないが、観てしまったのでしょうがない。とんとん拍子に上手く事が運び過ぎやしないか?と思って不安に思っていたら、やっぱり。あの包丁の持ち方とか。ほんと怖いよ。ダメだよー、怖いの苦手なんだから。
やっと見れた
監督は国の格差社会ではなく、全くのエンターテインメントとして作品を作ったと言ったので、そのつもりでみた。そのつもりで見ると、なるほど面白い。深夜の地下での格闘シーン、日中の乱闘、まさにエンターテインメント。万引き家族をどうしても彷彿させるが、あれはまさしく日本の格差社会を描いていて、色々と考えさせる。そもそも初めからパラサイトの偽装家族だったんだけど。やはり父の心情を感じる場面が一番グッときた。スクリーンから臭ってくるいわゆる半地下の臭い。どんな匂いかは知らんが、凄く伝わる。自分では気付かない臭いが、全く別の世界に生きてる人間に気付かされる切なさ。奥さんの仕草で更に傷つき、あの一撃。半地下の家族って、更に地下の家族がいたのね。。エンディングには少々不満。この家族の行く末が気になる。
アカデミー+ポンジュノ監督と言うコンボの割には
先に前置きしておくと、正直言って彼の国に関してあまり良い感情は持っていませんが、エンターテイメントに関しては別と思ってますので、ニュートラルに感想を書かせて頂きます。
表題に書いた通り、アカデミー+ポンジュノ監督なので否が応でも期待します。
アカデミーに関して、自分はそこまで権威主義では無いのですが、一番好きな洋画がアカデミー作品の「羊たちの沈黙」ですので無視出来ず
そしてポンジュノ監督は何と言っても魂の大傑作「殺人の追憶」の監督ですので、当然この作品は手放しで傑作であるだろうと自分がハードルを上げてしまったのもアレなんでしょうが・・・
う〜ん。決して面白くない訳じゃない、いやむしろエンタメとしてはかなり面白いとは思う。
しかし期待を超える程の作品か?と言えばちょっと物足りないですね
ただ、改めて「殺人の追憶」を観直したいと思わせてくれた事には感謝いたします。
格差を高低差で表現するのは見事だが
賞を取ったと人気が出て、映画好きなら観なきゃ取り残される。
日本中みんなそんな風に思わされて、観てしまった私が悪い。
韓国映画が大っっっ嫌いなカレシは絶対観ることを拒否!
だから、カレシが実家に帰った時まで待ってようやく鑑賞。
映像の高低差の使い方の見事さ、あるいはコメディーとも取れるキャラクター性、演技力、社会格差の描き方。そこは素晴らしいが。
結局、描いているのは私が大っっっ嫌いな韓国そのままなのよ。
たとえば、韓国映画でも「新感染」みたいに面白い映画もあるけど、
韓国の生きざま、胸くそ悪さ、それで表現するんだ~って残念感。
正直言ってカレシが言う通り観なきゃ良かったって思いました。
こういうものにこういう表現は使いたくないけど「スバらしい映画」
だけど吐きそうなくらい汚なくて臭そうな映画で、二度と観たくない。
日本人の感性には合わないと思うんですけど。
dvdさえ触りたくない、返しに行きたくないゴミとして処分したいくらい嫌いな映画です。
オトーサンのブチ切れスイッチ
韓国社会の階級格差を「半地下」さらに「地下」という形でわかりやすく表現した点がナイス👍
観てスッキリ!という感じではないが確かに面白かった。見終わった後に「あれ?この感覚は⁇」と思い返すと「万引き家族」を観た時の感覚と似ている事に気がついた。
それにしてもオトーサンのキレるポイントは同じ中高年として非常に頷ける。ちょっと前に出張先で同期の営業車に一緒に乗った際に加齢臭で目眩がするほどで、同時に「まさか自分もこんな加齢臭を振り撒いているのでは⁇」と慄いた経験が蘇った。
自分じゃ自分の臭いはわからない、また家族はその家独特の匂いというのがあるけど自分達ではなかなか気付かないものでそれに対し他人から鼻を摘まれる切なさといったら…そりゃキレたくなるのもわかるわ😤
流石、ソン・ガンホ
脚本もシッカリしてるし登場人物も個性的で最初から最後まで飽きなかった。
インターネットで情報が何でも手に入る現代では、嘘をつくのも人を騙すのも頭が良い人には容易い事なんだと改めて思いました。
そして半地下に住む家族の父親役ソン・ガンホの存在感が凄い。
でも、最後のオチは直ぐにわかってしまいました。
評判通り
