「ジム・ジャームッシュ印のゆる〜いゾンビ映画」デッド・ドント・ダイ セッションさんの映画レビュー(感想・評価)
ジム・ジャームッシュ印のゆる〜いゾンビ映画
淡々とした描写から生まれるユーモアにクスリと笑わされつつ、思わぬ人物からの私たち現代人へのメッセージに、ただ笑ってるだけでもいられない不思議なバランスの作品でした。
ゾンビの姿を通じて、資本主義に囚われた人々を悲観的に捉える視点には皮肉が効いていて、ジム・ジャームッシュ監督が警告したかったことがストレートに伝わってきました。序盤からずっとそのテーマを軸に話が展開していたことに、後から気付かされる作りはお見事。
肝心のゾンビ描写はかなりゆるめのタッチで描かれているため、このジャンル特有の面白さは後退しており、そこが評価を分ける要因になっているようです。これほど落ち着いて見られるゾンビ映画も珍しいのでは。
しかし個人的には、「反則だろ!」と突っ込みたくなるほどのメタギャグ含め、ジャームッシュ監督特有のオフビートな笑いが散りばめられた、魅力あふれる一本でした。
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