デッド・ドント・ダイのレビュー・感想・評価
全156件中、101~120件目を表示
ホラーではなくヒューマンドラマ
ビデオゲーム「バイオハザード」のラクーンシティに出てくるようなゾンビが現実に出現したとして、普通の人が普通に対応したらどうなるか、そんなリアリティがある。人間は極限状況に直面すると無表情になる。喜怒哀楽や驚きの感情では対応できないからだ。状況を把握しようと脳が必死に回転して表情のコントロールにまでは手が回らないから無表情になるのだ。誤解を恐れずに言えば、その無表情が笑えるし、面白い。
ビル・マーレーとアダム・ドライバーという二人のコメディ系の俳優を配したことで、状況自体を笑い飛ばしてしまうような部分もある。散りばめられたギャグは笑えるところと意味不明なところが混在し、映画を正体不明な怪しい作品にしている。
中でもティルダ・スウィントンが演じた葬儀屋は登場人物たちにとっても謎の存在であり、彼女を中心に目の前で繰り広げられた信じがたい光景も謎であるが、普通の人らしく受け入れてしまう。そういえばコロナ禍の初期の頃、日本は武漢にチャーター機を派遣した。
センターヴィルで起きたのと同じ極限状況は地球全体に及び、もはや逃げる先はない。田舎町の生活者のディテールを描きながら、実は人類全体を描いているという、気がつけばスケールの大きな作品である。これまでもそうであったように、これからも人類の敵は人類なのだ。
それにしてもアダム・ドライバーは達者な役者である。本作と同じジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」では詩人でありバス運転手である男の日常を飄々と演じ、スパイク・リー監督の「ブラック・クランズマン」では意外に勇気と行動力のある刑事をケレン味たっぷりに演じてみせた。
「パターソン」と本作品の共通する点を挙げるとすれば、人間というものはどこまでも愚かで救いがたい存在だが、同時に愉快で愛すべき存在でもあるというジム・ジャームッシュの世界観だろうか。
本作品を「バイオハザード」などと同じように鑑賞すると、多分面白くないと思う。同じゾンビものでも、サバイバルを目指している他の作品とは決定的に一線を画しているのが本作品であり、突如として出現したゾンビに戸惑い、右往左往してしまう人間模様を描くヒューマンドラマなのである。その観点から本作品を観れば、実に面白い作品であることがわかる。意味不明な出来事は謎解きではなくてメタファーなのだ。
自分には合わず。。。
久し振りの劇場観賞\(^^)/
でも残念ながら自分の好みには合わず。
ホラー系のゾンビ映画の感じ。
だけどそれ程怖くもなく。
コメディーの要素も多目。
でも自分には合わず。
観賞中、起死回生のどんでん返しを期待!
でも、それっぽいのが意味不明の展開。
アメリカンジョークは多目な感じ。
それも自分のツボには嵌まらず。
何度も流れる同じカントリーソング。
結局、何を表現したかったのか?
不思議なのはホラー系の場面は映し方も音楽もそれっぽいんだけど全然怖くない。
これはある意味上手い手法なのか?
気になるところ。
最近観た韓国映画の列車内を舞台とした作品の様にゾンビが俊敏ではないので安心して観られた感じ( ´∀`)
あれ?あれ?
コロナで延期になり、待ちに待っての鑑賞。
あれー?ちょっとおもってたのとちがうな、、
ストーリーはない。
でも面白さもあまりない。
途中だれてしまい、決して長くない上映時間ながらあきてしまった。
アダムドライバーのスターウォーズギャグとかおもしろかったけど、、ちょっと期待しすぎたかもな。
ポスター最高だったのに残念!
自分には全く笑えない映画
新作の公開が途切れている中、洋画の新作に飢えている観客が来場して見事国内ランキング二位になっているだけで内容は全然面白くないです
監督やキャスト的には期待してたんですがやはり面白くないです
ゾンビ映画に載せたメッセージ
2019年カンヌ国際映画祭オープニング作品。
ジム・ジャームッシュがゾンビ映画...??と観る前は一瞬首を傾げたものの、とてもジャームッシュですね...。
ただ、R15+指定なのでそこそこ描写はエグいところも。ゾンビは大変古典的なゾンビなんだが、ゾンビにやられる側の描写は結構生々しい。
この作品の凄いところはもう最初からアダム・ドライバーが結末を断言しているところである(そしてその理由が示される場面はものすごく笑顔になった)。若干間延びしてはいるがそれなりに感情を見せるビル・マーレイと、真っ当にパニックになるクロエ・セヴィニーに対して、やけに落ち着いてるアダム・ドライバーの理由それかよ!そんなん笑うわ!そしてビル・マーレイの反応も大変よろしい。
本作、多分「普通の」ゾンビ映画を想定して観ると退屈かもしれない。だが、ありとあらゆる大小の仕込みとメッセージに唸らされる作品でもある。世捨て人ボビー=トム・ウェイツの立ち位置とか、ダイナーでスティーブ・ブシェミが吐く台詞へのダニー・グローヴァーの反応とか。人間が引き起こした気候変動とゾンビの関連も含めて、ある意味大変直接的なメッセージ映画でもある。ラストとか完全に社会派メッセージ映画のそれだ。ゾンビ映画なのに!
