罪の声のレビュー・感想・評価
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序盤はあまりのつまらなさに途中退場しようかと思った
映画で初めて寝そうになった。痛みで目を覚そうと、手足をつねりながら観てた。
俺はまだ寝なかっただけマシだ。
「ぐがぁ〜。ぐがぁ〜」といびきかいてたオッさん居たしね。周りがクスクス笑うもんだから、貰い笑いしちゃったじゃない。
つまらなかった理由は、「登場人物が多く、人間関係が複雑」だったから。とにかく登場人物が多い、それだけならまだしも過去の話も入り乱れて頭がパンクした。それに加え、序盤は物語の起伏が少なく、観ていてまぶたを閉じそうになった。
序盤の早い段階で回想シーン出しといた方が良かったのでは。よほど頭フル回転しないと、関係性を把握するのは難しいだろう。
しかし、中盤になって面白くなってきた。登場人物たちの過去が明らかになり、関係性が分かってきたからだ。
特に、声を使われた曽根と聡一郎の生活が正反対なのが印象的だった。曽根は家族も居て幸せに暮らしているけれど、一方の聡一郎はドン底生活で自殺寸前。同じ声の子でも天と地の差があり驚愕。阿久津と曽根は聡一郎に同情してたけど、俺はそうは思わなかった。聡一郎は過去のトラウマをせいに逃げてる気がしたからだ。
「過去の〇〇のせいで俺はこうなった」などとすぐ過去のせいにする人は好きじゃない。だって、自分の考えかた次第でどうにでも、人生良い方に転がると思っているから。俺は人生に絶望したとき、過去を理由にウジウジしない生き方をしたい。
序盤はあまりのつまらなさに途中退場しようかと思った。だが、金が無駄になるぞ、と自分に言い聞かせ意地でも居座ったのが正解。中盤で物語の展開が面白くなってきてからは、眠くなることはなく安心して鑑賞することが出来た。
ちなみに、いびきかいて寝てたオッさんは、結局目覚めることなくエンドロール迎えて。勿体ない、劇場に笑いを起こしてくれてありがとう。
聡一郎の幸せを願わずにいられない
聡一郎が初めて出てくるシーン、真っ暗な部屋に座ってロープを見つめる生気を失くした聡一郎が映し出された時は、一瞬ギョッとしました。
しかしそこだけでもう、聡一郎のこれまでの人生が悲惨で壮絶だったのが分かってしまうくらいの宇野祥平さんの廃人のような佇まいに圧倒されました。
曽根と阿久津に会って話をした時も悲壮感と絶望感しかなかった聡一郎が、会見前に曽根が作ってくれたスーツを着た自分を鏡で見て、控えめな笑顔で「めっちゃかっこええですね」と言うところが好きです。
もう一つ印象的だったのは、火事の時お母さんが「早く行き!(私は)大丈夫やから、あんたは逃げぇ!」と泣きながら聡一郎を送り出す所。
老人ホームでお母さんと再開し、聡一郎とお母さんが抱き合う姿に涙涙でした。
星野源さんも小栗旬さんも素晴らしかったけど、とにかく宇野さんが凄すぎて。
宇野さんじゃなくて宇野さんは聡一郎そのものな気がしてしまう程です。
終始ずっと引き込まれっぱなし、圧巻。
ものすごく重く悲しく胸が苦しくなるけど、最後はお母さんと聡一郎の未来に光が差す結末で良かったです。
凄く期待していたけど期待が高かった分、あんまりでした。 中盤くらい...
