「観に行って良かったと思えた映画。磁味溢れる演出、磁味溢れる脚本、磁味あふれる演技。」ペイン・アンド・グローリー もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観に行って良かったと思えた映画。磁味溢れる演出、磁味溢れる脚本、磁味あふれる演技。
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①もっと重たい映画かと思っていたら、軽みのある、でも何とも言えない豊かさのある映画でした。②アントニオ・バンデラスももっと重くてエキセントリックな演技をする俳優かと思っていたけれど、満身創痍で鬱なのに何処と無く可笑しい主人公を飄々と演じていてチャーミング。③少年時代(過去)と初老時代(近過去と現在)とが交錯しつつ(と言っても過去も現在も時系列通りに描かれるわけではない)最後に過去の部分は映画でした、という脚本は如何にも映画的。④冒頭の幼いサルバドール役の子役がとても可愛いし、女たちが洗濯しながら唱和していくシーンも微笑ましい。どのシーンも印象的だが、やはり昔の恋人と30年ぶりに再会するシーンが白眉であろう。亡くなる直前の母親とのシーンも良い。⑤『依存』の脚本を昔大喧嘩した主演男優に渡したことが結局かっての恋人に再会する契機となったり、偶々目に触れたのが少年時代にモデルとなった絵であり、そこから初めて(同)性愛に目覚めたエピソードにもっていく脚本が心憎い。⑥何とも豊かな気持ちになって映画館を後にしました。
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