劇場公開日 2020年1月10日

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「社会を突き付けられる作品」パラサイト 半地下の家族 とろろさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 社会を突き付けられる作品

2025年7月21日
iPhoneアプリから投稿

最近、韓国ドラマにはまり、韓国映画も興味が出て鑑賞。
映画館ではなく、家で鑑賞したので気が散らないか少し心配でしだが、あっという間に引き込まれてラストまで没入していました。

貧富の差。格差問題。上流階級と下流階級。
言葉にするとありきたりだけど、その現実は深く凄まじい。

"お金持ちは意地悪くて金に汚く悪い人"
"貧乏人は心優しく情に溢れて温かい人"

そんな単純なものではない。

経済的に豊かであるからこそ優しく、人を素直に信じられる人もいる。
お金がないからこそ、したたかに悪賢く逞しく生きるしかない人もいる。

そんな二つの家族が一つの嘘から関係を持っていくストーリー。

キム一家にはお金を。パク一家には家事や教育。お互い持ちつ持たれつ、Win-Winであるはずなのに、事件をも引き起こすほどの埋まらない溝が格差。

災害が起こった時の、底辺の人たちの苦しい状況と、何もなかったかのような明るく優雅な時間。これを同時に知ることは現実にはあり得ない。

『住む世界が違う』ということを、言葉でなく本当に知ってしまった時、どうしようもない悔しさや葛藤で反射的に攻撃的になるのを目の当たりにして苦しくなった。

そして、ラストシーンでは
綺麗事ではなく、生半可な努力では人生を変えられない事実を突きつけられる。

そうかもしれない。
でも1%でもそうでない未来があるなら、個人的にはそれを信じたい。

とろろ
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