凄く期待していたけど期待が高かった分、あんまりでした。
中盤くらいに全貌がだいたい分かってしまい
ハラハラ感が薄く飽きてしまった。
ラストものっぺり終わった感じがしました。
実際の事件を題材にしているので難しいと思うけど
残念でした。
カセットテープと手帳
三十年前の未解決事件を
新聞記者の阿久津(小栗旬)と
スーツ職人の曽根(星野源)が
子供の頃の声がカセットテープから…
事件の犯人の声明に使われた
それぞれの立場から
…真相を突き詰めていく
沢山の証言者が交差するなか
二人が出会う
事件の背景が証言者から聞いて
少しづつ分かってくる
そして…声の主の子供逹の人生が
浮き彫りに
子供逹の未来を考えなかった
…親たちの責任は
色々と考えさせられる
小栗は記者としての伝える側の
責任と当事者側の思いを
上手く演じている
星野源は自分の声が犯罪に
使われたことで苦悩の日々を
上手く演じている
他のキャストの皆さんも
キャリアのある方々で
味のある演技も見ものです
脚本も下手な台詞がないので
スッキリとして言葉に深みがある
今の世の中も
ちょっとした事で事件に巻き込まれ
歯車が外れて人生が変わり
取り返しが…つかないことも
余談…小栗旬と古舘寛治がキツツキと雨で共演しているのを思い出した
あの事件を洗い直すと・・
昭和59年の卑劣な劇場型犯罪と騒がれた実際の未解決事件を掘り起こした社会派ミステリー、視点を脅迫電話の声に使われた3人の子供のその後の悲劇と葛藤に置いているから犯人憎しの思いは募る。
もっとも事件自体が謎のままだし、犯人像は取材に基づいているものの塩田武士(原作)氏のフィクション、劇中でも事件後35年も経てば口が軽くなる関係者も出てくるかもしれないと再取材の見込みを語っているがそのとおり、犯人たちの会合を目撃した小料理屋の板前が実在したら事件は解決していたろう、都合よく調査が進むのは出来すぎかも知れませんね。併せて、お涙頂戴的なエピソードもドラマツルギ―とはいえ心地悪い。
海外逃亡では時効が成立しないので曽根(宇崎竜童)逮捕で事件解決かと匂わせたがまたしても逃亡とは・・、さすがに史実を覆してしまうのでは嘘っぽくなるとためらったのでしょう。
那須田淳プロデューサーと土井裕泰監督は「逃げ恥」などTBSドラマの名コンビ、その縁での星野源さんなのでしょう、小栗旬さんもゴジラVSコングの掛け持ちで頑張っていました、イギリスロケなど国際派俳優への後押しでしょうか、もっともゴジラでの白目演技は微妙でした。
原作ベースなので実写化で長尺になるのは分かりますが不幸な子供たちの悲劇ベースで2時間20分はちときつかった。
おもしろい!
予告編も何も見らずに映画を見たので余計に面白かったのかなと思います。
思ってたよりも残酷だったし、報われないなと感じた。
何よりキツネ目が見た目そのまんまだったのが1番面白かった。
最後にかけて2人出会ってピースが繋がって行くのがたまらなく良かった。
個人的には、原作超えならず
映画→原作の順であれば印象も変わったかも知れません。先に原作を読んでいたため、映画の駆け足度合いが気になって仕方ありませんでした。また、原作は描写が緻密でどこまでも奥行きがあり、大人の独りよがりな思想や行動によってその後の人生を大きく狂わされた子供たちの眼前に広がっている非情で残酷な現実が容赦なく描かれ、胸が引き裂かれそうでした。
対して映画は平面的で比較的ライトかつカラッとしており、割とどこか救いがある内容になっていた印象を受けました。主演2人の関西弁も違和感が残り、特に小栗旬はほぼ標準語だった気が。。。いっそ舞台を関東にしてしまった方が良かったんじゃ。。。
同作者の騙し絵の牙は原作と映画の関係性が兄弟のようなので、それぞれで楽しめてかなりオススメです。本作は骨太で重厚な原作超えにはならなかったと思います。
映画自体はフィクションなのに、現実のように思えてしまった。
初めての鑑賞
星野源が演じる主人公はテーラーの店主・曽根
ある日、自宅の押し入れから死んだ父親の荷物を見つける
荷物の中のカセットテープを再生すると自分の声で録音されたメッセージがあり
父の手帳をもとに過去を調べると
カセットテープのメッセージは食品メーカーに対する、身代金の受け渡しに関する指示だった
という物語
まだ中学生だったが、グリコ森永事件をリアルタイムで知っている
映画自体はフィクションなのだが、事件の種明かしを見ているかのような感覚を覚えた
映画の中の犯人グループの目的は、身代金よりも
事件によって暴落する株価を利用した取引益
この想定は、20年位前にジャーナリストの大谷氏の著書で読んだ
この映画はそれを参考にしたのだろうか?