評判が良いので期待して観ましたが、評判通りよかったです。ストーリーが進むうちに何となく予想がついて、やっぱりね、なんて思っていたら、急展開!やられたーと思いました。韓国の事情など深いテーマが盛り込まれてはいますが、あまりそこを理解しなくても誰でもただただ楽しめる映画でした。伏線の回収などは秀逸です。
よくできてるとは、思うけれど。
あまり、好きではないかな。悲惨な映画だけど好きなものには、救いや希望がある。でも、この映画にはないな〜。これが現実と突きつけられるだけ。
それなら、「新感染」や「タクシー運転手 約束は海を越えて」の方が好き。
ただ、これを観て格差について考えるなら、意味はあると思う。
何故か「万引き家族」を連想してしまう映画・・・
米アカデミー賞を受賞したので普段あまり観ない韓国映画を観賞。
半地下に暮らす貧しい家族があるきっかけにより金持ちの家で家族である事を隠し次々と職に就く。一家が依頼主である金持ち家族に養われる正に「パラサイト」な状況となるが・・・・
とにかく隅々まで描写が生々しい。立ちションする酔っぱらい(?)、豪雨の中の人々、Wi-Fiを盗む様子等、なんとなく観ていて滑稽であるが笑えない箇所もある。コメディではないが、笑いを誘う部分が笑えない・・・何故だろう。
答えは登場人物が悲劇的な立場にあるからだろうか?
また、韓国映画って事で食文化に興味を引く部分もある。「なんとかラーメン」に鶏肉?豚肉?みたいなトッピングをのせて食べるシーンや依頼主の外出中に家族が依頼主の家を占拠し全員でテーブルを囲み食べるシーンなど・・・・
この映画を観て連想するのは日本映画の「万引き家族」。樹木希林扮する老人の年金目当てに偽装家族がひとつ屋根の下で暮らす話。
この双方の映画で共通するのが、家族が国や依頼主を「騙す」行為。家族、もしくは偽装家族が詐欺チームとなり行動する。
なので観ている側はその絶妙な騙しのテクニックを充分楽しめるが、依頼主の奥さんが鈍感なので、そこにハラハラ感は無く割とストレートに家族は職に就く。
後半にハラハラするシーンは出てくるが、ここでも少しはそんな場面が欲しい所。
韓国映画が米アカデミー賞を受賞するとは・・・
時代は確実に変化している。
韓国映画史上最大の傑作
【ストーリー】
最初から最後まで楽しめるエンターテインメントとして完成されている。
サスペンス、コメディ、ホラーの全ての要素が絶妙なバランスで構成されており、申し分の無いストーリーである。
しかも、そこには韓国の学歴社会、格差社会への痛烈なメッセージと皮肉が込められており、鑑賞後に何とも言えない余韻を観客に与える。
富裕層の鈍感、悪意の無い侮辱。貧困層の無計画、無気力。などあらゆる層にメッセージを送っており、社会性も高い。
韓国映画の金字塔といっても過言ではない作品である。
【映像】
本映画を鑑賞し、カットの美しさに驚愕した。
エドワードホッパーの様な単純化された構図と色彩、大胆な明度対比に計算し尽くした役者の配置など、大判で印刷して額に入れるとそのまま写真作品として美術館に展示出来そうな程、美しい。
ポン・ジュノは若かりし頃、漫画を制作しており、今でも絵コンテはかなり緻密に書かれているらしい。
まさに各映像が「コマ」なのである。
半地下の部屋や富豪の家は全てセットで監督の指示の元で製作された。
まさに全てが計算された、完ぺきな映像。つまりはアートなのである。
【音楽】
本映画はストーリや映像美はよく評価されているが、音楽にスポットライトが当たっていない。
音楽監督を務めたチョンジョイルに注目しないのはあまりにももったいない。
坂本龍一も絶賛する天才である。
バッハなどのバロック調の音楽が、ある種滑稽な主人公たちの裏で流れる事によって、
どこか安っぽく、何故か緊張感が漂う雰囲気を形成されている。
オープニングの半地下の映像と共にながれるピアノのリフレインも秀逸だ。
便所コオロギが這う、臭気漂う半地下の部屋で流れる美しい旋律。
まさに本映画音楽の素晴らしさを表す1シーンであると言える。
【総評】
アカデミー賞とカンヌをダブル受賞した本作品。
見事としか言いようが無い。傑作である。
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