遊びというか余白という意味では完全に謎なティルダ・スウィントンが最高である。日本刀でゾンビを狩るティルティル....!警察署のパソコンのキーボードの叩き方はちょいとアレだが、最初から最後までなんだか分からんという「謎」としての彼女の見せ場は凄い。しかし字幕で武士口調にする必要があったかは分からない。
ジャームッシュがファンだと述べていたセレーナ・ゴメスの都会っ子感も私は好もしかった。キラーン!というあの輝き...。ベタだがそう見えるセレーナ・ゴメス...。
ストーリーの結末としては殆ど救いがない(警告映画だからそうなるだろう)のだが、とにかく色々な要素を詰め込んで拡張したかったんだな、と感じた。そしてメッセージ性を備えつつ、細かく遊ばせる。それが完璧に成功しているとは言いがたいのだけれども、挑戦的映画だな、と感じた。
トム・ウェイツが拾うメルヴィルの「白鯨」にも何か含意があるんだろうな...。
ジャームッシュ好きのツボを押しまくる佳作
公開延期になっていたジム・ジャームッシュの新作をようやく観ることができた。
.
ゆる〜いゾンビコメディと思いきや、観終わった後の感触は少し違い、ライトヘビーな佳作であった。
.
舞台はアイオアの田舎町センターヴィル。町の巡査や住民たちの他愛のない日常をユーモラスに切りとった序盤の描写が絶妙。ジャームッシュの世界に浸る。
.
地球の自転軸のズレから次々起こる異常現象。墓地から死体が這い出し住民たちを襲う。なす術がない世紀末が表出した。クールな無常感があった。
.
町の巡査役のビル・マーレイとアダム・ドライバーのやりとりが最高に面白い。そして、ティルダ・スウィントンが演じた日本刀の達人のキル・ビル感、セレーナ・ゴメスの実にまともな清涼感、イギー・ポップのパンクなコーヒーゾンビ、すべてを目撃する世捨人を演じたトム・ウェイツなど見所満載だった。
超ロメロ的正統派ゾンビ映画。ただしそこはジャームッシュ。
馥郁たるロメロの香りを堪能できる正統派ゾンビ映画。
清く正しいと言って言いすぎでない。
そこにジャームッシュらしいふゃっとしたところとピリッとしたところと、…ナンデ?みたいな物悲しさと可笑しみがそこかしこに散りばめられていて、大変良かった。
今日びの映画館なので、大笑いしたいところをぐっと我慢して楽しみました。
個人的に、推し俳優ブシェーミを愛でられて、ゾンビになってもいつものいつものイギーポップとティルダ様のティルダ様ぶりを堪能できて、トム・ウェイツでビル・マーレイなので花丸ちゃん映画。
今度は映画好きの友人と観に行って、あーだこーだ感想を言い合いたいな~。
派手さはなく、地味なゾンビコメディ?! 当然ながらゴーストハンター...
派手さはなく、地味なゾンビコメディ?!
当然ながらゴーストハンターとは異なる。
セリフが上滑り気味。
ところで、三人の子供達はどうなった?