大谷氏の著書を読んだときは、たぶん本当だろうと思った記憶がある
映画の終盤で、犯行の首謀者が
金よりも「世の中に対する、云々」と犯行の犯行の目的を話すが
ちょっと、インパクトに欠けるかな~
普通に金が目的のほうが分かりやすいような・・・・
物語自体は、実際の事件の種明かしを見ているかのようで、引き込まれてしまうし
自分の意志ではないと言え、自分の声が犯行に使われた事に動揺する主人公に感情移入している自分に気づいた
ただ、犯人グループの人数がやたら多いのと
グループとその周辺の人間関係が複雑で少し疲れた
人間関係をもう一度確かめたいと思うが
カミさんがHDDのデータを消してしまったので
次の機会があれば、もう一度録画しようと思う
引き込まれる
当時少し記憶に残っている事件。この映画を観て、あの事件いつの間にか進展があったのかと勘違いする程、リアルに描いてあった。でも観終わった後、調べるとその子供たちが名乗り出たとかはないようだし、今も未解決事件のよう。確かにこれら子供達はどこかで暮らしているに違いないし、その人達のことを想うと気の毒になる。面白い映画だったけど、その子供達は声の主の事実に気付いていたならば、この映画は世に出てきて欲しくなかっただろう。
事件を掘り返すことの意義とは
あくまで主役2人はストーリーテラーであって、この話の主人公は総一郎な気がした
総一郎が今まで何を考えて生きてきたのかを考えるとあまりにも悲しい
俊也が総一郎に『曽根さんはどんな人生だったか』と聞かれても何も答えられないところが苦しかった
あまりにも総一郎の人生が壮絶すぎて
父親が殺され夜逃げをして学校に行けなくなり、姉を目の前で殺され、母親を残して逃げ、優しくしてくれた夫婦に迷惑をかけまいと仕事をやめ、保険証がないから病院に行けず目の症状が悪化してようやく見つけた仕事をクビになり、死を選ぼうとしていた時に『同じ境遇』の人と出会ったときは嬉しかっただろうな
質問した時の嬉しそうな表情が本当に辛い
でも『同じ』ではなかったと知ったとき、また苦しんだんじゃないかなと思うとさらに辛い
母親と再会出来て、
『置いていってごめん』と謝れて本当に良かった
母親は謝って欲しいなんて微塵も思ってないだろうけど、罪の意識に苛まれ続けるのは辛いから
でも全てのきっかけであるテープの声が唯一の形見なのは悲しかった
あと色んな人がわりと話してくれたのは、当時は関わりたくないから黙ってたけどずっと誰かに話したいことだったからなのかな
板長はちょろすぎるけど
事件に利用されたマスコミが、マスコミを利用して事件関係者が前に進めるきっかけをつくったという綺麗な終わり方で救われた
過去の栄光の残り火
学生運動。今では考えられない程の熱量で若者達が社会に立ち向かって声を上げ、社会を動かし、自らの正義に酔いしれた。
その残り火が3人の子供をはじめ、多くの人々の運命を狂わせた。
壮大なトリックや伏線とかはないが、記者と当事者、それぞれの線が交わり一つの真実に近づく。
普通に面白かった。でも元ネタの事件をリアルタイムで見てたらもっと別の感想が出そう。
個人的にちょっと微妙なのが星野源と小栗旬の初対面のシーン。
この時代に同じ事件を追う同士、二人の主人公の出会いに興奮したけどちょっと肩透かし。
星野源ぶちギレてたけど、あれ?そこキレるとこ?って驚きました。
部外者が面白半分で入ってくんじゃねーよ!って事かな?
子どもの声と夢
冒頭、自分の声が犯罪に使われていることに気づく瞬間は鳥肌で、怖い。最初から引き込まれる。
2人の視点から同時に事件が見えてくる。中盤、その2人が出会うシーンはすごい。そこから物語がさらに加速する。
3人の子どもは、あの声のせいで一生苦しむことになり、そのうちの1人は命を落とした。しかし、最後のぞみとそういちろうの母親は、あの声のおかげで、再び娘の存在を実感できた。これがなんとも皮肉的で示唆にとむ。録音された声は、それが人を苦しませることにもなるし、人に救いを与えることもできるのかもしれない。
曽根俊也の妻が、娘に対して『今はなんでも夢を持った方が良い』みたいなことを言っていて、それが意外な伏線だった。
声に使われた生島望は、翻訳家になりたいという夢を叶えられずに亡くなった。犯罪グループの一番の罪は、子どもの夢を奪ったことである。望の『夢を諦めたくない』という言葉がすごく刺さる。
ひっどい
横山秀夫64ロクヨンの超絶劣化版。塩田武士'79年生まれが何をほざいてる?社会派を気取って背伸びをしたいのか、'70年学生運動に'80年劇場型犯罪を絡めて現代日本を貶める手法なんて、薄っぺらのクソ左翼の使い古された文脈やな。前半はまぁいいとして、後半グダグダ。土井裕泰監督も絵だけ撮っても、編集がクソなのか、どうしてこんなに飽きるのか。梶芽衣子も古舘寛治も松重豊も無駄使い。無駄な海外ロケいる?その予算を他に回せんかったんか?エンターテイメントってそういうことちゃうねん。惨めな宇崎竜童なんか半沢直樹で十分見たわw。はぁ、天下のTBSも人がいなくなったもんやなぁ。小栗旬も星野源もそれなりに頑張りは伝わるけど、作品に合ってない。脇役が豪華な分、粗が目立ってしゃーない。突然声が大きくなる星野源、そこでその芝居おかしいと思わんか?演出も言ったれよ。なにより編集がダラダラ継ぎ接ぎだらけ。期待してただけにガッカリ。予告編集した人間に本編も編集させたら、もしかして面白くできたかも知れん。知らんけど。
実在の
実在のの事件を基に作られた作品。
森永グリコに青酸カリを交えた商品をばら撒くぞ!
