「プライベートな奇蹟が重なってめでたく Forestier disease(DISH)を克服して復活できた幸せな映画監督のお話し」ペイン・アンド・グローリー カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
プライベートな奇蹟が重なってめでたく Forestier disease(DISH)を克服して復活できた幸せな映画監督のお話し
ペインアンドグローリーのペインのほうの身体的痛みや飲み込み難さ、喘息様発作については最初は原因不明のようで、精神的なものと思われましたが、最後、CTスキャンを撮り、原因がはっきりします。頸椎の前方の靭帯にトゲのような骨の出っ張りが出来て、食道を後ろから圧迫することで症状が出ていたのでした。頸椎後縦靭帯骨化症もみとめられました。フォレスティエール病と字幕には書いてありました。Forestier disease だと思います。フランスの医学者の名前が由来で、現在ではDISH(Diffuse Ideopathic Systemic Hyperostosis)びまん性特発性骨増殖症という症候群名で呼ばれることが一般的になってきたようです。CT装置は東芝製のAquillionという機種でした。東芝は医療部門をCanonに売却してしまったので、こうゆうかたちで、映画に残るのは技術者の人にとっては誇らしいことではないかと思われます。
原因がわかって、手術で良くなる希望が出てきて、同時に若い頃の恋人に再会でき、マドリッドの古美術商で初恋の左官職人がセメント袋に描いてくれたの自分の幼かった頃のスケッチを手にすることが出来て、ぐっと前向きになれたせいか、実際、手術のあとに復活して、自伝的な新作映画を撮るシーンで終わります。我々もまた、あの可愛い子役君とペネロペ・クルスに会えて、見終わることが出来ました。もう少し伸ばして、左官職人役の若い役者と監督が付き合い始めるみたいなエンディングにしちゃったら、ただのゲス映画になるところでした。くわばらくわばら。
実に羨ましい結末でした。実際はいがみ合ったり、嫌いなやつとは、一生実を結ぶことはないんですけどね。夢物語だったとしても、いい映画でした。
カールⅢ世さん、
おお!医療関係者の方でいらしたんですね。
“長年その人を縛っていた『ペイン』には心因性のものだけではなくて、解剖学的に手術で取り除けるものもあるのだ”という展開は何か新鮮な映画でした。
今年もよろしくお願いいたします、
きりん