ジャームッシュ映画、ゾンビ映画じゃないよ笑
ジャームッシュ最近、基本ホラー多いですね。
評判悪いので期待しないで観に来ましたけどそんなに悪くもなかった。
だだジャームッシュの映画であってゾンビ映画じゃないね、ゾンビファンは肩透かしなんだろうな笑
アメリカの田舎町の人々がゾンビに直面するユルイ面白さ。
アダム・ドライバーとビル・マーレーのコンビか面白い。
当然、今の世界の状況前の作品だけど、古典ゾンビと人とのスピード感が、ソーシャルディスタンスの距離感を思わせるられ別な意味で感慨深かった。
3ヶ月ぶりの映画館は作品の見え方まで変わって見えた。まずは映画館で映画を観る事が大切。
実はジム・ジャームッシュ王道作品。
ジム・ジャームッシュのビル・マーレイとアダム・ドライバーへの愛とリスペクトと信頼が全開の映画でしたね。そして、ジャームッシュ王道の3人組珍道中の展開。ダイナーでのダニーグローバーを交えた掛け合いはもう最高。あと、説明すると野暮だけど、ジャームッシュの「トランプを支持しているレイシスト野郎なんて大嫌いだよ、くたばれ」というメッセージも。他にも小ネタが満載で、とにかく楽しい。
ジム・ジャームッシュ印のゆる〜いゾンビ映画
淡々とした描写から生まれるユーモアにクスリと笑わされつつ、思わぬ人物からの私たち現代人へのメッセージに、ただ笑ってるだけでもいられない不思議なバランスの作品でした。
ゾンビの姿を通じて、資本主義に囚われた人々を悲観的に捉える視点には皮肉が効いていて、ジム・ジャームッシュ監督が警告したかったことがストレートに伝わってきました。序盤からずっとそのテーマを軸に話が展開していたことに、後から気付かされる作りはお見事。
肝心のゾンビ描写はかなりゆるめのタッチで描かれているため、このジャンル特有の面白さは後退しており、そこが評価を分ける要因になっているようです。これほど落ち着いて見られるゾンビ映画も珍しいのでは。
しかし個人的には、「反則だろ!」と突っ込みたくなるほどのメタギャグ含め、ジャームッシュ監督特有のオフビートな笑いが散りばめられた、魅力あふれる一本でした。
カントリーミュージックが心地よい、おしゃれなゾンビコメディ
田舎町の警察官を演じるビル・マーレイと、アダム・ドライバーのゆるいコメディダイアログ。
スタージル・シンプソンのカントリー音楽、Dead Don’t Dieが心地よい。
一方で、ゾンビ が人を食う描写は過激だったりする。
ただそのゾンビたちは、
かつてその田舎町で生活していた人間で、
復活しては、いきつけだったダイナーでコーヒーを求めたり、趣味のテニスをしたり、生前の生活に引き寄せられる。
その姿は決して憎めず、むしろ可愛らしくも感じてしまう。
グッズ欲しいな〜
さすがジャームッシュ、
パッケージセンスがなんとも良い、ゾンビ映画でした。
主演2人の愚痴り合いが魅力的
ジム・ジャームッシュの映画は「パターソン」しか観ていませんが、アダム・ドライバーの演技が実に素晴らしい大傑作でした。
本作もアダム・ドライバーが出演していると知って、必ず観ようと心待ちにしていたのです。
ゾンビ映画といえば、いくつか気になるテーマがあります。
1. ゾンビが誕生するきっかけは?
2. 誰がゾンビになるか(殺されてしまうか)?
3. 誰が生き残るか?
4. ラストはどうなるか?(ゾンビが根絶される、ゾンビの原因が解明され解決に向かう、ゾンビの大群から逃れて安全な場所へと向かう、など)
5. ゾンビは何を象徴しているのか?
本作はブラック コメディという体裁をとっており、しかもメタ視点が取り入れられています。
上記の1と5は、かなり露骨な形で観客に提示されます。
現代的かつ普遍的なテーマだなぁという印象です。
斬新な映像が見られるとか、意表を突く展開になるとか、そういうタイプの映画ではないなと思いました。
メタ視点の部分はニヤリとしてしまったし、「え?この展開はこれで終わりなの?」という肩透かしを喰らうところもありましたが、なんだか嫌いになれない魅力があります。
なんといっても、ビル・マーレイとアダム・ドライバーの2人がすばらしかったです。
2人ともただただ愚痴っているだけなんだけれど、それだけでなんだかおかしくて、このコンビでスピンオフを作ってもらえないかなと思いました。
必見という映画ではないけれども、こういう映画が劇場でかかる状況は悪くないなと思います。
スタイルに逃げないでほしい
ゾンビ映画のなかでは、すごくまったりした作品です。監督の今までの作品の傾向やスタイルは全く知らないけれども、正直お金を払ってみる映画としては残念な作品です。
たくさん映画を観ていると、頑張って撮ったんだけれど上手く表現できなかったり、盛り上がりに欠ける作品はあると思います。でもそこに制作者側の熱い気持ちが伝わってくるのであれば、観る側としてもある程度納得できます。スポーツでいう、負け試合でも最後まで走り切っているチームは応援したくなる、あの感覚です。
でもこの映画は、作り手が監督のスタイルに逃げている印象を受けました。監督だけではなく、出演者を含めた全てです。
「俺たちはこのスタイルなんだから、面白いと思う奴だけ付いてこいよ!付いてこれない奴がダメなんだ!」
僕は常日頃、制作者と観客はどちらかが上ではなく、対等な立場で作品をより良いものにしていくのがベストだと思っています。
僕が本作品から感じたものは、もしかしたら勘違いかもしれませんので、是非劇場で皆さんの目でお確かめください。
全156件中、101~120件目を表示