脅しをかけて世間を恐怖に陥れた。
その事件の犯人達が身代金の要求に使ったのが子供達の声でした。
その犯人達に利用された子供達に視点置いた作品でした。
世間では、犯人特定に目が行きがちになるけどそれに関わってしまった子供の事は、あまり知られていない。
その子供達がこの先どうなろうと世間の人々からしたら関心に及ぶ事がない。
自分が思わぬ形で事件に関わってしまったばかりに自分の人生がめちゃくちゃになってしまう。
恐怖と無気力に陥ってしまう中でもそこに向き合っていけば希望の光は、見えてくるかもしれない。
最後には、そんな救いのある作品だなと感じた
ストーリーがしっかりしている
小栗旬の演技が圧倒的。
新聞記者が主人公なんてよくある設定だけど、よくある安っぽい演技でなくて、超人的な解決方法じゃなくて、地に足ついて、いろいろな人が色々な立場から出てきて、演技もしっかりしていて良い味出してた。
初め、小栗旬と星野源がごっちゃになってしまったのと、初めに出てきたイギリスがついていけなかった。
いつも理不尽に犠牲になるのは「弱くて小さきもの」
本作は実際に起きた昭和の未解決事件をモチーフにした作品。
主人公は二人。
人の不幸に立ち入り、紙面を埋めることしか考えられなくなった自分に嫌気がさし、やる気も記者としての矜持も失ってしまった元社会部の新聞記者「阿久津」。
家族との幸せな日々の中あたたかくも慎ましく、父の意志を受け継ぎ、ブリティッシュファッションに惚れ込み確かな職人としての矜持を持つテーラーの店主「曽根」。
この全く交わるはずがなかった二人はかつて世間をにぎわせた昭和の未解決事件によって、引き合わされることとなる。
「阿久津」は前述の過去から当初は乗り気ではないものの、新時代令和を目前にマスコミの威信を懸けて、社を上げて改めて戦後最大の未解決事件の真相をあぶりだそうと立ち上げられた特別企画班のメンバーへ抜擢
対する、「曽根」はある日自宅の押し入れで見つけた自分の子供の頃の録音テープがかつての未解決事件の犯行に使われたものであることに気づき動揺、自分や親族が実はその大事件に深く関わっているのではないかと疑念を抱き、苦しみながらも亡き父の関係者を訪ね始める。
一方は新聞記者として。一方は自分を容疑者ではないかと疑う者として。
立場も動機も違い、別々に動いていた二人の邂逅は互いの欠けていた真実へのピースを持ち寄り、残りのピースを埋めるべく二人で「捜査」を始める。
多数の証人、そして近畿・中四国を中心に果ては東京、そしてロンドンに至るまで取材をしていくこの物語はついていくのがやっとなほど。
もう一人の「罪の声」の主というキーパーソンに会うまではさながら一向に埒のあかない警察の捜査や記者の取材を疑似体験しているかのよう。
深淵に沈んだ35年前の事件の真相解明は一筋縄ではいかない。
本作は我々に大きく2つのことを改めて訴えようとしていると感じた。
1つは、マスコミや権力の功罪。扱い方次第で、人々に怨恨を産みつけることもあれば、救済のため手を差し伸べすることもあるということ。
もう一つは、社会を担っていく大人たちがどこに重心を据えるかで、子供たちの未来が大きく変わるということだ。
人生とはその人に迫られる判断の連続の帰結であり、道を外すも踏みとどまるもその人次第だ。
ただ、本作はそうとも言えないのではないかと観ていて痛ましくなる。
全ては「理不尽」。
私は時間なんかで解決はされないと考えているし、この世は捨てたもんじゃないなんかとよくそんな呑気なことが言えるなと憤ることもしばしばある。
だからこそなのか、事実を明らかにすることに動く意義は確かにある。
それは苦しむ者が抱える胸のつっかえのようなものを取り除き、そして、大げさに言えばその人の救済にもつながるとも信じている。
「流行り廃りに左右されないで、頑固で慎ましい」
これは「ブリティッシュは人気がないか・・・」と年配の職人さんが嘆いた一言に対しての曽根のリアクション。ブリティッシュファッションへの愛が凝縮されたセリフだ。
この一言は
「本当の大人はこの世にいるのかと常々問い続けている」私にとっては
人としてのあり方の1つの「型紙」みたいなものを示してくれているような、
学校や自分の上の世代、力のある者たちが産み出した「既製品」のような生き方に無理に合わせなくてもいいと言っているような、
かなり拡大解釈し、無理やり結び付けているみたいで恥ずかしいが、そんな風に感じてやまない。
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